2002.10

↓時間軸





 う、貫井徳郎さん(9月28日の日記)にツッコまれてしまった(笑)。

 中国に負けた試合を観て、そのあとジュビロに0−7で大敗したと聞いて、サッカーのU−21代表に対しては「気を長くもって暖かい眼で見守ろう」と思うほかはなくて、だからこのアジア大会でも1試合ごとにああだこうだ言うのは控えよう、なんて考えてしまっていたんですね。だって、何かを言いはじめたらボロカスになっちゃいそうですもん>もちろん観ましたよパレスティナ戦。むしろ、一次リーグか決勝戦かはともかく大会から敗退したところで(<決めつけるなよ)、総括的なコメントをするつもりでした。
 でも、せっかくの機会ですから。阿部(ジェフ)と石川(FC東京)についての貫井さんのコメントにはほとんど同感。この二人と前田(ジュビロ)がそろわないことには、この年代はどうにもならない(すくなくとも、いまのところは)と思います。中盤が弱すぎるしセットプレイのキッカーもいないしで(でも、欲を言えば強力な左足のキッカーも欲しい)。
 ま、そんなことより。とにかく実戦を積むしかないと思います、このチーム。だからこの大会を活かしてくれれば、と思うことしきりですが……今後も、とにかくたくさん試合を組んでほしい。そのなかで強くなってゆくしかない。弱い相手とだっていいですから。貫井さんの「白星こそがこのチームをどんどん強くしていく」にも同意。シドニー五輪のチームがアジア一次予選でフィリピンやネパール相手にめちゃ勝ちすることでまとまっていったのを思うと、アテネ五輪のアジア一次予選を日本が面除されたことすらこのチームにとっては裏目に出てしまいそうな気がして……

 いや、ええ、そんなことより。きょうのバーレーン戦こそ正念場です。

(追記)「どうにもならない」とか「正念場」とか書いたら、5点もとっちゃいましたか>バーレーン戦。たいへん失礼を申しあげました。不明を恥じ、おわびいたします。まあ、バーレーンが眼を疑うほど弱かったとか、内容的にはやっぱり感心できないとか、いろいろ言いわけが口をつきそうですが(<もうついてる)。とにかくこのチームに大事なのは経験値を高めることだと思うので、すなおに称えましょう。
 そういうわけで、上でえらそうに書いてることは、あんまり信用しないでください(笑)。

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 e-NOVELS の「週刊書評」で、小森健太朗さんが鯨統一郎『ふたりのシンデレラ』(原書房)を評していらっしゃいますが、何とそこで拙作『追いし者 追われし者』が引き合いに出されている。西澤保彦さんの日記に続いて、またしても鯨さんと「いっしょにされて」しまいました。何だか面映ゆいですね。光栄のかぎりです。

 70000アクセス突破。ありがたいことです。心から感謝です。

 氷川透が影響を受けた100冊を更新しました(ひさびさ……)。今回はちょっと推理小説を離れてみたので、はたしてお気に召すかどうか(どきどき……)。

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 今回は言われる前に書こっと(笑)。でも、フクさん貫井さんも、ご無理なさらぬように。
 アジア大会サッカー、日本−ウズベキスタン。いえ、正直言うとK−1に浮気しながらだったので、ちゃんと観たうちには入らないんですが(汗)。
 相手はしつこいマーカーを貼りつけてきたし、それでなくても「引き分けでじゅうぶん」な状況ですからしかたないとも思いますが、やっぱり攻撃に意図と積極性が欠けているような。はっきりしている要因は、ボランチからの大きな展開がほとんどないこと。名波や稲本に慣れてしまったのかなあ。
 本来はその場所でそういう仕事をするのが得意な青木や阿部をあくまでDFの中央で使うことにはもちろん意図があるのだろうし、それは、ボランチではなく最終ラインからのよりスケール大なゲームメイクを志向するということなのかもしれない。でも、いまのチーム水準ではちょっと無理な要求をしているという印象は否めませんね。現状では前線のドリブラーたちが「持ち腐れ」状態ではとも思うし、阿部がボランチに入るだけでずいぶん攻撃が形になると思うんですが、体調が万全じゃないのかなあ。
 後半の大久保と石川のワンツーによる突破なんかは可能性を感じさせたし(この試合でいちばん興奮しました)、何より1点をきっちり守って手堅く勝ったことは評価しておくべきでしょう。いい経験にもなったでしょう。ただ、後半に入って運動量が落ち、最終ラインがずるずる下がる傾向がバーレーン戦と共通していたのは気になります。FWに決定力のあるチームと当たったら、こうは行かないぞ(笑)。
 準々決勝の中国戦は……厳しいでしょうねえ。いえ、「相手にはW杯メンバーが3人もいるから」でも、「このあいだアウェイで完敗しているから」でもありません。日程です。相手は中四日で、こっちは中二日。どうしてこんなに不公平?

