2004.01

↓時間軸





 あけましておめでとうございます。

 いろいろな意味で、特別な年が始まったと認識しています。日本人として、人生観を決定的に改めざるをえない1年になるかも、などと妄想したり(もちろん、そんな展開にはならないことを願いますが)。
 緊張に満ちた年の始まり――とりあえずいまのところ、そんなふうに考えるしだいです。

 とにかく、昨年中はいろいろな意味でほんとうにお世話になりました。このサイトにおいでくださったすべてのかたがたに、心からの感謝を申し述べます。
 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
 このサイトも、ぼくの作品(なかなかすみやかに発表できないのが、歯がゆいのですが)も。どうかどうか。

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 録画(放映は1月2日)しておいた、SMAPを主役に据えた『ぴったんこカン☆カン』(TBS系)のSP版を正月気分で観ました。
 石橋貴明よりもドリフよりも興味深かったのは、ジャニーズ系の先輩たちとSMAPとのからみでした。ついこのあいだの年末のジャニーズカウントダウンでもわかるとおり(TOKIOV6KinKi Kidsタッキー&翼、NEWSが出演し、ゲストで少年隊・東山、もと男闘呼組・岡本、もと光GENJIからも二人を呼びながら、絶対にSMAPだけは出演しない)、SMAPはメディア上でほかのジャニーズ系タレントとからむことを注意深く避けていると評さざるをえない。おそらく「彼らだけは別格」というイメージを確立させるためのジャニーズ事務所の戦略でしょう。
 でもだからこそ、SMAPのメンバーがトークのなかでほかのジャニーズ系の名前に触れてしまう瞬間には極上のスリルがあると思います。中居くんが少年隊・植草にいじめ(?)られていたとか、キムタクが男闘呼組・岡本にギターをもらったのが、弾きはじめるきっかけだったとか、慎吾はシブがき隊の現役時代を(当時は幼すぎて)よく憶えていないとか、そんなエピソードの一つ一つが「へぇ〜」と思わせてくれました。
 でもいちばんのハイライトは、TBS側が「光GENJIのバックで踊ってるこの子、中居くんじゃない?」と見つけてきたVTRを観て、SMAPのほぼ全員が「ちがう、これ、城島くんだよ」とリアクションした瞬間。城島とはもちろん、TOKIOのリーダー。何だ、SMAPってほかのジャニーズ系のこともよく知ってんじゃん、となぜだか心暖まりました。
 ……言ってることが、自分でもよくわからねえな(壊)。

 新日本プロレスの東京ドーム大会
 IWGPとNWFの統一戦で中邑真輔が高山善広に勝った、というのも大ニュースだと思いますが、それ以上にインパクトを感じたのはまたしてもボブ・サップ。ほんとうに、何でもできちゃうんですねあの人は(笑)。蝶野、天山を相手に武藤敬司とのタッグだからって、まさかやるか、シャイニングウィザード(片膝ついた状態の相手の、立てているほうの膝に片足で飛び乗り、反対側の足で相手の顔面を蹴りつける技)。それも、曙戦から四日しか経ってないのにねえ。
 いやほんとうにびっくりしました。

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 講談社ノベルスの新刊見本をいただきました。
 まずは、ついに出たぞ清涼院流水『彩紋家事件 前編 極上マジックサーカス』。気になる後編は、来月刊行予定とか。
 森博嗣『四季 秋』は、S&Mシリーズよりあとの話みたいですね。院生になった西之園萌絵の視点で始まります。はて、四季はいずこ……。
 高田崇史『QED 龍馬暗殺』は、かれこれシリーズ第7弾になりますな。舞台は高知の山村、テーマはもちろん坂本龍馬。
 今野敏『ST 黄の調査ファイル』は、ええと、シリーズ第6弾になるのかな? 宗教団体で起こった集団変死事件に挑む、警視庁科学特捜班。
 太田忠司『大怪樹 新宿少年探偵団』はシリーズ第8弾、完結ラス前だそうです。
 島田荘司『ロシア幽霊軍艦事件』は、2001年10月に原書房から出た四六判のノベルス化。

