熱海さんぽの峠A
桜峠・あせび峠・かえで峠・馬の背峠・リンボウ峠・軽井沢峠・池ノ山峠
* 園内の峠 *
| 前回、十国峠(日金山)を歩いた帰りに、その前を通り過ぎてしまった「姫の沢公園」内に 幾つかの峠が隠れていることを知り、訪れてみることにしました。 同公園のホームページに載せられている公園案内図には、 「桜峠」、「あせび峠」、「かえで峠」、「馬の背峠」という4つの峠名と、 「リンボウ峠」という峠らしからぬ怪しい名前を見ることができます。 |
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| 公園前の無料駐車場に車を乗り捨てて、園内4ヵ所の峠を実際に巡ってみましたが、 現地には峠名をしるした標識もなければ、峠の雰囲気もイマイチで・・・・残念。 園内にはフィールドアスレチックが設置されていて、運動不足解消に訪れるにはいいのかも。 入園無料で一日楽しめるのだから、花の咲く季節に再び訪れてみるのも悪くはない。 |
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| 「リンボウ峠」の「リンボウ」とは、リンボウダンスのことのようで、 鉄棒のようなバーを体を反って通過するアトラクションのようなんですが・・・・ なぜこれが「峠」なのかが謎であります。 さて、体のアイドリングはこの程度にして、本題である軽井沢峠の探索に出掛けます。 |
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* 根府川路の峠 *
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| 姫の沢公園から熱函道路を歩いて、軽井沢峠へのびる地形図破線道の熱海側起点である つつじヶ丘上部の鷹ノ巣山トンネル口を目指します。 熱函道路は以前は自動車専用道路だったらしく、歩行には全く適さない道路で、 つつじヶ丘団地からの山道は着実に峠方向へとのばされているようでまずは安堵します。 |
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| 送電線巡視路は小さな沢を渡り、プラスチック製の急登階段のジグザグで斜面に取り付き、 p660から派生する小尾根に建つ送電鉄塔へ向けて続いています。 巡視路に被る笹はきれいに刈り払われていて、難なく歩行することができますが、 手入れを怠ると、きっとすぐに笹の海に飲み込まれてしまうことでしょう。 本来の峠道は、伊豆スカイラインの開通により峠道が分断されてしまったことによって、 p660から派生する小尾根に建つ送電鉄塔は「初川線12」で、 |
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| 急登に喘ぎ、刈り払われた笹に足をとられながらも、 確実に高度を稼ぐしっかりとした道筋に安心し、背後を振り返ると、眼下には熱海市街と 相模灘の青い海原が望まれ爽やかな快感を覚えるのです。 上方から耳元に自動車の走行音やバイクのエンジン音が届き、伊豆スカイラインの接近を知らせます。 これから向かう軽井沢峠ばかりではなく、丹那峠(滝地山峠)、七曲峠、上多賀峠、名振峠、 |
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| p660には地形図に見られる電波塔は無く、稜線上には明瞭な切り開け道が続いています。 かつては熱海峠から玄岳にかけての山稜は漫ろ歩きを楽しむ人気コースとして、 ガイドブックで紹介されることが多かったようですが、不粋なスカイラインの出現は ハイカーの足を遠ざけてしまったようです。 古いガイドブックや資料などを見ていると、p672三角点「鷹ノ巣山」に「滝地山」の名を与え、 p660から迂闊に幅広の刈り開け道を進んでしまうと「グライダークラブ滑空場」に行き当たり |
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| 地形図の軽井沢峠の破線道が、その途上に建つ送電鉄塔で二分されて稜線に到達するうちの 南側の一本は、地形図の情報通りにスカイラインに達していて、巡視路の入口となっています。 ここも軽井沢峠の一角ということになるのでしょうか? 地形図には函南側へと下る破線道も描かれていますが、 伊豆スカイラインを挟んだ向こう側に、そのような道の痕跡は認められません。 ただ笹ヤブが密生しているばかりです。 小山を挟んだ北側のもう一本の破線道に向かって、スカイラインを少し歩かせてもらうと、 |
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| 数メートルばかりヤブを掻き分けて土手を下ると、たっぷりとした峠の凹みと、 大きな木の根元に祀られた二体の石仏が峠の訪問者を優しく迎えてくれたのです。 すぐそこを有料自動車専用道路の伊豆スカイラインが走り抜けているにもかかわらず、 素敵な峠の雰囲気を保ちながら軽井沢峠は残されていたのです。 享保三年相州吉浜村の銘の入った一体の石仏と、 |
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| 「熱海街道根府川通り」とは「根府川路」のことで、『熱海市史』には次のように記されています。 「三嶋より田方郡大場、平井、軽井沢を経て、熱海峠を越え熱海に入る。 【*1】 小田原道の山寄りの道である、伊豆山神社から鳴沢、稲村へと至る道程に「礼拝堂峠」という峠がある。 |