 で、K−1のほうですが。レバンナはやっぱりすごいや。ところで、le Banner ってフランス人がなぜ「レバンナ」? ふつうに読んだら「ル・バネル」か「ル・バネール」では。ひょっとして世界戦略で英語読みなの? -er の語尾を伸ばさないなんて森博嗣流だなあ……などと思いつつサッカーに戻り、もう一度チャンネルを合わせたら、うわあ。
 バラエティ番組でしか見たことのない人はコメディアンだと思っているのが確実なのに、ボブ・サップ……いったい何なんですか、あの強さ。

 深夜はセリエA。中村俊輔、ついにFKを決めたそうでめでたい。でもホームだし、勝ちたかったねえ(TVは観てません、ネット情報です)。

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 では、今回は野球ネタを。
 アジア大会の野球競技、予選リーグ最終戦。日本は韓国に0−9で大敗だそうで。決勝戦でまた当たりそうですが、ま、もう一回やってもとうていかなうわけない、ってスコアですね。それも当然、韓国は開催国だし優勝めざしてトッププロ、日本はプロの二軍選手とアマチュアの混成軍だっていいますから。
 松坂大輔も中村紀洋も参加したシドニー五輪(ただし下位打線はみんなアマチュアでした)以来、去年のW杯も含めて毎回思うんですが、どうも日本の野球界のスタンスって失礼ではないですかね? その大会に臨む国ごとの姿勢のちがい、というのはもちろんあってあたりまえですが、これはいくら何でもあまりにも中途半端なのでは。プロ野球は両リーグとも優勝決まってるんですから、しょーもない個人記録争いをちまちまやってるより(個人記録そのものがしょーもないとかちまちましているとかではなくて、敬遠や不出場のことです)、急遽ドリームチームで参加したっていいわけでしょう。日本シリーズへの影響が気になるなら、両優勝球団からはメンバーを外せばいいんだし。
 あるいは発想を変えて、サッカーみたいに位置づけ自体を動かせばいい。サッカーでは、最高の大会はあくまでW杯で、五輪は若い選手のためのもの(23歳以下+3人だけオーヴァーエイジ)。で、アジア大会のサッカーも今回からそれに準じています。ところが日本はのみならず、次の五輪(2年後)への準備を意図して全員21歳以下で臨みました。だったら野球も、まあ最高の大会が五輪なのかW杯なのかいまいち不明ですが(関連して言えば、ほんとうにW杯を定着させる気があるんなら、ローカル競技であるのはあきらかなんだし五輪から野球が追われたってべつにいいようにも思うんですけど)、それはともかく五輪のプロ解禁で夢を失ったアマチュア選手がたくさんいるというのなら、日本はいっそアジア大会はアマチュア限定で出ればいいのでは。プロも参加して、でも二軍選手ばっかりというのがすごく不純で不真面目で不誠実な気がします。
 だからこの観点でいくと、同じ時期に東京六大学リーグや東都大学リーグをやってるのもおかしい(つまり、早稲田の和田をはじめとしたドラフトの目玉たちもこぞって「全日本」から抜けてるわけです)。何なんでしょうね、まったく。

 さて、その個人記録争いですが。福留(中日)が猛打賞で、ここへ来て5厘差ですか。ほぼ絶望ですね、松井(読売)の三冠王。まったく、もう一か月も松井三冠王を「獲ったも同然」な扱いしてきたスポーツマスコミは、このうえカブレラ(西武)だけが三冠王って結果だったらいったいどうするんでしょうか。きっと、どうもしないんだろうな(笑)。

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 ジーコジャパンのメンバー(16日のジャマイカ戦)、発表
 うーん……順当で常識的な選考だと思いますよ。でも何か、楽したなあジーコ。そんな感じがします。W杯メンバーをベースにする。まず、W杯に出なかったことを惜しむ声の多い中村と高原を入れる。高原だけでなく、首位を走っている磐田勢はもうすこし増やす。で、J2所属のセレッソコンビと、J1の下位に沈んでいる清水勢を落とす(故障中の森岡はともかく戸田と市川まで落とされて清水サポーターは怒ってるかな)。こんな感じで、無難に選ぶなら誰がやってもこうなるんじゃないのって思えてしまうんですね。ジーコの個性が出ているのは、山田(浦和)を選んで明神(柏)を落としたところくらいなんでは。
 つまりジーコは「自分が指導者として優秀であることをアピールしよう」という野心を、ほとんど持っていないんじゃないでしょうか。その点で前任者とは対照的ですが、正確に言えばトルシエこそが一般的でジーコはかなり珍しいタイプの代表監督、ということになります。ふつうだったら、もうちょっと傾向のはっきりした選考をするなり、「自分が見出したんだ」と新顔を入れるなり、色を出そうとするはずです。現役時代の名声があまりに偉大なので、そんな必要を感じていないのかもしれません。
 だから、「中盤は海外組の4人でいきたい」「自由にやらせたい」なんて気軽に言っちゃえるんですね。こんなこと言える監督ってなかなかいないのでは。一つにはサッカー理論的に「もっとちがうタイプもいないと機能しない」と考える人が少数派ではないから。そしてもう一つには、これでは「優秀な選手が4人いるから集めます」と言ってるだけみたいで、だったら監督はいらないじゃんと受け取られかねないから。
 ま、こっちはおかげでわくわくできるわけでうれしいですけど(ぼく自身は、中田英、中村、小野、稲本で中盤を組むことを支持します)。ただ、解釈しようによってはジーコのそういうところからは「この仕事に必死になっていない」という印象も伝わってきかねないわけで、サッカーファンがこの無難な選考にとまどいをおぼえるとしたら、そのあたりなんじゃないでしょうか。
 あと、トルシエが押し進めた若返りを逆行させる印象もちょっとあるかな。4年後に戦力である可能性の低い中山(磐田)や秋田、名良橋(鹿島)よりは坪井(浦和)や新井場(G大阪)や黒部(京都)をあえて選ぶべきという「無難」批判はありえます。ぼくも「代表選考に年齢は関係ない」とは思わないので、W杯直後に平均年齢が上がるという事態には首をひねりますが、はてさて。

