地蔵平のブナ

 

西丹沢大又の地蔵堂の前階段で拾い集めたブナのタネが芽を出した。

春に大きな双葉を出し、あれよあれよと成長し、
夏には15cmほどにまで成長した。
鉢植えじゃなければもっと成長は早いのかもしれない。

当初は大きくなったら地蔵平に植えに戻ろうとも思っていたが、
成長するにつれ愛着もわき手放すのが惜しくなってきた。

自宅で鉢植え盆栽にしようと思う。
ブナの寄せ植えは盆栽の定番らしい。

数本成長しているので
秋に葉を落とし休眠期に入ったら、
樹形を整え寄せ植え盆栽にしようと思う。

立派な盆栽に仕上がったら画像を公開しようと思うが、
それは数年先、数十年先のことだろう。

実を落としたブナの母木は
もう何十年あの地に根をおろしているのだろうか?

消えてしまった大又の集落が
活気に溢れていた時代の様子を眺めていたに違いない。
村人に慕われていたブナの大木なのかもしれない。

今は消えてしまった廃村大又の生活を見続けてきた
語る口をもたない公証人。

その母木の遺伝子を
鉢植えのブナの幼木も引き継いでいる。

遺伝子のどこか片隅に
大又集落の記憶が刻まれているのかもしれない。