三色ボールペン情報活用術

齋藤 孝 著
情報化がテーマに上げられている通り、私は「情報」というものに興味を持っている。 近年インターネットの普及などにより、たくさんの情報が得られるようになったが、 逆に情報過多に陥っているのではないだろうか。 我々は情報を取捨選択し、整理する必要がある。本書はそのための手法に関するものである。

情報というものは量があればいいものではない。 むしろ質こそが重要なものであろう。情報の質とは何で決まるのだろうか。 本書では活用することで決まると主張している。 「活用」しない情報に価値はない、ということである。 そして、活用するためには自分の内側に取り込まねばならず、 自分用に組み替えて与えられた資料を一段階上の「情報」にしなかればならないと主張する。 そのために、三色ボールペンを用いて脳のアンテナを鍛える。 三色ボールペンを使って、最重要は赤、まあ大事なものは青、主観的に大切だと感じたものは緑で色分けする。 こうやって主観と客観を切り替えながら情報を読みこんでいく。 それを繰り返すとこうした脳のフィルターの切り替えを自然かつ迅速にできるようなる。 三色ボールペンとは脳を鍛える(「技化」と表現されている)ための道具なのである。

本書では、情報は活用されることがまず主眼に置かれる。 活用するのは誰か。自分である。だから情報は自分だけのためのもので良いとする。 ここで「暗黙知」というキーワードが登場する。 暗黙知とは個人の経験的な知の蓄積で、多分に無意識的なものである。 この暗黙知に情報を「くぐらせる」。 そうして引っかかってくるもの(緑で印をつけたものである)は自分にとって興味がある事柄である。 こうして引っかかったものは、全く別の局面でも活用できるのである。

また三色で分けることで情報が視覚的に認識しやすくなる(「立ち上がらせる」)。 情報を構造的に理解することができるようになるのである。 そしてこうした方法でクリアで整理された脳に積み重ねてきた緑色の素材から、 アイデアを「編み出す」のである。

評価

非常におすすめ。
我々は「勉強」をするための会であるわけだが、 その前提としてどうやって資料を読むかという問題を考えていた。 逆にそのための会であることはAboutに書いたとおりである。 本書は資料を読み込み自分のものとするための方法論が具体的に書かれている。 実践できればより多くの情報を取り込むことができるようになるだろう。
「暗黙知」など興味深いキーワードも含まれているので、読み物としても面白い。

入手性

本書は角川oneテーマ21という新書シリーズの一冊である。 比較的大きめの書店に行けば手に入ると思われる。 平積みはされていないと思われるが、探し回る必要はないだろう。


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