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 アジア大会サッカー準々決勝、日本−中国。
 基本的には押しこまれっぱなしだったものの、数少ないチャンスをみごとに生かした。日程上あからさまに不利な条件のなか、がまんしてがまんして耐え忍んで耐え忍んで(中二日なのに、今大会でいちばん運動量が落ちなかった。終盤で足が止まっていたのはむしろ中国のほう)、その1点を守り抜いた末の勝利。想定しうるなかでは最高の試合運びだったと思うし、実際よくやったと思います。何より、これほど経験値を高める勝ちかたもないだろうし、このチームにとってはとても重要な勝利。あとあと振り返ったとき「あの試合が大きかった」と言われることになるのかも……
 と、いちおう称えておいたうえで、水をさすようですが。「結果」が悪くても「内容」を見よう、「内容」にいいところがあれば評価しよう、というスタンスで観戦したものですから、当然ながら「結果」がよくてもそれだけで喜ぶことはできない。「内容」が悪い。8月の試合にくらべれば、涼しいし芝にも問題ないしで、より両チームの実力差がはっきり出てしまったのではないでしょうか。フィジカルと個人技で圧倒された、という印象を強烈に持ってしまいました。その点、フクさん(10月8日)に同感。すくなくとも来年、再来年をにらんだ場合の「秘めているポテンシャル」に関しては、明白に中国が上だと思います(もっとも、あんな意味不明な選手交代している監督は早く代えないと、「ポテンシャル」は「ポテンシャル」のままで終わってしまうかもしれませんが)。
 ま、おそらくは「日本がアジアのなかで押しこまれるなんて許せない」という、10年前なら考えられなかった傲慢な反発が言わせているんでしょう。日本も偉くなったもんだ(笑)。となると、やっぱり中国に言いたい。あれだけ試合を支配しても最後にクロスやシュートの精度が低いのは、ほんっとにアジア的。このチームがアテネで旋風を起こす可能性はあると思うけど、そのためには、何とか「アジア的」を脱却しなくちゃ。
 とにかく日本としては、ここで終わりにならずさらに真剣勝負の機会が持てることこそ最大の収穫。決してこれで満足したりせず、伸びしろはうんとあるぞってところを見せて驚かせてほしい。日程はますます厳しいけど、次も奮闘してください。はっきり言うとアテネ五輪の本大会では、この試合程度のがんばりではこういう「結果」が得られるとは思えませんし。

 同じくアジア大会、野球の準決勝。日本−台湾。前々回の雑文で、決勝で地元韓国と当たるだろうけど勝てそうもないね、と書きました。何とそれ以前に、台湾に負けちゃった。
 国際大会に参加する際にはコンセプトを統一し、明確な目標を定め、そのために必要なメンバーをそろえる。しかるのちに、設定した課題がクリアされたかを綿密にチェックする――このくり返しで強化というものはされてゆくのだと思うのですが、そうした発想は皆無のようですね。どうも、長嶋茂雄強化本部長が現地に行けばそれでいいということのようですから。

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 アジア大会サッカー準決勝、日本−タイ。うう、見逃してしまいましたあ。なので、コメントは控えさせていただきます。
 でも、これだけは書いとこ。決勝の相手が地元韓国じゃないのは、ちょっと残念なのでは? 圧倒的アウェイの空気を経験するのは、U−21チームにとってとても貴重だったはずなのになあ。アリ・ダエイが身内の不幸で帰国したというイランって、どれだけ強いのかしら。アジジとかマハダビキアとかバゲリとかはいるの?(って、全員オーヴァーエイジだからいるとしても二人までだけど)
 こうなったら優勝をめざせ、なんてことは言いません。むしろ、何らかの意味で「壁」を感じて帰ってくるほうがいいような気が。いや、とにかく経験値を上げてね。

 TVドラマ『真夜中の雨』(TBS系)の初回を、つい観てしまいました。うわ、織田裕二が主役で天才医師をやるドラマに、石黒賢を出すかなあ。いやでもかつての『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系)を連想して、頭のなかではチャゲアスの「YAH! YAH! YAH!」が鳴りはじめるではないですか。さらには失礼を承知で言うと、あのころは織田裕二のライヴァル役(ってか、むしろ正義漢)だった石黒賢が、かげでいろいろと陰湿な策謀をめぐらす役回りっていうのはちょっと悲しい……
 でも、松雪泰子がやっぱりすてきだから、まあいいや。彼女の役も『きらきらひかる』と『救命病棟24時』(いずれもフジテレビ系)を足して2で割った感じではありますが、とにかくまあいいや(笑)。
 要するに「フジテレビ系」からすべてを吸いあげているドラマのような気もするわけではあるのですが、でもすごくおもしろそうだから、最終的にはまあいいや(^^)。

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 おや、黒田研二さんが日記で、「ねえねえ、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』って、いったいどこがおもしろいのぉ?」ってな勇気ある叫びを発しているぞ。そんな黒田さんには、殊能将之さんがその前日に書いた文章を贈らせていただきたいところです。

 わたしは他人の感想は全然気になりませんけどね。何をおもしろいと思うかが人によって違うのは、この世に同じ人間がふたりといない以上、当然のことです。
 もちろん、他人の感想を知ることは大事だし、「あれ、おもしろかったよねえ」という話をするのは楽しいことだけど、それはあくまで自分の感想をより豊かにするためのもの。だって、他人がどう感じたかより、自分がどう感じたかのほうが大事に決まってるじゃないですか。