 さて気になっていたのは、去年亡くなったデザイナー辰巳四郎さんが手がけていたシリーズはどうなるんだろう、ということ。
『四季 秋』は「カバーデザイン=辰巳四郎」のまま。もしかして刊行開始前に、四季シリーズのデザインは完了なさっていたのかもしれませんね。
 QEDシリーズの『龍馬暗殺』は、「カバーオリジナルフォーマット=辰巳四郎 カバーデザイン=岩郷重力(ワンダーワークス)」。STシリーズの『黄の調査ファイル』は、「カバー原案=辰巳四郎 カバーデザイン=熊谷博人」。
 なるほど。

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 ……とりいそぎ。

 おかげさまでこのサイト、30万アクセスを突破することができました。新年早々、縁起がいいわい(笑)。
 ひとえに、見にきてくださるみなさんがもたらしてくださった成果ですね。心から感謝を申し述べたいと思う次第です。実はここ数日、更新をサボっていたふしがあったりするので(汗)、なおさらありがたいことだと感じ入っております。

 HMC(本格ミステリ作家クラブ)に、第4回「本格ミステリ大賞」のためのアンケート回答(小説部門と評論・研究部門とのそれぞれ)を送りました。結果(つまり、大賞を争うことになる候補作)は、予選委員会の審議を経て近々あきらかになる予定です。
 どうぞ、お楽しみに。

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 森博嗣『四季 秋』(講談社ノベルス)読了。

 ありうる誤解をはじめに取り去っておくなら、この作品に「本格」を期待するのはやめたほうがいいでしょう(別にけなしているわけではなく、あくまでジャンル論です)。
 いや、「本格」の要素は疑いなくあるんです。けれどもそれはこの作品単体のなかにあるわけではなくて、すくなくとも『すべてがFになる』を未読の人にはまったく感知できないはず。それにかぎらず、これは何というか……S&MシリーズとVシリーズのあいだに張った数多くの伏線を壮絶かつ一挙にネタバラシ大会、という様相も呈していて、森さんは書いてるあいだ実に楽しかっただろうなあ。
 そういうわけで正直なところ、S&MシリーズとVシリーズを未読のかたにはオススメできません(う、これが森さんに対する営業妨害にならなければいいんですが――そのへんに関しては、『赤緑黒白』の感想も参照)。

 ただ、一篇の小説として非常によく書けているというのは動かしがたい事実で、「四季はいずこ?」ってのがやっぱりキーワードですね。でもいっぽうで、この一作はほかの森作品とのネットワークのなかでこそ生きる、ということも言える。すでに述べた「先行作品の仕掛けをとうとう大公開」というのもそうですが、海燕さん(1月13日付け)が指摘されているとおり、『春』『夏』から一貫しているテーマ性というのが最も重要かな。
 言い換えれば『四季』というシリーズが要するに何をやろうとしているのかがいよいよ興味深くなってきたわけで、掲示板でミラーさん(#1517)がおっしゃるように、『冬』の内容がものすごく楽しみになってきました。

 致命的なネタバレとは思いませんが念のためいちおう反転させます、未読のかたはご遠慮ください。ぼくがこの作品を読んでいちばんドキドキしたのは、西之園萌絵と瀬在丸紅子の初コンタクトでした。何しろぼくはVシリーズ第1弾『黒猫の三角』を読んだ際には、この二人の「同一人物説」すら疑ってしまったもので……。どんなすごい会話が展開されるかとおびえていたら案外、普通でしたね(笑)。まあ、この二人すら凌駕する真賀田四季って存在があるから――
 でも、
じゅうぶんにおもしろく読んでしまいました。


(追記) 同じく『四季 秋』についての野々田太郎さんの評(1月17日付け)を読んで、吹き出してしまいました。だって、『怪獣総進撃』って……たぶん上記の二つめの太字と同じことをおっしゃっているのではと邪推しておりますが、もしそうだったら卓抜の比喩ですね。『怪獣総進撃』……まったくそのとおり。あいかわらず、うまいなあ(笑)。

