二十曲峠の旧道を探して
忍野村内野と都留市鹿留川流域とを結ぶ二十曲峠。
立派な鹿留林道が完成してから時は大分経ちますが、旧峠道の存在を探るべく訪れてみました。
以前に、立ノ塚峠と二十曲峠間の尾根を歩いた時から鹿留側の様子が気になっていたのです。
山肌を痛めつける林道や不粋な送電鉄塔が目に入るものの、
まだ深い自然がそこには残されていると感じたからです。
尾崎山、文台山、ハガケ山、御正体山、前ノ岳、中ノ岳、奥ノ岳、日向峰、石割山、
楢尾山、鹿留山、杓子山、倉見山らの峰々に、ぐるりと囲繞された鹿留川流域に
なぜか心が強く惹きつけられるのです。
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| 林道完成後の地形図では、鹿留側に旧峠道の記載は見られません。 旧峠道が現林道のようなコース取りをして鹿留川本流の谷筋に下降していたとは あまりに遠回り過ぎて考えられません。 林道はあくまで車のための道であり、人間の足はもっと合理的な道筋を選択し、 それを辿っていたに違いないと思われます。 |
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| 林道完成前の地形図を見ると、鹿留側に破線道の表記が見られます。 この破線道が旧峠道なのでしょうか? 破線道は二十曲峠からと、その北方p1221の北鞍部(細尾峠?)からと、二筋見られ、 それぞれ谷筋を下降した後に合流し、p1088の北側谷筋を経由して 鹿留川本流に出ています。 また、二十曲峠からの道はもうひとつ別の経路があり、 |
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| さらに古い地形図を見てみると、このp1088支尾根を越える道しか描かれていません。 p1088支尾根を越えて、p1088東側の谷筋を下降し、鹿留川本流に出るのが、 かつての峠道だったと推測されます。 |
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| 主要な道の記載しかない古い5万図を見てみると、その道筋はハッキリとしています。 やはり峠から一旦谷筋へと下った後、山腹をトラバース気味に進み、 p1088支尾根を越えて、その東側の谷筋を下降して鹿留川本流へと出るのが かつての二十曲峠の道筋であったようです。 果たして、この道筋は今でも拾うことができるのでしょうか? |
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| 峠は無人、空気は冷たく、パンツ一丁になってズボンを履き替えると身が縮こまる。 玲瓏たる富士の姿に感動しつつも、その背後の遥かなる南アルプスの山並みに目を奪われる。 雪の南アルプス縦走の山旅に比べたら、これから行おうとしている行為のなんと小さなことか・・・ 旧峠道があるかどうかも知れぬ、しょぼい谷筋に足を踏み入れようとしている。 誰からも見向きもされず、評価もされない愚かな行為に、ある種の快感を覚える怪しい遊び。 これは病気なのかもしれない。 忍野村側へ下る土道には「新名庄川橋→」と書かれた小さな標識が立っている。 |
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| 鹿留側の峠直下は石積みになっていて飛び降りるには高いので、 一旦、林道支線のゲートを潜り抜け、回り込むようにして峠直下へと向かいます。 ケモノ道を利用して峠の真下へと出ると、そこにはかつての峠道らしき道跡を見ることができます。 不法投棄のタイヤなどが転がっているものの、どうやら峠道の痕跡に違いありません。 これは案外、容易に旧道を拾えるのかと期待が高まりますが、数メートルばかり進んだところで、 早くも高密度の笹ヤブに行く手を塞がれてしまうのです。 いきなりヤブ漕ぎは嫌だと、峠上に舞い戻り、攻略法を再考します。 林道に架かる橋の名前は「石割橋」とありますが、沢の名前は書かれていません。 【サアタマノ沢】 |
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| 沢に入るとすぐに一つ目のコンクリ堰堤が姿を現わします。 難無く越えると、堰堤基部には古い石積みなどが見られ人間臭さが漂います。 またすぐに二つ目のコンクリ堰堤をむかえますが、これも難無く通過することができます。 第三堰堤はコンクリ造りではなく石積工法で築かれていて、通過は左岸の笹ヤブをくぐります。 次なる第四堰堤も石積堰堤で、それを過ぎると右岸に植林地が現われます。 実はもうこの頃には、早くも正確な現在位置が把握できないという情けない有様で、 |
