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 1-6月


「安曇野の白い庭」/丸山健二/新潮文庫 <エッセイ> 

白バラの咲き乱れる美しい庭の写真に惹かれて手に取ったら、著者の無頼ぶりというか、気性の激しさに驚いてしまった。

「ピンクのボタンはなぜか眺めているだけでむかっ腹が立ち … 全部追い出してやった」り、奥さんの思い入れの深かった白樺を切り倒したり、と理想の庭を造るためには妥協はいっさいしない。
病害虫との闘いもハードだ。庭仕事をすれば分かるように、木や花の世話は、毎日毎日なにかを殺すことだ。雑草を引き抜き、混んだ草木を間引き、伸びた枝を剪定し、虫を殺す。一年中、美しいグリーンを保っているゴルフ場ではどれほどの農薬が使われているのか…。

地元の住民への舌鋒も鋭すぎるほどで、「ただ生きているだけの、往生際のわるい、甚だ醜悪な生物」だの「人間としての尊厳のかけらも見いだせな」いだの…。「老後の世話をさせることが第一の目的で子どもを作るような田舎」という形容もすごい。
私が読んでいて一番ぐさっときたのは、「情熱とセンスさえあれば、僅か一坪にも満たない土地に壮大な幽玄の世界を構築することだってできる」との箇所でした。隙間があれば野菜やらハーブやら植えてしまう私にはとうてい無理だ。 (05/05/14)

「金曜日ラビは寝坊した」/ハリイ・ケメルマン/高橋泰邦・訳/早川文庫 <小説> 

ユダヤ教会のラビ、デイヴィッド・スモールが主人公のラビ・シリーズ第一弾。
シンプルな事件を明快なロジックで解き明かす、軽い読み応えの推理小説でした。舞台が小さな町だからか、ミス・マープルの事件簿を連想する。

車の損害に関するいさかいを、タルムード(ユダヤ律法の注釈書)を援用して収める冒頭のくだりから引き込まれた。
主人公のラビは、研究者タイプの地味な外見で、説教に熱弁を振るったりもしない。妻のミリアムのセリフ、「宅のデイヴィッドは俳優ではありません。神は低い深い声でなければ御心を動かさないとお思いになりまして?」には、思わずにやりとしてしまった(時節柄…)。

神父や牧師とラビの違いなど、ユダヤ教について書かれた箇所も面白い。私が無知すぎるせいですが、ユダヤ教では、天国も地獄も死後も来世もないというのは意外でした。「徳はそれ自体の報いを伴っており、悪はそれ自体の罰を伴っている」、か…。 (05/05/14)

「DEATH NOTE 4」/大場つぐみ・作/小畑健・画/集英社ジャンプコミックス<漫画>

今更ですが、4巻の感想を(単行本は「HOW TO USE」のページくらいしか見ないけど…)。
ミサがあっさり人畜無害なキャラクターになってしまって残念。せめて、これからもライトの人生を踏みにじってほしいものですが。

Lの詰めの甘さにもヤキモキさせられた。せっかく確保したんだから、薬物を使用するなり取引を持ちかけるなり、方法はいろいろあるだろうに。痕を残さずに拷問する方法くらい心得てるんだろ?(少年漫画だってば) もっとも100%確実に自白させる方法は今のところ無いけれど。余談ですが、鎖や枷による拘束は国連被拘禁者処遇最低基準規則三十三条に反します。

しかし、ずっと立った姿勢でいるのは、歩き続けるよりも心臓に負担がかかるので、ただでさえ寿命が半分なのに…とハラハラしました。最悪、エコノミークラス症候群で死ぬ可能性もあるし。もっとも余命が半分になるといっても、もともとの寿命が80歳だったら50歳までは生きられるわけで(…などと書いている内に本誌の展開が…)。

死神の眼をもらうと視力が3.6以上になるなら、私も欲しいなあ、というのは冗談ですが、盲人がデスノートを拾ったらどうするんだろうとずっと思っていたので、ひとつ納得がいった。
それにしても、「愛」と「正義」に手を組まれると太刀打ちのしようがないなあ。 (05/02/03)

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