 というわけです。すみません、ぼくの冗談はわかりにくいってよく……

 ……はじめは、以上で終わりにしようと思ったんですが、それではあんまりかと思いなおしました。黒田さんはきわめて謙虚に、「自分にはわからないおもしろさがあるのかもしれない、だったらそれを知りたい」って表明なさってるわけで、応えられるなら応えるべきだと思います。それに、「影響を受けた100冊」に『僧正殺人事件』を入れている身としては、なにがしかの責任があるかもなんて考えもするわけで。
 ええと、正直に実も蓋もないことを言いますと、ヴァン・ダインの小説は確かにあんまりおもしろくありません。でも、「本格」の形式を定着させたのは疑いなく彼の業績で、その歴史的な重要性は否定できない。つまり、ぼくが「影響を受けた」ことはまちがいないんですね。では、そんな彼の実作から1冊選ぶならなぜ『僧正』なのか。これには、ぼくは答えるべきでしょうね。
 ぼくは「100冊」で「論理的な構築」なんて言葉を使ってしまいましたが、これがあいまいだったことをまず反省(とはいえ、黒田さんの「なんの論理性もない」ってのはちょっと言いすぎではと思いますが)。すくなくとも、クイーン作品におけるような「論理」とはちょっと意味がちがう、ってことは明言するべきでしたね。ぼくが『僧正殺人事件』に見出す美点は、真犯人の犯行声明にある「僧正」って署名の意味(犯人がそこにこめたねらい)と、最後の最後まで犯人が誰なのかはっきりさせないような「じらし」の展開――つまりは、「プロットの妙」でした(そのあまりに、『僧正の積木唄』が言うような(以下、黒田さんにはネタバレ)「ほんとにあの人が犯人だったの?」みたいな疑問を残してしまった、とつまりはこういうことなんでは)。う〜ん、こんなんで納得いただけますか黒田さん?
 とにかく、おかげであらためて『僧正殺人事件』を見直すことができました。感謝申しあげる次第です。

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 前回、鮎川哲也賞受賞作である後藤均『写本室の迷宮』の巻末になぜ次回の募集要項がないのかと疑問を呈したところ、何と、東京創元社の担当編集のかたからごていねいなメールが届き、ご説明をいただきました。わざわざありがとうございました。
 要点だけ述べると、募集要項は1年間かぎりの期間限定情報であり、〆切日程等が今後ずっと変更されないとは限らないので、何年間も書店に並ぶ可能性のある書籍に掲載するのは見送っているということのようです。
 賞への応募を呼びかける最も有効な媒体は受賞作そのものだと思いますし、完全に納得できたわけではありません。やっぱり載せたほうがいいと思うんだけどなあ(笑)。でも、見識に基づいた冷静な判断であることは理解できましたので(たいへん失礼ながら、正直言うと「うっかり」の結果かもなどと愚考しておりました)、疑問呈示は取り下げることにします。また、そうとなってみると前回の雑文にはいささか不穏当な表現があったと思いますので、おわび申しあげます。該当部分は、削除させていただきました。

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 アジア大会サッカー決勝、日本−イラン。
 大事なのは結果じゃなく内容、だから負けたってべつにいい。まあ、失点がどっちも信じられないようなミスからなんで、青木くんはつらいだろうけど……故障明けで勘が鈍ってたか。
 でも、「最終ラインに青木を入れて阿部勇樹をボランチに上げる」っていうのはこの大会に限って言えば山本監督にとって「勝負手」だったはずで、後半開始からその手を打ったのは理にかなっていました。つまり「前半はディフェンシヴに戦って0−0でいい」ってゲームプランだったわけですね。そこまではねらいどおりだった。ならば、勝負手を打ったら交代で出た選手がミスをして失点したのは、勝負が「裏目に出た」ってことで、ある意味しかたがない。現に、内容だけ見れば、ロングフィードの出どころが阿部と青木の二つできた後半途中までは今大会中でも一番だったんじゃないでしょうか。ところが、これまで「少ないチャンスを決めてきた」はずの攻撃陣が不調。松井はいつになく好パスを見せましたが、ドリブルは不発。大久保は、あきらかに疲れてましたね。
 せっかくパサーが生きてきたのだから、「足もとでもらってドリブル開始」タイプよりも「スペースに走りこめる」タイプ、つまり石川が欲しいなあとずっと思っていたんですが、その立場からは以後の選手交代は理解できませんでした。田中達より石川を先に入れるべきだと思ったし、やっと入れたと思ったらパスを出す側の阿部を引っこめてしまう。ベンチにしかわからない事情があったのかもしれませんけど……

 で、大会を総括すると。6試合も経験を積めたのは、とてもよかった。でもこの大会をつうじて構築されたものは、結局「アジアのなかでも、ラインを下げてがまんして守って、少ないチャンスを生かす」カウンターサッカーだったような。いえ、もちろんそれがひょっとしたらアテネで格上と戦うときに役立つかもしれませんけどね。ここから先は、サッカー観というか、あるいは単なる好みの問題になるのでしょうが、カウンターサッカーで準優勝という「結果」は得ても、それに見合うだけの「内容」はこの大会からは持ち帰れなかったという気がしてなりません。個々の選手がクラブに帰って、そのなかでの重要性を高める(まだレギュラーでない選手はポジションを奪う、すでにレギュラーの選手は「チームの中心」になる)ことを願うばかりです。「もはや谷間の世代ではない」のかどうかは、まだまだこれからでしょう。
 そして、今後ですが……まずは、続けてすぐに始まるアジアユース(U−19代表)に注目。アジア大会に出たU−21代表は、「アテネをめざすチーム」の片割れにすぎないんですから。生き残れるのは、ざっくり言っちゃえば半分だけです。U−19にはマリノスの坂田大輔もヴェルディの小林大悟も、桐蔭学園の阿部祐大朗も藤枝東の成岡翔も清水商の菊地直哉もいるぞぉ。絶対に、ワールドユース出場権を獲らなきゃいけません。

