32. 世に棲む日日(その10) 桂小五郎編  




 ここで多少、桂小五郎−のちの贈従一位木戸孝允−という人物に触れておかねばならない。
 桂は維新後まで生き残り、薩摩の西郷、大久保とともに明治の三元勲のひとりになった。革命家であるには用心ぶかすぎるほどの性格で、その意味からは生き残るべくして生き残ったといえるかもしれない。
 
 
 桂は、萩城下の藩医の家にうまれた。禄は二十石である。かれの生家はこの当時「江戸屋横丁」といわれた呉服町の一角に、いまも旧観のままのこっている。木造瓦ぶき二階建七十二坪の屋敷で、いかにも医者の家らしく患者用の玄関と正玄関の二つの玄関がある。桂はここでうまれた。
 
 

< 桂小五郎生家 >
 桂小五郎の生家は見学可能である。内部は意外に広く、桂小五郎が子供の頃に書いた習字などが展示されていた記憶がある。
 吉田松陰、高杉晋作と比較すると、桂小五郎は人気で見劣りするような気がする。萩往還公園以外に、山口県内に銅像は無く、京都にあるだけである。郷土の英雄と言うわけではないのだろうか。薩長連合をまとめあげた功労者としては物足りない扱いである。


桂小五郎生家
山口県萩市
山陰本線 東萩駅

桂小五郎生家