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 ……あら。執筆で忙しくしているうちに、原書房「ミステリー・リーグ」のサイトがすっかりリニューアルしているではないですか。うんうん、ずいぶんスマートになってステキですよ I 毛さん(笑)。

 みなさん、今年の「ミステリー・リーグ」にはとりあえず注目だと思います。遠からず、谺健二さんの新作『星の牢獄』も出るし(『赫い月照』の次に、いったい何を書いたんだ谺さん)、来月には歌野晶午さんの新作『ジェシカが駆け抜けた七年間』まで出るとか(『世界の終わり、あるいは始まり』さらに『葉桜の季節に君を想うということ』に続く新作なんだから、とうてい無視できない)。のみならず、笠井潔さんと津原泰水さんがすぐにも追いかけるとか。

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 自衛隊さえもがイラクに派遣されるご時世です。
 そのこと自体に対する賛成・反対は抜きにしてね(あ、ぼくは絶対に反対です。だって憲法違反だから。でも、とにかくそれは措いといて)。
 つまり、日本国内のとりあえずの利害を無視してでも(だってそのせいで、東京でテロが起こるかもしれないんですよ?)日本人を海外に派遣する、という流れが決定的にできてしまったと認識するべきでしょう。
 はなはだ不本意ですが、そう捉えるしかない。昨秋の総選挙で日本国民が自民党を勝たせてしまったのだから。それに納得するしかないのが、とりあえず民主主義というものです。

 さてそうなると、生命の危険があるという場合にくらべたらはなはだ軽々しいのに、オリンピックという「スポーツの祭典」に選手を送ることにさえ「一球団から二人まで」なんてケチくさい制限をつけて派遣をためらったりするのは、致命的にこの時代の意識とか国際感覚とかからは外れている、と見なされてもしかたないのでは。いまや、「お国のために、おまえら海外に行ってくれ」という姿勢を日本国民が許容してしまっているということになるわけなんですから。

 ……う〜ん、今回は逆説が多くて、ちゃんとわかってもらえたかな、どうでしょう? ええ、ぼくの冗談はわかりにくいって、よく言われるんです(笑)。

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 アテネ五輪の野球競技でUSAが北中米予選で敗退、出場権を失ったのにも驚きましたけど、今度はサッカーでブラジルが南米予選で敗退かあ……まあ、どっちもベストメンバーじゃなかったわけですが、メジャーリーガーがいっさい参加していなかった(つまり、ある意味で「五輪なんてメジャーに所属できない連中による大会だ」と貶めたような部分もある)野球のUSAにくらべれば、サッカーのブラジルのほうがさらに驚きかなあ。でも負けた相手を問題にすれば、野球のメキシコと、サッカーのアルゼンチン、パラグアイとでは格がちがったりもするわけで。

 ただ、これで「アテネ五輪サッカーでの日本の活躍に期待が高まる」とかはまちがっても言ってはいけないと思います。まだ出場権すら獲得してないわけだし、日本の五輪代表には心配な点がたくさんあるでしょう。とりわけ、U−23代表とU−21代表(あるいは、さらにそれ以下の世代)の融合が遅れている点。平山くん(国見高校)一人だけ騒いでる場合じゃないよ、たぶん。

 ついでにフル代表ですが、中村(レジーナ)も小野(フェイエノールト)も、W杯予選初戦にまにあうんでしょうか。心配だな。
 あ、それと、コンフェデ杯って今後もまだやるんでしたっけ? 欧州リーグ所属の選手には日程がきつすぎるので立ち消え、みたいな噂を聞いてたんですが、フランスが辞退しそうってのがニュースになるってことはまだやるんですね。だったら今年のアジアカップって、来年のコンフェデに出る(またとない強化の機会を得られる)ためのものすごく重要な大会なのでは。もっと注目したほうがいいと思います。

