黄金時代、銀の時代、真鍮の時代、鉄の時代

黄金時代
人間が住むようになった世界は最初の時代を黄金時代という。 無邪気と幸福の時代で、真理と正義が隅々まで行き渡り、森は造船の材料や市街の堡塁などのために伐採されるようなこともなく、地は骨を折って耕したり種を蒔いたりしなくても人間に必要な物はみんな産み出していた。永久の春が支配していて、花は種子なくして伸び、河は乳と酒をたたえて溢れ、黄色い蜂蜜は樫の木からしたたっていた。

銀の時代
次に銀の時代となり、ゼウスは長い春を縮めて四季に分けた。人間は暑い夏と寒い冬をしのぐため家屋を必要とした。最初は洞穴であったが、小枝を編んだ小屋ができたりした。穀物は植えつけをしなければ生じず、百姓は種を蒔いたり牛に鋤を引かせたりした。

真鍮の時代
次の真鍮の時代は、はなはだしく野蛮な気象で強い者勝ちの時代であった。

鉄の時代
罪悪は洪水のごとく溢れ、温順も真理も名誉も去り、詐欺と奸智と暴力がそれに代わった。漁夫は風に帆を張り、樹木は伐り出され、大海の面を怒らせた。土地の所有が始まり、内部から鉱脈を掘って鉄と黄金を武器として戦争が始まった。家族の愛は踏みにじられ地上は殺戮の血で濡らされた。ついに神々は地上を見棄てた。最後に無邪気と純潔の女神アストライアが残ったが、地上を去って星の間に行き、乙女座という星座になった。