耳取遺跡は東九州自動車道建設に伴い発見され、標高約300mの枝状に延びた台地上にある。

 本遺跡からは旧石器時代の石鏃・礫群などが見つかったほか、縄文時代の大量の遺構・遺物を伴う複合遺跡。
本遺跡は約25,000年前の姶良カルデラの爆発でできた、シラス地層上にあり、礫群周辺から検出された炭化物を放射性炭素年代測定法(生物体内の放射線炭素C14の分量で年代を特定できる)で調べた結果、約24,000年前の遺跡であることが判明した。

 南九州は桜島・霧島・開聞岳・硫黄島などの休活火山が存在し、かつて巨大噴火が多かったため、遺跡発掘では火山灰堆積状況が編年判定の指標となる。
これら火山と人々の生活の跡が地層を形成し、地質層位によりその年代・噴出源が解明される。

遺跡現場T 遺跡現場U

 遺跡は現在も継続している東九州自動車道延長工事に伴い発見され、写真の通り末吉財部インターチェンジ周辺に当る。

 今後当自動車道の更なる延長工事に伴い、新たな発見が期待される。

(旧石器時代のビーナス石偶)
体の一部をかたどった石製品は磨き上げられ、人為的に加工した痕跡が確認された。

日本最古と見られるこの石製「ビーナス像」は、縦約5cm・横約3cm・幅約3cmの円形で、頁岩を磨いて造形した後、数ヶ所に線で刻んでいる。
低部のV字状の刻みは女性器を表現していると見られ、又裏面には17本(写真の通り)の線が刻まれており、毛髪か衣服を表現しているかも知れない。

 旧石器時代の精神世界を具体的に示す貴重な資料として注目されている。

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