 シカゴマラソン。どわ、女子世界新記録。何ですか、このとてつもなさは。

 あ、それと。メフィスト賞作家ファン度調査なんてのも、あるみたいですよん♪。ぼくは、どうやら100冊は越えているようですが。

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 カブレラ、残念でした。でも去年のローズが「ダイエーにやられた」観が強かったのにくらべると、自滅って気がするのも確かで。
 それ以上に、松坂やばいなあ。このままじゃ、日本シリーズにはまにあわないぞ。

 ジーコジャパン集合、初練習。
 いきなり紅白戦。小笠原が故障で来なかったそうだし、前日に試合があった松田も参加しなかった(楢崎もそうだけどGKだからね)とのことですが、欠員はどう補充したんでしょうね。そもそも、前任者とちがって練習をマスコミに公開しているのに、フジテレビ系の『すぽると!』以外はどうしてもっとちゃんと伝えてくれないのかなあ。
 興味深かったのは、4−4−2だったレギュラー組の布陣を途中から4−5−1、正確に言うなら4−3−2−1に変更したこと。具体的には、鈴木を引っこめて高原の1トップにし、中盤の底に中田浩を入れたらしいですね。マスコミはさんざん「黄金のカルテット」と騒ぎますが(そして前にも書いたように、その4人で中盤を組むことをぼくも基本的に支持しますが)、何も中盤がその4人に限られなければいけないわけではありません。4−5−1はじゅうぶんにありうる選択肢です。
 たとえば来月のアルゼンチン戦では、「黄金カルテット」(全員出場できるとはかぎりませんが)の後ろにもう一人ボランチを入れて中盤の守備を固めるのはおおいにありそうでしょう。そこに入るべき選手として世論が支持しそうなのは戸田だし、今回は中田浩が入りましたが、ぼくの意見では福西だったりするのです。
 あるいは今回のジャマイカ戦でも試してほしい選択肢として、「まともなFWは高原くらいしかいないじゃんよ〜」という認識をもしも持つならばですが、やはり1トップにして代わりに2列めを3枚にする。もちろん、投入する駒はアレックスです。得意の左に彼を入れ、中村を中央へ。これだと、同じ4−5−1でもヨーロッパで流行してる4−2−3−1ですね。合宿二日めで今度はこの布陣を試すようなら、フクさん(10月13日)の危惧も多少は晴れるのかな?

 メフィスト賞作家ファン度調査、けっこう意外な展開になっているような感じ。『黒い仏』強し。

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 サッカー、日本−ジャマイカ。
 よく考えてみれば、ただの親善試合。なのに、「ジーコジャパン始動」だの「黄金カルテットはじめて実現」だの、人によっては「トルシエ流のきゅうくつな戦術サッカーからの解放」なんてのもあったかもしれませんが、とにかく過剰な物語性が付与されてマスコミがそれを煽ったことで、きわめて特殊な一戦になってしまったような。ま、ぼくもかなりわくわくしてたんで偉そうなことは言えませんが、国立競技場のスタンドも興奮状態のようだし、そしてそれは最終的に選手たちにも感染したのでは。キックオフ直後から、どう見たって全員「張り切りすぎ」。さらに加えて「W杯落選の雪辱」という物語まで背負った中村なんか、最も張り切りすぎのあまりどうやら空回りしてるし。
 この「張り切りすぎ」が序盤のハイテンション(フクさんいわく「スゲー」)や先制ゴールにつながったのはいいとして、いっぽうでは後半途中からスタミナ切れを引き起こし(この夜の東京はけっこう暑かった)、足が止まって全体がでろんでろんに間延びしたサッカーになり、ついには追いつかれたわけですからやっぱりまだまだナイーヴというか。名波がいたら、そのへんをもうちょっとコントロールできたのかも。実は、その仕事は小野にもできるはずと期待してたんですが。

 でも、「おおっ!」というパスがどこから出てくるかわからないこの中盤は正直に言っておもしろいし魅力的だし、もっと続けてほしい。かならずしも、「これはオールスター的な発想であって、勝つためのサッカーじゃない」というふうには考えません。ただし、大きな課題もはっきりしていて、この中盤だとボール支配率が高くなるので積極的なシュートが「無謀」と感じられがちになる。パスしとけばマイボールでありつづけるのに、どうしてギャンブルするの、ってことですね。結果、シュートそのものをためらってしまう。絶対的なFW、言い換えればエゴイストがいればそんな心配はないけど、日本はそうじゃないですから。
 もう一つ、小野と稲本が「二人とも上がってしまわないように」とつねに気をつかっているというのも何だかもったいない消耗だよなあ、という気もします。中田英と中村をもっとゴールに近づける、小野と稲本を自由に攻撃参加させる、という両面から、前にも書いたとおり1トップにして、中盤の底にもう1枚入れるのが現実的かと提案します。あと、これもフクさんのおっしゃる「センスの噛み合い」に関して言うと、MFとDF(松田は除くべきかもしれませんが)とのあいだに乖離を感じてしまいました。両者の連携をとるには、かなりの日数の「練習のための合宿」(笑)が必要なんでは、というくらいに。

