2006.9

↓時間軸





 出口顕『レヴィ=ストロース斜め読み』(青弓社)を読みなおし。インセスト・タブーの主題をめぐって「内部と外部の反転」が論じられているのを発見し、近作『インサイド・アウト』の参考にと読みふける。いや、実にいろんなところにヒントがあるものです。まったく。

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 講談社ノベルスの新刊をいただきました。いつも、ありがとうございます。
 森博嗣『λ(ラムダ)に歯がない』は、Gシリーズ第5弾。密室大量殺人? そして西之園萌絵は封印していた過去と対峙する?  三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』は、原書房ミステリー・リーグから出た『厭魅の如き憑くもの』と同シリーズ?

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 一人の赤ん坊が生まれました。
 たまたま、男の子だった。すると国じゅうが「男の子でよかった」と大騒ぎ――
 これは戦後はじめてと言っていいほどの、奇矯な事態ではないでしょうか。「生まれたのが男の子でよかった」なんて発言は、戦後日本では基本的にタブーだったはずです(むろん、局地的にはあったでしょうが)。すくなくとも戦後民主主義は、男女同権を金科玉条として教えてきたんですから。まず、マスコミがそこのところにあまりにも鈍感であることに唖然とします。
 もちろん、天皇制は近代社会(男女同権もその一つ)の外にあるものですから、「男の子でよかった」という反応自体はおかしくない。ただ、それを伝える際には「これは、あくまで自分たち(一般的日本人=近代社会)の外部の話である」ことを徹底しなくてはならないと思います。裏返すと、「皇室への親近感」と「男の子でよかった」とをごっちゃにしている反応は、あまりに野蛮というか頭が悪いというか非論理的というか……
 つい心配になってしまうのは、ひたすら「男の子でよかった」的祝賀ムードという現象を、天皇制だの万世一系だのをまだ理解できていない幼い女の子(幼稚園児とか小学校低学年とか)がTVで観たら、心に傷を負いやしないかということ。「女の子って、生まれてきても喜んでもらえない存在なんだ」と刷りこまれやしないかということ。「女は、あくまで男に従ってゆくしかないんだ」という人生観を得てしまいやしないかということ。そんなことがないように願いますが。

 これで、皇室典範改正は遠のくんでしょうかね。男子が生まれて喜んでいる政治家やマスコミは、裏を返せば本質的に女性天皇を望んではいなかったということ。「ほんとは男の天皇がいいし皇室典範も変えないほうがいい、やむをえない場合だけ女の天皇を認めようか」が本音。つまり、皇室典範改正論議は、「やむをえない」状況論でしかなかった。
 本質論と状況論の整理がされていなかったことが、あらためて露呈したと思います。国民も、「でも、やっぱり愛子さんが天皇になるべきなんじゃ?」という見かたがなお成立しうるということを、いちおう考えてみたほうがよろしい。いずれにせよ、「天皇が次の天皇の親ではない」という状況は生まれうるわけなんだし。

 え、ぼくの意見? 何もありません。天皇制そのものに反対ですから。

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 ただ、天皇制の存続を前提として(不本意ですが)問われるならば、天皇制とはフィクションであり「男系」というのはその基本ルールなのだから、そこを変えたら天皇制は瓦解に向かうと思います。したがって、変える(=女系を認める)べきではないでしょう。変えなければ継承者が絶えてやはり瓦解するかもしれませんが、それはフィクションとしての寿命ってことです。
 すでに述べたとおり天皇制とは近代社会の価値観の外にあると思うので、男女同権なんて概念をあてはめるにはなじまない。ただ、それを言うなら一夫一婦制だってなじまないわけで、ほんとうに存続を優先させるなら、むしろ一夫多妻制なり側室制度なりを復活させたらいいのでは。
 それでも存続させますかって話だと思います。

 そうじゃない、自分たちが親近感を持てる近代的な皇室が欲しいんだ、てな反応もありうるかとは思います。一夫一婦制、男女同権を当然の前提とした、近代的な(芸能ネタ提供用の?)皇室が。
 だったら今回誕生したのが男の子だったことには何の意味も見出しませんよね、というツッコミはさておき――それは、これまでにない新たな「天皇制」をわざわざつくりあげるというに近い。そういう人は自分にとって天皇制とは、あるいは民主主義とは何なのか、よくよく考えてみるべきでは。

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 サッカー・アジアカップ最終予選、イエメン−日本。
 まあ、評価すべきでしょうか。2位以内でOKなこの最終予選では、3位候補のイエメンとのアウェイゲーム(つまりこの試合)こそ最も重要であり、それに勝ったわけですから。海抜2300メートルという高地で最後までさして運動量を落とさなかったことも、でこぼこのピッチにそれほどあわてなかったことも、ほめるべきでしょう。
 ……あくまで、サッカーの質はともかく(怒)。

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 サッカー、欧州チャンピオンズリーグ一次リーグ、マンチェスターユナイテッド(イングランド)−セルティック(スコットランド)。
 まずは中村俊輔の同点ゴール。しびれました。GKファン・デル・サール(オランダ代表)が一歩も動けなかったもんねえ。チャンピオンズ「リーグ」になってから日本人初ゴールとか(その前のチャンピオンズカップでは奥寺がゴールしています)。
 セルティックとしては、負けたけどまずまずの結果では。アウェイのオールドトラフォードで2−3だったら上出来ですよ。ベンフィカ(ポルトガル)もコペンハーゲン(デンマーク)も侮れない相手だけど、一次リーグ突破に光明が見えたんじゃないでしょうか。いや、いいチームだと思いましたセルティック。グラヴェセン(デンマーク代表)がすごく効いてるし、ヘッセリンク(オランダ代表)にも可能性を感じる。俊輔とのコンビネーションが高まれば、まだまだやれる。欲を言えば、最終ラインに軸が欲しいけどね。

 諸岡卓真さんから、探偵小説研究会の同人誌『CRITICA』創刊号をいただきました。うーん、これはおもしろい。

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『Critica』があまりにおもしろくて、延々と読みつづけています。

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 カッパ・ノベルスの新刊をいただきました。あ。ノベルスじゃないや。今月はカッパ・ノベルス、新刊なしね。四六判フランス装ソフトカヴァーで、坂木司『シンデレラ・ティース』

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 講談社ノベルスの新刊をいただきました。京極夏彦『邪魅(じゃみ)の雫(しずく)

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 南雲堂から、島田荘司全集第T巻をいただきました。
 どうもありがとうございます、ご担当者H野さん。
 収録作は「占星術殺人事件」、「斜め屋敷の犯罪」、「死者が飲む水」。おお、戸田ツトムさんによる斬新かつ美麗な装丁。すばらしいですね。




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