信州児童文学会の作家たちの新著
あづみ野 明科の民話
あづみ野児童文学会の手による、9冊目の安曇野関連の民話集。
『竜の子太郎』の原型となった泉小太郎の話も載っている。
創作民話も交えた全28編。
言霊師どーも 転校生と図書室のヒミツ
伝奇ミステリー・シリーズ第一弾の本作は学校の図書室が舞台。
果たして謎の正体は? 一緒に考えてみましょう。

どんぐり いっぱい こうえんで みつけた
ともだち みんなは りすに あげた
みんなが あげても ぼくは あげない──後略──
男の子は、なぜあげなかったのか? その答えは詩集の中に。
子どもたちを見つめる確かな目が、暖かな光景を鮮やかに表現してくれる。
『子どもにおくる詩の本』の一冊として出版された、なかざわりえさんの詩集。

木曽を舞台にした、宮口しづえの短編童話集。
このほど生誕100年・没後15年を記念して出版された。
4つのグループ(童話集「ミノスケのスキー帽」より選んだ作品/
木曽御岳山麓の児童を題材にした作品/「とうげの旗」に掲載した作品/馬篭の子どもたちを題材にした作品)に分けられている。
やさしく語りかけるような文体で、子どもから大人まで楽しめて心に残る作品ばかり。

5分で読める41編のポカポカ童話。
”童話(児童文学)が、もっとも童話らしくあるのは、できるだけ短いお話にある──”(あとがきより)
そんな作者の熱意が凝縮された作品ばかり。平易な文章の中に、人をそして社会を見つめる「まなざし」を感じる。
名目は「5分間童話」だけど、1〜2分もれば一作読める。残りは余韻に浸る時間。
読み聞かせや朗読にも向いている。いつも手に届く場所に置いてほしい一冊。

高橋忠治詩集。
作者の年賀状には必ず詩が書いてあり、50年分のそれらをまとめた一冊。
我が子を思う親の心、子として亡き親を思う心、社会に対する静かな怒りなど様々な詩があり、
全体としてとても暖かな詩集になっている。

きっかけは、中山晋平が「憲法音頭」を作曲したと知ったことだった。
作詞:サトウハチロー、歌唱:市丸でレコードにもなった「憲法音頭」。(付録としてCDに収録)
有名な人たちが関わっていながら、なぜ「憲法音頭」は忘れられて(消えて)しまったか?
膨大な資料と取材を通してその謎を探る作業は、戦後を検証する旅へと変わってゆく。
児童書ではないが、難しい本でもない。
具体的な史実も幾つか取り上げられているので、平和憲法を学ぶきっかけになる一冊。

副題として「5分で読める41編のメルヘン」と書いてある。
どの作品も800字という制限の中で書かれているので、2〜3分程度で読める。
1話に1つのイラストが付いていて、作品を読みながらイラストを鑑賞してもいいし、イラストを見ながら想像をふくらませてもいい。
読み方いろいろ、活用の仕方いろいろの掌編作品集。

中学一年生のカンナと亜矢は、バドミントン部に所属し、ダブルスを組んでいる。
大会へ出るためには、まず校内のライバルに勝たねばならない。
事情があって朝練に来ない亜矢と、もっともっと練習をしたいカンナ。二人の間には、風が吹き始める……。
お互い、自分にないものを妬ましく思う気持ちと、それによるすれ違い。思春期における微妙な心の揺れが描かれている。
カンナの心に吹く色んな「風」を作者は「花信風」、「青風」、「花妬む風」、「霧風」などと表現している。
こうした自然現象を表す言葉に興味を持ってほしいとの願いも、感じられる作品。

かなちゃんは、ダンス上手のれいこさん(おばあちゃん)が大好きです。れいこさんも、かなちゃんが学校から帰るのを楽しみにしています。
とっても仲良しの二人ですが、そのやさしさがうっとうしくなることもあります。
ある日かなちゃんは、れいこさんを傷つけることを言ってしまいました。れいこさんはしょんぼりして、ダンスをする気をなくしてしまいました。
二人は仲直りをして、れいこさんはダンスの発表会に出ることができるでしょうか?
ほのぼのとして、ドキドキして、ホッとする作品です。低学年向けの一冊。

