MAE
Apple純正Macintoshエミュレータ
2003/01/01 Update

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● MAEとは?
MAE(Macintosh Application Environment)は、かつてAppleが開発していたUnixワークステーション用の68k Macintoshエミュレータである。
(販売・サポートはHewlett-Packardが担当)
最初のバージョンであるMAE 1.0は1994年にリリースされた。
HP-UX版とSolaris版があり、Unix環境上で68LC040搭載のMacintoshをエミュレートし、System 7.1が動いていた。
日本語版も開発されており、当初は英語版System 7.1とJapanese Langage Kitの組み合わせでの対応であったが、日本語MAE 2.0(1996年)では完全に日本語化され、漢字Talk 7.1による日本語環境が利用できた。
(ウィンドウシェードやランチャー等、漢字Talk 7.5の機能の一部が使用可能)
日本語MAE 2.0の対応OSは、HP-UX 10.10またはSolaris(SPARC) 2.3以降であり、当時の価格は75,000円(シングルユーザーライセンス)であった。
その後、1996年11月にはSystem 7.5.3に対応したMAE 3.0がリリースされたが、
1996年末にAppleはNeXTを買収し、次期OSであるコードネームRhapsody(のちのMac OS X Server 1.x)の開発に注力することとなったため、MAEの開発は中止された。
(MAEの最終バージョンは1997年5月にリリースされたMAE 3.0 Update 4。なお日本語MAE 3.0はリリースされていない。)
私は、オークションに出ていた日本語MAE2.0を、動作させる環境も無いまま資料として入手していたのだが、その後幸いにも友人の協力で試すことができた。

日本語MAE 2.0 パッケージ
● 動作環境
日本語MAE2.0(以下、MAE)の対応OSはHP-UX 10.10以降であるが、友人の機材の都合によりHP-UX 11.0での動作確認となった。
インストール時に「OSのバージョンが10でない」という内容の警告メッセージが表示されるが、インストール作業自体は続行可能であった。ただし、AppleTalk用カーネルモジュールのインストールでエラーとなったため、AppleTalk機能は試すことができなかった。
● MAEの起動と終了
例えばMAEをホームディレクトリ下のappleディレクトリにインストールしている場合、コマンドプロンプトから「apple/bin/mae」のように入力し、MAEを起動する。起動するとX11のウィンドウに著作権情報が表示され、続いて通常の起動画面(Welcome to Macintosh.)が表示された後、Macintoshのデスクトップが表示される。

MAE起動画面
MAEを終了する場合は「特別」メニューから「システム終了」を実行すればよい。
● MAEツールバー
MAEウィンドウ下部には「MAEツールバー」が表示されている。

ツールバー上のボタンは左から順に、以下の操作を行うことができる。
・フロッピーディスク/CD-ROMをマウントする。
・画面の任意の部分を選択し、クリップボードにコピーする。
・X11アプリケーションからテキストや画像を取り込む。
・X11アプリケーションへテキストや画像を書き出す。
・マウスポインタの動作範囲をMAEウィンドウ内に制限する。
・ツールバーのヘルプを表示する。
また、MAEウィンドウ内の任意の場所でマウスの第3ボタンをクリックすることで、ツールバーと同機能の「ツールバー・メニュー」を表示させることもできる。ツールバー・メニューでは、ツールバーの表示/非表示を切り替えることも可能である。

● MAEウィンドウ
MAEのデスクトップは、起動ディスクが「/」で表示されていることや、ユーザーのホームディレクトリへのエイリアスが置かれている等、A/UXのデスクトップとよく似ている。

「Xクライアント設定」コントロールパネルで指定したX11アプリケーションは、ターミナルを使用せずにFinder上から起動することも可能である。

その他、「ファイル」メニューでファイルのパーミッションを設定できたり、「MAE一般設定」コントロールパネルでUNIXの不可視ファイルをFinder上に表示するかどうかを設定できるなど、通常のMac OSとは異なる部分がある。


こうした細部での相違を除けば、通常のMac OSとほぼ同様に使用することができ、Mac用アプリケーションも特殊なものを除いてほとんどのアプリケーションが動作する。

MAEでハイパーカードを動かす
● 最後に
UNIX環境とMac OS環境の統合を目指したA/UXが、UNIXとしてはやや特殊な存在であったことと比較して、MAEはわりと「普通のエミュレータ」である。
HP-UX版とSolaris版しかリリースされなかったが、他環境への移植も比較的容易だったはずで、もしMAEの開発が続行されていれば、Linux上でMac OSを動かすことも可能になったかもしれないと思うと少し残念な気もする。
しかし、MAE自身は短命に終わったが、そのエミュレーション技術はMac OS X ServerのMacOS互換環境(BlueBox)を経て、Mac OS XのClassic環境に生かされていることを思えば、MAEの開発は決して無駄ではなかったと言えるだろう。
参考資料
・MAE 2.0 plus for HP-UX(日本語版)プレスリリース(1995年8月)
・日本語MAE 2.0 プレスリリース(1996年5月)
・Apple Open System Reports No.14 「日本語 MAE2.0、オープンシステムのための仮想Macintosh」(1996年9月)
・MacWEEK:MAE 3.0ではエミュレーション性能が2割向上(1996年11月)
・MacWEEK:米AppleがMAEの開発を中止(1998年6月)
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