辞書で引くと
「とりとめ」は「取留め」とか「取止め」と書く。「ちゃんとした目標」と出た。
広辞苑では「とりとめのない話」でいう取留めとは、「締まり」とか「まとまり」であった。
そうすると、「とりとめのない話」っていうのは「ちゃんとした目標のない話」とか「締まりのない話」とか「まとまりのない話」と言い換られることになる。
そかもしれないが、いまいちピンとこない。そもそも、一言で言い換えられない何かを含んでいるからこそこの言葉があり、その言い換えられない何かを汲んでこの言葉を使うのであろう。
しかし、自分なりのピンと来る言葉を探してみたい。
使われる状況はといえば
「とりとめのない話」は、「井戸端会議」とか「おばさんの立ち話」とかによくありそうだし、のんびりした場所でなんとなくぼーっとしながら話す話、例えば、友達同士で流れる雲を見上げながら話すような話なんかも「とりとめのない話」な気がする。確かに「ちゃんとした目標のない話」だし、「締まり」も「まとまり」もなさそうである。
その他にも、時間に迫られて何かを決めようとしている状況で、解決にたどり着かない回りくどい話は「とりとめのない話」であり、時間の無駄ということではないだろうか。
そうしてみると
「とりとめのない話」はどうも「いつまでも続きそう」であったり「前に進まない」ような「長い話」っぽい。とは言っても、流れる雲を見上げながら話す話は、
「あの雲はなんだかくじらのようにみえるなぁ」
「そうだなぁ」
「…」
長くないけど、「とりとめのない話」と言えそうな。「くだらない」といえば言葉が悪いが、「特に意味のない」話だ。
なので、「とりとめのない話」は必ずしも長い話ではない。
それから
「回りくどい話」は「目標がない」わけではなく「なかなかたどり着かない」だけなので、「ちゃんとした目標のない話」とは言えない。と、いうのはきっと屁理屈で、「とりとめのない話」を比喩的に使った例であって、この状況でそんな話はやめてくれということなので、元々の意味を追求してはいけなかったのではないか。
「取留め」を使った言い回しで
「とりとめもなく続く」という言葉もよく使う。
この場合の「取留め」は「際限」という意味らしい。「とりとめもなく続く」は「際限もなく続く」と言い換えられそうである。つまり、「長く続く」のである。
「とりとめのない話」は必ずしも長い話ではないが、「とりとめもなく」続けば、これは間違いなく長い。「とりとめもなく続く」は「長く続く」のであるが、さらに「いつ終わるとも知れな」かったり、「放っておけばいつまでも続く」ような感じがする。
語源を考えてみると
「取留め」とは、取って留めておくっていう意味なんだろうと思う。
取って留めておけない話、取って留められないくらい続く、そういうことだろう。
「とりとめのない話」っていうのは「取って留めておけない話」、「取って留める」とは、まぁ、「記憶する」こと、もっと言えば「記録する」ってことで、「記録に値しない話」と言ってもいいかな。
ちょっと考えてみたら、「取って留めておけない」って「取るに足りない」とも言えそうな気がする。「取るに足りない」は「取り上げる価値もない」「問題にならない」ということで、「とりとめのない話」は「取るに足りない話」で、「取り上げる価値もない話」と言えそうな。
人によって価値観は違うから、人によって「取り上げる価値」っていうのも違うだろうから、「つまらない話」とか「興味のもてない話」という方がいいかもしれない。
じゃぁ今までの話はというと
「ちゃんとした目標のない話」なんだけど、そこまで否定的でなくてもいいので、「特に目標のない話」くらいがいいんだけど、「目標」っていうのもちょっと言い方が堅いなぁ。
「締まりのない話」の「締まり」っていうのもちょっとわかりにくいんだけれど、まぁ、引き締まっていなくて余分なものが付いている「無駄の多い話」ってとこだろうか。そう言ってしまうとなんだか意味が外れてきた気がする。「締まりのない話」はちょっと分かりにくい。
「まとまりのない話」なんだけど、微妙に一致しないんだなぁ。
だからと言って、「記録に値しない話」だってかちんかちんに堅い。「つまらない話」とか「興味のもてない話」はというと、それは第三者から見ればそういうこともあるかもしれないけれど、「とりとめのない話」はおもしろいと思うので、そうは言いたくない。
それでどうするか
あ、今思いついた。「思いつきで話す話」。これにしよう。
最後に。
逆に「取り留め」てしまったらどうなるか。
「命を取り留める」みたいに、危ないところを踏みとどまるのであった。
そんな、とりとめのない話を聞いてみる?