2005.11

↓時間軸





 小説家の倉阪鬼一郎さんと、ネットで活躍しておられる桐生未月さんがご婚約とか。かなりびっくりしました。って、お二方とも面識はないんですけど。
 ただ、倉阪さんとは講談社ノベルスで担当者が同じだったような気がするし(Cさん=A元さん?)、桐生未月さんはぼくのサイトの掲示板にも書きこんでくださったことがあって(「掲示板過去ログ」の2002年分とか参照)、病院内の売店の知識をいろいろ教えていただいたり(?)、その節はたいへんお世話になりました。
 お二人に心から、お慶びを申しあげたいと存じます。

 原書房の『本格ミステリ・ベスト10』の投票をしなきゃ。
 読み残しがまだ数冊……いや、10冊くらいあるので、この土日でどれだけ読めるか。執筆もサボって、死に物狂いでがんばらないと。
 〆切は月曜日いっぱい。うーん。

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 TVドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)は、ますます好調ですねえ。亀梨くん(KAT−TUN)とヤマピー(NEWS)のジャニーズ組共演ももちろん魅力ですが、きょうに限っては、いじめっ子バンドーが唐突に信子をかばった展開がすべてでは。

 その後あわてて『土曜洋画劇場』(フジテレビ系)、西澤保彦さんぞっこんの『スウィングガールズ』(東宝系、矢口史靖監督)にチャンネルを合わせる。ロードショーもDVDもチェックしていなかった作品を今回TVで(つまりタダで)観られて感無量(<いやしい)。おお、すばらしい作品じゃありませんか。ぼくもジャズ(ビッグバンドではないけど)をかじっていたので、とても楽しい映画でした。
 部員たちの上達があまりにも早すぎるのには首をひねったものの、役者レヴェルで言うなら「みんな、よく練習したな〜」と感心しきり。吹き替えなしであるのは、よく見てればすぐわかったし。
 ラストは圧巻。凄いエネルギーに胸を打たれ、泣いてしまいましたよ、ええ。

 ところで、たまたま両者に共通していたのが――はじめは反目していた不良っぽい女の子が最後にはヒロインと手を取りあうこと。お約束っちゃお約束なんですが、同じ夜に続けて観ると、「ああ、やっぱりこうでなくっちゃなあ〜」とあらためて思いましたことよ。いつの日かぜひ、わたくしもどなたかと手を取りあわせていただきたいものですわ(<誰だおまえ?)。

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 本田美奈子.さん亡くなったというのは、ひどくショックなニュースです。
 この際だから言ってしまいますが、1985年にデビュー以来、いや、正確にはファーストアルバム『M’シンドローム』(東芝EMI)を聴いて以来かな、ぼくは大ファンでした。冒頭の「M' 」を筆頭に「マンハッタンの螢」とか「CHARLIE」とか曲もよかったし。「かわいい、色っぽい、歌がうまい」と3拍子そろった本田さんにやられてしまいました。
 とりわけ、その歌唱力。80年代の常識としては「えっ、アイドルがこんなに歌がうまくてもいいの?」とすら感じたものです。ご本人も「アイドルよりアーティスト」と言ってたような……。あんな細い身体のどこからあれほどの声量が? そして、声の表情の豊かさ、抜群のリズム感と音程――その後ミュージカルに転身したのもうなずけました。
 白血病と闘っていらしたことは知っていましたが、まさかこんなに早く……
 ほんとうに悲しいです。心からお悔やみを申しあげたいと思います。

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 講談社ノベルスの新刊見本をいただきました。いつもありがとうございます。
 内田康夫『化生の海』は2年前に新潮社から出た単行本のノベルス化。浅見光彦シリーズですが、作者いわく「生涯の自作ベストテンを選ぶとしたら」「躊躇なく挙げる」作品だそうです。
 島田荘司『上高地の切り裂きジャック』は、表題作に中篇「山手の幽霊」を併録。いずれも初出は原書房ですね。
 高里椎奈『闇と光の双翼』は、<フェンネル大陸 偽王伝>シリーズ第4弾。
 西尾維新『ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い』が最大の注目作かな。何しろ、『クビキリサイクル』に始まる<戯言シリーズ>を締めくくる最後の1冊。第1作とサブタイトルも同じです。
 辻村深月『凍りのくじら』にはちょっとびっくり。刊行ペースが速いですね。帯に瀬名秀明さんが「これは、傑作だと思います」と推薦を寄せていらっしゃいます。

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 原書房ミステリー・リーグの最新刊をいただきました。いつもありがとうございます。
 折原一『グッドバイ 叔父殺人事件』。確か折原さんには以前に『偽りの館 叔母殺人事件』(講談社)って作品がありましたよね。もしかして、あれと対になっているんでしょうか?
 いずれにせよ、油断のならない1冊。楽しみに読ませていただきます。

