その夜
こどもたちはねしずまっていた
とつぜん、四つのプロペラをうならせて
とてつもなく大きな飛行機が
五つか六つ空をよこぎっていった。
太いどうたいからばらばらとおとされた黒いかたまりが
町のあちこちの家の屋根にあたって火をふいた。
夜があけて
町は半分ほどやけてしまっていた。
学校もガラスがわれ
ところどころのかべがこげていた。
先生たちはこどもたちのぶじをたしかめに
ぶすぶすくすぶる町の中をかけまわった。
だが、ただひとり
四年生の女の子のゆくえがとうとうわからなかった。
日がくれて
校庭のまんなかでわかい女の先生がうずくまって
ゆびで地面をほっていた。
われたつめの先には女の子の名まえが
ふかくふかくきざまれていた。
それからひと月たって
戦争は終わった。
(おわり)
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