 ここらへんから、ジーコに対する批判の声もあがるような気がするわけです。いえ、前任者よりはるかにあけっぴろげで楽に取材できる彼をマスコミがすぐさま攻撃するとは思えませんが、ネット界隈ではね。
 論理的に考えれば(笑)、彼の発言のなかに矛盾を見出すのはたやすいわけで。まず、「つねに勝ちにゆく」とか「先は考えない」とかいう発言(こんなこと言わなきゃ、冒頭に書いたとおりの「ただの親善試合」で結果を問われたりしないのに)と、試合後の会見で「中盤の4人は90分やってほしかった。できるだけ長い時間一緒にプレーさせて、少しでもなじませたかった」と発言していることが激しく矛盾。それだけでなく、会見ではさらに「今日はこれからの修正課題として見るためにそのまま自由にやらせたが、プレスに緩急をつけていく部分を指導したい」などとも発言してます。
 いえ、もちろん代表監督なんていつも本音を話すはずないし、「つねに勝ちにゆく」というのは「サッカーでは自分の国が世界一」と思っているブラジル人ならあたりまえの一般論を口にしただけとも受け取れる。むしろ試合後の会見こそが本音で、「時間をかけながら修正していきたい」のだろうと思いたい。もちろん、そのほうが日本代表は強くなるだろうから。
 でも。だったら今度は、「年齢で差別はしない」と秋田や名良橋を選んだことと矛盾してしまいます。ある程度の時間をかけるつもりがあるのなら、つまり完成が未来にあるのなら、現在だけを根拠にしたメンバー選考は理にかなっていない。ここから「鹿島びいき」という結論が導かれても、ある意味でしかたがないんじゃないかとは思います。
 いや、だからといってジーコ体制を否定はしません。前にも書いたけど、この試合の快楽を実現させることはたぶんジーコにしかできなかった。だって「あの4人を集めるだけなら自分にもできる」とか誰だって思うだろうし、そう思われるのを怖れないことを可能にしたのがジーコの「名声」なんですから。


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 サッカーのアジアユース一次リーグ、日本−サウジアラビア。
 最も驚いたのは、あのサウジがきっちりつなぐパスサッカーになってたこと。いえ、おととしのアジアカップでも当初はそれをめざしてたっぽかったけど、うまくゆかなくて初戦で日本に大敗。あわてて監督を交代させ昔ながらの「ロングボール放りこみ一辺倒」なサッカーに戻したんでしたっけね。でも、「ちゃんと中盤をつくらないことには、いつまでたってもアジアレヴェル」という認識だけは持っているってことですね。W杯ドイツ戦の大敗がこたえたのかもしれないけど、けっこうちゃんとした形になりかかってるぞ。そうか、侮れないなサウジ。
 対するU−19日本代表ですが……まあ比較するのもどうかとは思いますが、U−21代表よりは伸びやかなサッカーをしていると認めるべきでしょう。U−21は青木や阿部のようなボランチをDFの中央に使ってましたけど、このチームは何とトップ下の菊地直哉(清水商高)を選手交代でいきなりリベロに持っていっちゃったりする。ポジション的な柔軟性(それも、ひょっとするとトルシエが持ちこんできたものではあるんですが)だけは、まちがいなく若年層ほど進化してるってことでしょうか。代わりにトップ下に入った成岡翔(藤枝東高)やこの試合で最もめだったボランチの小林大悟(東京V)も含めて、楽しみな選手もけっこういるように思いました。もちろん、同点ゴールを決めた坂田大輔(横浜FM)もね。とはいえ、チーム全体をどうこうするような突出した選手となると、U−21代表同様に見あたらなかったような……
 いや、まずはワールドユース出場権をつかんでくださいよ。すべてはそれからです。この一試合だけでつべこべ言うのではなく、インドやバングラディシュには勝てるだろうし出場権を獲得して目標を達成したところで(<また決めつけか?)、総括をさせていただきますから。
 でも実は、阿部祐大朗(桐蔭学園高)にひそかに期待しています。

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 乙一『GOTH リストカット事件』(角川書店)読了。
僕はこれまでミステリというものをないがしろにしてきた気がします。(中略)そこで、GOTHの一話目と二話目は特に、ドラマなんてひとまずいいからとにかくミステリをやろう、という気持ちで書きました」(あとがき)、「これまでにもトリッキーな趣向を凝らした作品を発表していたが、本格的にミステリというジャンルを意識したのは、この連作短篇集が初めてらしい」(千街晶之/『本格ミステリ・クロニクル300』より)、「本格ミステリとしての完成度はきわめて高度」(笠井潔/同)といった周辺情報に突き動かされて、正直なところ乙一初体験でした。……読んでみれば、なるほど。
 たぐいまれな語り部体質、ストーリーテラーぶりはあきらかで、まちがいなくこの人は小説の書き手として「天才」ですね。脱帽します。技術的な未熟がまったくないとは言いませんが、いずれにせよこれだけ「メッセージ」をこめながらこれだけのリーダビリティを保つというのはなかなかできることではないでしょう。この本は乙一作品としては「せつなくない」そうですが、読んでいて何度も世界に引きこまれ胸が熱くなってしまいました。これじゃあ、噂に聞く『暗いところで待ち合わせ』(幻冬舎文庫)なんか読んだらどうなっちゃうんでしょう……
 「本格」としても評価できる部分が多くて、「暗黒系」は完全に「論理の短篇」と呼べますし、「犬」なんか「せつなさ」を志向して読んで、すっかりやられて(?)しまいました。「記憶」に至っては、本作中の最高短篇と称讃するにやぶさかではありません。そして何より、全篇を貫くメインの仕掛けは、とても筋がいいと思います。拙作『追いし者 追われし者』と(以下は、両作ともお読みになったかたのみ反転ください)「一人称代名詞の使い分け」というネタがごく部分的にかぶったのはご愛嬌で、そのせいかぼくは「あ、こういうことかな」と見当がついてしまいましたが。
 ただ、笠井さんが言うようにメフィスト賞系の佐藤友哉や西尾維新といっしょにしていいのかな、という疑問はなくもなし。どちらも「壊れた」若者の視点から世界を描いてはいますが、ただあけっぴろげに天真爛漫に壊れている西尾作品、あるいは自分が壊れていることに本気で照れているふうな佐藤作品がどちらかというと「天然系」のように思えるのに比して、乙一作品はとても計算された壊れかたというか、その意味ではほんとうに壊れていると言えるのだろうかとか、まあまだ1冊読んだだけなのでよくわからないんですけどね(笑)。断定は避けておきます。