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 北村薫『ニッポン硬貨の謎 The Japanese Nickel Mystery――エラリー・クイーン最後の事件』(東京創元社)読了。いや、読んだのはけっこう前ですけど。感想を書くのはこれがはじめて。
 中盤の『シャム双子』論はすばらしい。それを小説にふくらませようとしてできた作品らしいんですが、全体を小説として見ると弱い、という批判があるようで。それは、かならずしも否定できません。ただ、タイトルからこれを国名シリーズ的な1冊と勝手に期待し、そうでないからけなすという姿勢は、あまりに子どもっぽすぎると思います。「ないものねだり」そのものだからです。作者みずからが最初から(p.9)言ってるじゃありませんか、「この作品のタッチは、書かれた時期が示す通り、やはりクイーン後期のそれである」って。
 かつて「新本格」のフィールドを部分的に席巻した「50円玉20枚の謎」をエラリーに解かせようという趣向だけでぼくはのけぞってしまうし、これまで提出されたなかで最も高度というほかない解法にも感嘆を惜しむことができません。
 ただ、何より読者が考えてみるべきなのは、この『シャム双子』論からして(以下ネタバレ)『ニッポン硬貨の謎』そのものの訳注にも何か仕掛けがあるんじゃないか、ということ。ディレッタンティズムから過剰な注を付した国名シリーズのスタイルを真似ているだけではなく、戸川さんがどうした国名シリーズの訳文がどうしたって注のなかに「額縁をもトリックに使う」ねらいが秘められているんじゃないか(ここまで)、ってこと。それをやってこその、この作品。
 だからぼくは、単なるクイーン趣味からだけではなく、この作品を読んでいただきたいと思うわけなのです。

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 サッカー、日本−アンゴラ
 まあ最後に1点とって勝ったからよかったようなものの、W杯アジア予選を突破してからこっち、どうも代表チームは「ユルい」と感じざるをえません。気を抜くな。世界に出たらまだまだ弱いんだから。
 この程度の相手(この試合だけから判断するなら、アンゴラは来年のW杯ではどのグループに入ってもアウトサイダーでしょう)とホームでやるんだから、3−0くらいで勝ってくれなきゃ困る。いや、内容的にはそれぐらいの試合をしていたわけだから、やっぱり決定力不足って話になるわけか。
 別にいまに始まった話ではありませんが、柳沢、高原のシュート力の低さはほんと切実だと思うし(ああ、やっぱり久保を待つしかないのかなあ?)、両サイド(この試合では駒野とアレックス)が本気で得点に絡もうとしていないように見えてしまうのも激しく不満。
 あと、思ったこと。中田英をボランチに下げて中村とのあいだを「縦の関係」にするのが吉、みたいなことを多くの専門家がおっしゃってるみたいですが、ぼくには疑問。彼ら二人が二列めで横に並んで左右にポジションチェンジするときこそ、日本代表がサイドチェンジの大きな展開を最も多発できるような気がするもので。この試合なんか、そういうシーンがほとんど見られなかったと思うんですが。
 あ、でも、松井はよかったね。代表初ゴールおめでとう。

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 サッカーW杯プレーオフ。

 オーストラリアがウルグアイに勝ったとか。びっくり。まあオーストラリアは、すくなくともアジアのどの国よりも強いと思うし(だから、次回以降のアジア予選では脅威ですよ?)、いい選手もたくさんいるけど、4年前のプレーオフ(やはりウルグアイが相手でした)を見るかぎり、駆け引きという部分で弱小オセアニア内にいるというハンディキャップ(強い国との真剣勝負の機会があまりに少ない)は乗り越えられそうもない、って感じでした。それが今回はPK戦とはいえ、あのしたたかなウルグアイに勝ったか。立派です。
 いっぽうで、ぼくの大好きなウルグアイのレコバがW杯に出られないというのは寂しいな……でもウルグアイは本来、南米予選で当然のように4位以内に入らなくちゃいけないチームですから、プレーオフにまわったりする時点で「何やってんだ」とは思いましたけど。

 バーレーンはトリニダードトバゴに勝てなかったかあ……せっかくアウェイで引き分けたのに、ホームで負けちゃっちゃあね。将来のアジア出場枠を考えたら痛いけど、まあしかたないか。ウズベキスタンはさぞ悔しいでしょうね。

 さて、ヨーロッパ。スペインがスロヴァキアを、チェコがノルウェーをくだしたのはまったく順当として、アウェイで0−2で負けたトルコが全力あげてホームでスイスから4点とったというのはなかなか感動的でした。でも2点とられてしまい、アウェイゴール・ルールで敗退。やっぱり故障者多かったからなあ……というわけで、前回の3位国が姿を消しました。

 それではW杯出場32か国が出そろったところで、組分けシミュレーション。
 シードされるのは開催国ドイツを筆頭にブラジル、アルゼンチン、フランス、イングランド、イタリア、オランダ、チェコとひとまず仮定して(メキシコもあるかな? うう、難しい。オランダもチェコも前回出てないしなー、でもまあ、とりあえず)。残りの欧州8、残りの南米2+アフリカ5+オセアニア1、北中米4+アジア4で組分けされるとすれば……
 日本と同グループにブラジル、スペイン、パラグアイなんていかがでしょ? 全敗しちゃうよ、そんなの。