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| 第五石積堰堤を右手から越えると、そのまま明瞭な道と接続します。 植林造林地の看板があり、そのまま本流に沿って下降する道と斜上して支尾根を越える道とに分れます。 この斜上する道がp1088へ向かうトラバース道の始まりではないかと期待しますが、 支尾根を越え、右手から流入するやや大きめの支沢へと入ったところで道は消滅してしまいます。 ケモノ道で支沢を詰めてみますが、手掛かりを得ることができません。 支沢対岸の植林尾根がp1088尾根のひとつ手前の張り出し尾根に思えるのですが、 |
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| 本流に戻り、明るい沢の下降を続けます。 このままでは旧峠道の探索ではなくて、単なる沢下りになってしまいますが、それもまた一興です。 この沢(サアタマノ沢?)の流れは清らかで、人間界を想起させるゴミもなく、なによりも静かです。 中流域からマーキングを目にするようになりますが、これは釣り人の目印でしょうか? |
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| 前方にはp1088らしきシルエットが浮かんでいます。 しかし、トラバース道の発見はできなかったのですから、いまさらその高みを目指す気も起きません。 釜を持つ奇麗なナメ滝なんぞを通過して、ささやかな沢旅気分を満喫します。 p1088基部手前の右手支沢に足を踏み入れ、トラバース道にぶつかるという対応策も考えましたが、 p1088基部を回り込むと谷幅は広がり、沢は一層明るさを増します。 |
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| 植林地内にのびる水平道入口に設置された植林造林地の看板には、 この場所が字(あざ)「トビゾオリ」という地名であることを教えてくれています。 (鹿留川本流右岸の文台山近くの峰にも「トビソーリ」と呼ばれている地があるので、 「トビゾオリ」は固有名詞ではなく、「焼畑の飛び地」を意味した普通名詞ではと考えられます) p1088北側の山腹に付けられた水平道は、林道完成前の地形図にしるされた破線道そのもので、 水平道を辿るにつれ、沢の流れは下方へと遠ざかっていきます。 |
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| 鹿留川本流(この付近はまだ外寄沢か?)を飛び石で渡り、林道へと飛び出します。 こんな場所に出るのかと、新しい小さな発見と無事に谷筋から脱出できた安堵感に頬が緩みます。 林道からは対岸に道が存在しているようには見えません。 結果、二十曲峠の旧道を辿ることができたのかと問われれば、「?」マークですが、 さてここから林道をテクテクと歩いて二十曲峠まで戻らなくてはなりません、これが一苦労。 |
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| 外寄沢上流域には、黒光りする大きな滝や釜を持った美しいナメ滝があり、 夏場の水遊びには最適な場所があります。 幕営が禁止されているかは知りませんが、テントと焚き火で一夜を過ごすには楽しそうな場所です。 外寄沢橋を過ぎると、ググっと爪先上がりの勾配が増し、林道は高度を上げてゆきます。 路肩に雪の残る北側斜面の日陰に入ると、身震いするほど寒く、小さな滝などは凍てついています。 |
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| 林道からは御正体山、鋸刃、ハガケ山へと続くギザギザの山稜を望むことができます。 顕著なトンガリピークがハガケ山なのでしょうか?いつかこのギザギザ山稜を歩いてみたいものです。 そして、林道からは常に鹿留山のどっしりとした重量感ある山容が望まれます。 鹿留山北尾根は前々からの課題ですが、これまた歩く機会がこれまでありませんでした。 鹿留川流域には多くの課題が手付かずのまま放置されています。 途中、林道から直接にp1088へ向かうことも考えましたが、もう時間的に手遅れです。 二十曲峠旧道の全容は依然として謎に包まれたままです。 |
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(峠行2009.02.19) |
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古い地図には鹿留川に沿って 「林用手押軌道」の文字が見られます。 手押軌道とはどういったものなのでしょうか? トロッコのことでしょうか? レールなど当時の遺物が残されていないか |