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 掲示板でも話題になってますし、いろんなサイトですでに取りあげられていますが、原書房のサイトであなたが選ぶ2003本格ミステリ・ベスト10という企画がおこなわれています。年末刊行予定の探偵小説研究会・編著『2003本格ミステリ・ベスト10』(2002年度の「本格」ランキング本)に向けた読者アンケートです。投票結果は同書に掲載されますし、ユニークなコメントをすれば紹介されるかも?
 初回だった去年は「期間中各月のベスト1を選んでください」方式でしたが、今年から本編同様(年間つうじてのベスト5を順位つきで選び、総括コメントを加える)になった模様。ネットの世界と活字の世界をリンクする貴重な試みだと思いますし(出版界はもっともっとネットでの動向に敏感になるべき)、みなさんぜひ積極的にご参加ください。この企画は、どれだけ多くの人が「ネットから」票を投ずるか、にかかっていると思うので。
 ……あ。べつにぼくに気をつかう必要はないんで(<自意識過剰?)、どうぞ正直なところを書き送ってくださいね(^^)。

 原書房といえば、書くのが遅くなってしまいましたが、ミステリー・リーグの最新刊は愛川晶『ダイニング・メッセージ』。美少女代理探偵・根津愛シリーズ。あとがきによると、「本格系のミステリー作家であれば、たぶん誰しも一度は似たようなことを考えた経験があると思いますが、それを本当に実行してしまったという例は、寡聞にして知りません」という趣向とか。

 いっぽう、光文社のS木さんから新刊が送られてきました。森博嗣・作/佐久間真人・画『猫の建築家』。大人向けの(って、ヘンな意味じゃないよ)絵本ですね。主人公が猫で、哲学的な感じ。あと、カッパノベルスから東川篤哉『密室に向かって撃て!』近藤史恵『青葉の頃は終わった』をいただきました(今月の新刊はほかに、松本清張『殺意』(短編全集第4巻)、赤城毅『紳士遊戯』、溝口敦『ネット蟻地獄』のようです)。
 東川さんは早くも第2作かあ。勝手に親近感をおぼえているので、楽しみに読ませていただきます。それにしても、タイトルはずっとこの路線で行くのかな。

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 80000アクセス突破。ありがたいことです。ところで、今月はこのお知らせ(1万単位の)を2回もすることができました。うれしいかぎりです。

 サッカーアジアユース準々決勝、日本−UAE。
 祝、ワールドユース出場権獲得。いやあ、まずはめでたい。最低限の目標はクリアできました。この年代で世界の舞台に出ておくことはもはや日本にとって当然の経験で(今回で、中田英寿の代、中村俊輔の代、小野伸二の代、阿部勇樹の代に続いて5回連続達成)、それを継続できたのは大きい。もっとも、大事なのは本大会に行ってから。前回みたいに意味ある経験ができないまま一次リーグで敗退してきちゃだめですけどね。でもまあ、とにかくよかった。
 サウジに勝ってからここまでで最も驚いたのはインドの個人技がものすごくしっかりしていたことなんですが(いや、気候がサッカーに向かないだけでもともと旧大英連邦なんだからあたりまえか)、いっぽう日本のU−19代表についてもだんだんわかってきました。どうやら、このあいだのアジア大会に出たU−21代表よりも、現在のA代表に近いような気がします。いえ、力がではないですよ。あくまで、やろうとしているサッカースタイルが、です。ダイレクトパスの多用で中盤を制圧しようという野望が明確に見てとれるし、すくなくともアジア圏内ではそれを可能にするタレントもいるようです。視察していた五輪代表監督の山本さんも、悩ましいだろうなあ。単なる個人の能力値ならU−21のほうが高いだろうけど、アテネの成功ではなくその先までを考えるなら、U−19から大量に抜擢するほうが可能性が広がるように思えるし。
 このチーム、基本的には坂田(横浜FM)とか小林(東京V)とか今野(札幌)とかJ1で経験を積んだメンバーを核にしてますが、もしかすると今年の高校3年生こそが生命線かも。アテネ世代の最年少である彼らは、「プチ黄金世代」かもしれません。ちょっと上の連中にできなかった「U−17世界選手権出場」って成果をすでに挙げてるわけだし、すくなくとも成岡翔(藤枝東高)がただものでないことはよくわかりました。阿部祐大朗(桐蔭学園高)は暑さのせいか動きは鈍かったけど足もとのやわらかさは日本人離れしてるし、菊地直哉(清水商高)ももっと見てみたい選手です。
 とりあえず、準決勝以降の相手はこれまでと異次元の強敵になるかもしれないので、強い相手と当たったとき、受けに回ったときのこのチームをもうすこし見定めたいところ。