(追記)結局、W杯のシード国は開催国ドイツと、ブラジル、アルゼンチン、フランス、イタリア、スペイン、イングランド、メキシコになったようです。そのうえで考えられる日本最悪の組み合わせは、たとえばイングランドとオランダとパラグアイかな? やっぱり全敗しちゃうよ、そんなの。

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 黒田研二さんから新作『結婚なんてしたくない』(幻冬舎)をいただきました。ありがとうございます。
 帯に書かれている文句を読むと、「束縛されるのは嫌っ! でも、誰かと繋がっていたい……」だそうな。「渾身のエンターテインメント小説」ともあります。あまり身構えずに、楽しく読める作品なのかな。それにしてもこのタイトル、30代独身女性が書いたノンフィクションのようにも思えて(「負け組」とかいう言葉は大っ嫌いですが)、けっこうあざといんじゃ?
 しかし、あの黒田研二のこと。きっと何か仕掛けがあることでしょう。楽しみに読ませていただきます。

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 光文社カッパ・ノベルスの新刊をいただきました。いつもありがとうございます。
 島田荘司『エデンの命題』は「21世紀本格」路線の模様。アスペルガー症候群の子どもたちを集めたアスピー・エデン学園から消えた一人の少女。旧約聖書の謎を最新の科学情報で読み解くそうです。なお、アンソロジー『21世紀本格』のために書かれた中篇「ヘルター・スケルター」も併録されてます。
 鳴海章『バディソウル 対テロ特殊部隊』は長篇バトル・アクション。根室花咲港を震撼させた大銃撃戦と、ウイルスに汚染されたロシア航空機の緊急着陸。特殊装備隊隊員・仁王頭勇斗と仲間たちの闘いを活写するスナイパー・シリーズです。

 あと、四六判ソフトカヴァーで新世紀「謎」倶楽部『EDS 緊急推理解決院』が、四六判仮フランス装で明野照葉『痛いひと』が、新刊として出ている模様です。

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 石持浅海『扉は閉ざされたまま』(祥伝社ノン・ノベルス)読了。いや、読んだのはけっこう前ですけど。感想を書くのは、まあこれがはじめてってことで。
 うん、これは傑作。
 基本的には倒叙ものなんですが、犯人があきらかにしない「謎」があって、それを読者が読み解けるか、という構造を有している。その謎がかなり魅力的だし、最後まで解かれることがないし、解かれてもなお解かれかたに説得力があるか否かを問う余地がある。したがって、これは「本格」だと愚考するしだい。
 さてそうなると、西澤保彦さんのタックシリーズを彷彿させるほどの徹底したディスカッション小説ぶりが眼を惹きます。(以下、いちおうネタバレ)犯人たる主人公がちょっと口を出しすぎで、(ここまで)「これじゃコロンボや古畑みたいだよ」と思わなくもないんだけど、それでも抜群に楽しいんですよね。「え、これは穴なんじゃ?」といったんは思わせておいて、あとからちゃんとそれをふさぐ――それが石持節として確立してきたような気がするのも、たいへんに頼もしいし。
 それから、(以下ネタバレ)とにかく碓氷優佳って探偵役があまりに魅力的で、いっそシリーズもののヒロインにしてくれないかなあ、なんて勝手に期待したんですけども、やっぱり難しいかな?(ここまで)
 とにかく、読ませる力という意味では2005年いちばん、って感じがいたしました。いや、ひょっとして、石持浅海の過去最高作なのではないかな?
 年間ベスト級だと思います。

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 講談社ミステリーランドの新刊をいただきました。いつもありがとうございます。
 今回は、二階堂黎人『カーの復讐』。怪盗アルセーヌ・ルパンを主人公に、密室トリックを採り入れたパスティーシュの模様。古代エジプトの呪い、古城、暗号文、と趣向が盛りだくさん。
 ご存じないかたもいるかと思いますが、アルセーヌ・ルパン(リュパン?)は名探偵としても超一流で(ジム・バーネットというイギリス人に化けて私立探偵をやっていたくらい)、この作品もルパンが探偵役になって謎を解くという趣向のようです。

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 ほしおさなえ『天の前庭』(東京創元社ミステリ・フロンティア)読了。いや、読んだのはけっこう前ですが、感想を書くのははじめて。
(以下、基本的にネタバレです。未読のかたはご注意ください)
 ドッペルゲンガーだのタイムスリップだの超自然的な要素を絡ませつつ、最終的にはすべてをプロットのねじれで説明してしまう力業な「本格」。作者には多少なりとも「超自然」への未練があるようにも読みとれますが、最終的にはそれらをすべて禁欲して「本格」たりえている。そこがまずみごと。
 あの人とこの人を入れ換えて、みたいなプロットの作りが「本格」そのもの。この書き手のすぐれたところは、それを読み手に感じとらせないポエティカルな文体ってことになるんでしょう。たいへんな筆力の持ち主。まったくもってうらやましいくらいですよ、はい。
 とりわけ母親と娘の関係がうまく書けている。これはほんとうに感心しました。でも結局のところ「ユナ」は柚乃の友だちであってほしいな、なんて場違いな感想をいだきました。すみません。
(ここまで)





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