長野県の上田、佐久地方に伝わる民話53編が、作者の足で稼いだ解説とともに掲載されている。
この土地には、どうしてこのような民話が残っているのか?
取材の中で明らかになる時代背景と、民衆の魂の声。
生活に根ざした文学のたくましさや息の長さも見えてくる。
知識としてのおもしろさと、平易な文体で書かれた民話のおもしろさ、
さらに一話ごとに写真や地図もあり、大人から子どもまで楽しめる一冊。

作者と暮らす猫たちの日常を、母猫「ミーちゃん」への手紙という形式で書いたエッセイ。
幸せなときも辛く悲しいときも、賑やかなときもひとりのときも、家庭の中に猫たちがいる。
飼い主とペットという垣根を越えて、一緒に暮らす者同士のぬくもりが伝わってくる一冊。
猫たちの写真(内申書)も付いている。

石井十次──明治初期、孤児を救うために、人生のすべてをなげうって福祉に捧げた男。
貧富の差が大きかった時代、ある意味恵まれていた環境に育った彼が、軌道修正してまでも孤児院建設に没頭したのはなぜか?
幼少の頃から始まり、数々のエピソードを中心に彼の生涯がつづられている。
きれいごどだけの伝記ではなく、人間を愛することの意味を描いた物語。
小学校高学年向け。
なお、『現代ぷろだくしょん』による同題名の映画は、以下のページ参照。
映画「石井のおとうさんありがとう」公式ページ

ピアノを習ったことがあるという理由で、合唱コンクールのピアノ伴奏をすることになった、主人公『果菜』。
彼女は一生懸命に練習したものの、当日は緊張のあまり大失敗をする。それをクラスの皆が非難してるように感じ、学校へ行かれなくなる。
もがけばもがくほど、ますます引きこもってしまう。
物語は、たけのこ館(工芸館)を中心に展開する。
ある時は自分を責めながらも、懸命に自分を探している。そうした人々とふれあう中で果菜は、誰の力でもない自分の力で立ち直る。
リアルで感動的で、心に残る作品です。お勧め!

SFミステリーは著者がかつてより興味を抱いている分野だ。
物語は、女子大生夕子が、海外旅行先で陶器の「黒猫」を手に入れたところから始まる。帰国後、夕子はその作者を訪ね、それが不思議な運命への入口となる。夫・澄夫と、二人の間に生まれた娘・美紀。一家は、選ばれし者ととして生き残るための、壮大な『お受験』に巻き込まれてゆく──。
人間社会には競争がつきまとう。個人レベルのものから国家単位のものまで。その競争は、科学の発達と無関係ではない。過ちに気づき、一家は人間性を取り戻すことができるのか? それとも、敷かれたレールの上を走り続けるしかないのか?
物語は、この10年間に社会で起こったできごとをちりばめながら、過去から現代を経て未来へと向かってゆく。
大きなメッセージが根底に横たわっている力作。
児童書ではなく大人向けの300枚。もちろん、中高生が読んでもおもしろい。

鬼遊び、鬼渡り、鬼なめ、鬼百合、鬼歯、鬼火。鬼をテーマにした、7話からなる短編集。
容赦なきまでの美(鬼)と醜(人間)の対立が見事に描かれている。
穏やかな文体であるがゆえに、よけいずっしりとした重みを感じる。
小学校5〜6年生向けの作品。
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| もうひとつのピアノ 山崎玲子 画 狩野富貴子 国土社 1300円 |
民話の森・童話の王国 和田登 装丁 酒井隆志 オフィスエム 4800円 |
竜馬にであった少年 いぶき彰吾 絵 小林葉子 文研出版 1300円 |
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| りんろろん 高橋忠治 画 こさかしげる かど書房 1300円 |
少年椋鳩十物語 宮下和男 絵 北島新平 理論社 1500円 |
赤いヤッケの駅長さん はまみつを 絵 岡村好文 小峰書店 950円 |
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| 悲しすぎる夏 和田登 絵 和田春奈 文溪堂 1600円 |
虹の糸 北原幸男 え 小林葉子 飯田共同印刷梶@1500円 |