鍼灸マッサージ師
活躍の場、介護施設にも
肩こりや腰痛などの伝統療法を生かしながら、介護事業に取り組む鍼灸マッサージ師が増えている。鍼灸治療院をデイサービス施設に転換したり、介護相談窓口をつくったり。治療院に通っていた高齢者が、そのままデイサービスの通所者になり、介護予防などに励むケースも多い。業界団体も「鍼灸マッサージ師は、地域で介護の担い手になる人的資源」と、こうした動きを後押ししている。(三木一哉)
痛みの緩和は得意分野
東京都八王子市の住宅街にある「デイサービス高尾」。連日、高齢者が筋力トレーニングなどに加え、硬くなった関節などをほぐすプロのマッサージを受けている。近所の主婦藤沼元子さん(86)もその一人。以前は背中や腰の痛みで歩くのもつらかったが、「最近は痛みもよくなって、体調が
いい」。週2回だった通所が、今は1回で済むようになった。
通所者の多くは、ケアマネジャーが作成したケアプランに機能回復や痛みを取るためのマッサージが組み込まれている。
「高尾」を運営するのは鍼灸マッサージ師の団体がつくった有限責任中間法人「東京都はり灸マッサージ師会」。もともとは同会事
務局長の根本丈彦さん(64)が30年続けてきた治療院だったが、00年の介護保険導入を機に転換した。
デイサービス施設を運営するには法人格などが必要だ。そこで法人をつくっで経営に加わり、実務を鍼灸マッサージ師に任せる形をとった。根本さんは「関節をほぐしたり、痛みをやわらげたりするのは我々の得意な仕事。従来と違う介護の分野での可能性にかけてみたかった」という。
「高尾」は開業後、定員(1日20人)がすぐに埋まった。鍼灸治療院の時から通う人も多いが、利用者側の反応が良かったため、同法人は多摩市などで同様の施設を開業、現在は計
7ヶ所に1日約140人が通っている。八王子市内の「デイサービスほたるの里」に通う80歳台の女性は「訓練やマッサージのほかに、東洋医学に基づいた食事や生活全般のアドバイスもしてもらっている」と話す。 |