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 む〜ん。たまたま観ただけなんですが、『イチローvs松井秀喜! 初競演! 夢バトルSP』(TBS系)はめちゃめちゃ興味深かったですね。
 スポーツマスコミがふだん作りあげているイメージの歪みというものを感じずにはいられなかったなあ。イチロー(シアトル・マリナーズ)があんなにおしゃべりだとは知らなかったし、ゴジラ(NYヤンキース)があそこまで内省的というのも意外でした。マスコミは基本的にイチローのクールさ、ゴジラの人なつっこさを伝えようとしますもんね。ついでに言うと、「ロッカールームにまで入ってきてインタヴューされるとほかの選手に迷惑だから、毎試合後に一言だけでも会見に応じている」という松井と、「メディアの向こうにファンがいることはわかってるけど、だからこそ、いいかげんな質問にいいかげんに答えることはしたくない」というイチローとのコントラストは印象的でした。個人的には、イチローに共感します。
 あと、イチローがゴジラのプレイに注文をつけて、「スライディングキャッチがうまいよね。でもゴジラなんだから、フェンスにぶつかったら突き破ってほしいし、滑りこんだら芝生をえぐりとってほしい」と言ったのには大笑い。
 こういう番組はもっと試みられるべきで、たとえばサッカーの世界でも中田英寿(ボローニャ)と中村俊輔(レジーナ)が、あるいは小野伸二(フェイエノールト)でもいいけど、こんな本音トークをしたらものすごく魅力的な企画だと思います。でも彼らは日本代表というチームでいっしょに戦っているわけで、TVカメラの前でそうそう本音なんか言えないんだよね。イチローと松井はあくまでも「あらゆる意味で他人」だからこそ、こういう番組が成立するってこと。


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 原書房ミステリー・リーグの最新刊、谺健二『星の牢獄』をご恵贈いただきました。
 ……ええ、な、何ですってえ? いくら何でもこんな設定で――「地球に調査にやってきた宇宙人が殺人事件に巻き込まれてしまって」ですとぉ? ま、でも谺さんのことだから、こんなとんでもない謎も何とかしちゃうんでしょう。
 いや、しかしほんとうにそうだったら……去年の『赫い月照』(講談社)に続いて、さらなる力作感が漂うこの大作(原稿用紙換算で1000枚以上?)、早くも来年の本格ミステリ大賞の有力候補かな?
 あ、いえいえ、読んでからあらためてコメントしますけど。

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 本格ミステリ作家クラブから通知をいただきました。今年の本格ミステリ大賞の候補作が決まったそうです。もうネットのあちこちで情報が流れているようですけど、遅ればせながらいちおうこちらでも公にしておきます(作品名50音順)。

《小説部門》
『赫い月照』谺健二(講談社)
『くらのかみ』小野不由美(講談社ミステリーランド)
『七度狐』大倉崇裕(東京創元社)
『スイス時計の謎』有栖川有栖(講談社ノベルス)
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午(文藝春秋本格ミステリ・マスターズ)
《評論・研究部門》
『越境する本格ミステリ』小山正・日下三蔵(扶桑社)
『世界の果てのカレイドスコープ』野崎六助(原書房)
『中国ミステリー探訪』井波律子(NHK出版)
『ミステリイは誘う』春日直樹(講談社現代新書)
『水面の星座 水底の宝石』千街晶之(光文社)

 あと、宇山日出臣さん(講談社)と戸川安宣さん(東京創元社)に特別賞が贈られることも決まったようです。お二人とも伝説の名編集者ですね。おめでとうございます。

 ところで講談社のU山さん(↑誰のことかバレバレじゃん、略す意味なし)からミステリーランドの新刊をいただきました。ありがとうございます。
 竹本健治『闇のなかの赤い馬』。
 太田忠司『黄金蝶ひとり』。
 高田崇史『鬼神伝 鬼の巻』。
 第1回配本では「あれ、どうして殊能将之さんだけこんなこと書いてるんだろう?」と思ってしまった巻末の「わたしが子どもだったころ」(一種のあとがき)ですが、すっかり定着したようすですね。それどころか早くも、そこをネタに使っているらしき書き手まであらわれたぞ(誰のことだ?)。





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