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| 「根府川路」は古来から日金山信仰の道として開け、東海道整備以前は箱根越えの 重要路の一つとして栄えていたようです。 それを示すかのように函南町軽井沢へとのびる道の様子は幹線道を思わせる立派なものです。 よく見ると丸石の敷き詰められた一応の石畳となっています。 峠に祀られた享保三年の石仏は道標を兼ねているようで、 「左ひが祢 右あたみ道」(左日金山 右熱海道)の文字が刻まれているのを確認できます。 丁度この峠が日金山と熱海とのジャンクションになっていたようです。 往時の「根府川路」の様子を知るには 「旧根府川通は姫ノ沢の道標から山道が続く、途中では山腹の縁を利用した道になっており、 |
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| 軽井沢へと向かう道の様子、雰囲気があまりに良いので少し下ってみることにします。 峠からすぐの所に「地蔵堂跡」といわれる小広い場所があり、そこには二体の石仏が祀られていて、 そばには「二十七丁」と刻まれた丁目石が置かれています。 この場所には井戸の跡もあるといいます。 丁目石は日金山への参詣路を示すものなのでしょう。 「この日金山へ通ずる道は現在では利用者が全くないが、 信仰の道としてばかりではなく、物資輸送の道として、 「間宮、大土肥、平井、鬢ノ沢、軽井沢を経て日金山東光寺に登る道であって、 軽井沢側に数百メートルばかり歩みを進めてみると、 |
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| 峠から再び伊豆スカイラインを横断し、駐車場の端から地形図熱海側の北側の破線道が 送電鉄塔初川線10号の巡視路として口を開けているのを見出します。 急な斜面をプラスチック階段で下ると、初川線11号に至る巡視路との分岐を迎えます。 ここは分岐を直進し、幅広の明るい刈り払い道を気持ち良く進みます。 |
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| 幅広の刈り払い道から初川線11号の鉄塔を望むと、確かにそこまでは道が確認できますが、 それより先は笹の海に覆われています。 峠道の本道はやっぱり深い笹の海の底に沈んでいるのでしょうか? 前回、熱海梅ラインのヘアピンカーブ部分から進入した際に引き返してしまった |
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| ● 「熱海さんぽの峠@」(七尾峠・泉越峠・十国峠・熱海峠)のレポートを見る ● 「熱海さんぽの峠B」(丹那峠・タケの道の峠・ミズアラシの峠・りんどう峠・佐治山峠?・七曲峠?)のレポートを見る |
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* 盆地を結ぶ峠 *
| 姫の沢公園の駐車場へと戻りますが、日没までにはまだ時間があります。 せっかく熱海に来たのだから温泉で一風呂と、正常な一般旅行者は思うところですが、 愚かな峠マニアは、さらに峠を欲張ります。 次に目指す峠は、池ノ山峠。 地形図「網代」図幅の左上、函南町南箱根ダイヤランドと韮山町の大沢池とを結ぶ峠で、 玄岳の西方鞍部p563が池ノ山峠になります。 熱函道路を飛ばし、鷹ノ巣山トンネルを潜り抜けて移動します。 住宅の切れ目で車を乗り捨て、未舗装道をしばし歩けばp563の西方の小山となります。 |
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| 下り着いた鞍部が池ノ山峠なのでしょう。 峠名をしるした標識や石造物などは残念ながら見当たりません。 「1.私有地に付立入禁止 2.大沢池での釣り、遊泳禁止 3.火気厳禁(タバコの投げ捨て禁止)」 と書かれた看板が無愛想に立てられているのみです。 土地を買い占めて、ゴルフ場や別荘地にするつもりでしょうか? 大沢池方向も近年伐木されたようで、赤旗が随所に立てられ、ゴルフ場のカップに挿された 旗のように風にはためいています。 この峠を訪れてみたいと思ったのは、『庶民列伝』(野本寛一著・白水社・2000年)に収められた 伊豆東海岸の「東浦路」、伊豆中央部の狩野川沿いの「下田街道」など知名度の高い道とは別に、 峠を越えて嫁ぐ日の様子を同書では次のように記しています。 「昭和五年十月五日、午後三時に家を出て、峠に着いたのは四時ごろだった。 峠を過ぎたところは大沢原という草地で、その真中に大沢池という美しい池がある。 これを読むと、峠を越える花嫁一行の姿が目に浮かびます。 |
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| 丹那から浮橋へと池ノ山峠を越えて嫁いで来たみつさんという女性の 「峠の思い出」として次のようなことも語られています。 「盆地である浮橋から他村へ通ずるには、当然峠を越さなければならなかった。 峠を越えなければ生活が成り行かなかった盆地での暮らし、 峠から浮橋側へと下ってみると、今でも神秘的な雰囲気で水を湛えている大沢池の 歩く人が無く笹ヤブに埋まってしまった峠道なら、また刈り払えば峠道を復元することは可能ですが、 |
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(峠行2009.01.26) |
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