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 東川篤哉『密室に向かって撃て!』(カッパ・ノベルス)読了。
 ぶふふふふっ! 笑える。楽しい。デビュー作『密室の鍵貸します』以上にギャグが疾走しています。笑いを取りにゆく「本格」の書き手としては、石崎幸二にとってライヴァル出現、というところでしょうか(勝手に引き合いに出してすみません>石崎さん)。ただしもちろん相違点もあって、石崎さんがギャグ担当キャラを固定してそれ以外の人物はきわめてまっとうに描写するのに対し、東川さんは出てくるキャラのほぼすべてにギャグをやらせています(刑事だろうが金持ちの老人だろうがお嬢様だろうが)。いえ、どっちのほうがいいではなく、それぞれの個性でしょうけど。
 もう一つ、石崎さんの笑いのツボは会話の展開や登場人物のおかしな言語感覚にある、言い換えれば基本的にセリフで笑わせているのに対し、東川さんの場合は登場人物に作者みずからがツッコむ、つまり地の文で笑わせようとする。これはとりもなおさず、デビュー作への感想で語った「神の視点」問題と関係してきます。非常に頻繁に、作中に作者が生で顔を出す。ひとたびギャグを離れると、ここには危うさがあるような気もするのですが……
 デビュー作から続けて読むと、けっこう衝撃をあたえてくれる作品でもあります。「え、あの人が死んじゃうの!」とか「おや、この人がこんな重要なポジションに?」とかね。砂川警部と私立探偵・鵜飼杜夫がどうイニシャティヴを取りあうかも前作と微妙にちがうし、シリーズものの展開に独自のセンスを持った書き手のようですね。
 ただし「本格」としては、前作よりライトと感じる人もいるかもしれません。最終的に提出される解答も、「それしかありえない唯一のもの」とはちょっと思えなかったり。動機面にいささか無理も感じたり。
 でもまあ、おもしろいことにまちがいはないですけどね。

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 サッカーアジアユース準決勝、日本−ウズベキスタン。ま、そんなにいっしょうけんめい観ていたわけではないので、いいかげんな感想ですが。
 テクニックでははっきりまさってるのにフィジカルの強さでごり押しされ、悪質なファウルもはちゃめちゃなレフェリングで取ってもらえず、さらには決定的なチャンスを何度もつくりながら最後の最後でミスが出て点にならない。以上をくり返しているうちに体力が切れ、しだいに主導権を失ってゆく……上の世代が何度も味わった悲哀(だからこそ、日本はアジアユースで優勝経験がない)をたっぷり経験したという意味で、とてもいい勉強(<あ、やな言葉)になったのでは。それでいて、PK戦までもつれたあげく決勝進出、なんですからまずまずかな。GK川島(アルディージャ)はめだててよかったね。
 でも、体が動かなくなる前にもうちょっと何とかできなかったのという不満もあります。試合を落ちつかせるプレイヤーがいない。小林(ヴェルディ)か成岡(藤枝東高)がアジア相手なら余裕でボールキープ、というのは高望みなのかしら。それと、まあアマチュア(高校生)も多いメンバーとは言いながら、かつ気温30度を越えるドーハでの試合ではあるものの、運動量の低下が極端すぎ。それはウズベクも同様で、延長に入ってからは観るに耐えないサッカーでしたね。前に「受けに回ったときを見たい」と書きましたが、その点は「もろい」と言わざるをえません。
 それと、選手交代にも疑問。小林も成岡もいまいちななか、この試合の阿部(桐蔭学園高)はすごく機能していて攻撃の構築に最も貢献していたような気がしたので、真っ先に引っこめたのには驚きました。背の高いウズベク相手に矢野(浜名高)で勝負というのも個人的には疑問。大久保(市船橋高)を入れて菊地(清水商高)を中盤に上げるのは理解できますが、小林と代えちゃったら意味ないんじゃ。むしろ今野(コンサドーレ)を引っこめるべきだと思ったけど、キャプテンでもあるし大熊監督にはそんな選択肢なかったんでしょうか。最後に、茂木(サンフレッチェ)を入れるのは納得ですが代えるべきは坂田(Fマリノス)よりむしろ成岡だったような(べつにPKを外したから結果論で言ってるのではないつもり)。

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 サッカーアジアユース、決勝の相手は韓国ですか。しびれるなあ。

 プロ野球日本シリーズは、ジャイアンツ(4勝0敗)ライオンズ。まあ、例によってあんまりまじめには観ていなかったんですが。
 Gの日本シリーズ4勝0敗は史上初だとか、12年前の意趣返しだとか、そういう「記録」に関することはどうでもよくて、これはひたすらライオンズが松坂大輔と心中したシリーズと「記憶」されるのでは。リーグを勝ち抜いた野球を捨てて、「ことし本来やるはずだった野球」をシリーズで実現させようとし、あえなく失敗した。そんなふうに見えました。来年の松坂は、化けるかもしれません。
 それから、このシリーズではほとんどめだたなかった松井秀樹。7回ツーアウト、「あ、もしかしたら日本で最後の打席かも」とちょっと注目しました。で、歩かされた瞬間には一瞬がっかりした(実は「ここでホームランならドラマだなあ」と思っていた)ものの、すぐに「あ、松坂からも敬遠されたのが最後の打席というのは、さらに彼らしいや。メジャーでがんばれよ」なんて納得してしまったものです……実際には、9回にまた打順がまわって(結果は内野ゴロ)台なしになりましたが(笑)。

(追記)人のお名前をまちがえるのは恥ずかしいことで、掲示板でも何度か恥をかいてますが、またやってしまいました。上の「松井秀樹」はもちろん「松井秀喜」が正しいです。お詫びして訂正します。それから、メールでご指摘くださったかたに感謝申しあげます。



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