★ ふらふらと犬巻峠へ

犬巻峠・大峠・小峠?


貫ヶ岳・中沢登山口


「中沢峠」を中沢側では「中河内峠」としている

前々から気になっていた犬巻峠と大峠に行ってみました。
行ったと言っても、ついでの折に自動車で通り過ぎただけですが・・・・

二つの峠は地形図「篠井山」図幅の右隅、貫ヶ岳の北西に位置し、根熊と万沢をつなぐ途上にあります。
少し前の地形図では両地域を結ぶ道は破線道で描かれていましたが、
現在は舗装された県道日向宿線で結ばれています。
宍原塩出線から北進し、貫ヶ岳の中沢登山口を偵察してから日向宿線へと入りました。

貫ヶ岳の中沢登山口は車を止めるスペースはありませんが、
貫ヶ岳登山口を示す指導標識と登山案内看板が設置されています。
中沢公民館の脇が登山道の入口で、公民館のトイレがハイカーに開放されています。
備え付けられた登山者記帳ノートを見ると、公共交通機関の便が悪い割には、
結構歩かれている方が多いようです。


日蓮宗に入信しようかと思った

公民館前の掲示板には、今月の日蓮宗のお言葉が掲げられ、心を打たれました。
「幸福だけの世界はどこにもない」とは、まったくもってその通りです。
どちらかというと、世界は不幸に満ちていて、幸福のカケラすら見出すことは容易ではありません。

一瞬、日蓮宗に入信しようかとも思いましたが、「幸福だけの世界はどこにもない」なら、
「生きること」にこだわることもないのではと、鬱々たる気持に襲われもします。


<推定> 犬巻峠

道幅の狭い日向宿線に入り、うねうねとした山腹道を登ると、
平治の段から貫ヶ岳の山並みが迫力を持って望まれます。
富士ロイヤルカントリークラブ沿いを通過し、ちょっとした広場があるところが犬巻峠と思われます。
峠名を記した標識や看板はありませんから、地形図から判断するしかありません。
『山梨の峠』(小林栄二著)でも、ここを峠としているので間違いは無いでしょう。
峠という雰囲気はなく、石仏や祠も見当たりません。
「犬」もいなければ、「槙」の木も生えていません。

『甲斐路・ふるさとの道』(山梨日日新聞社)の「大峠道」の項には次のように書かれています。

   「東根熊からの小道が出合う標高190mの地点が小峠である。
   山腹を大きく迂回して標高308mの鞍部が大峠で、峠の東は天子山地の山脈に
   一際高く富士の秀峰が聳え、西は標高897mの貫ヶ岳が望まれる眺望絶佳の峠である。
   大峠をさらに南進すると、山地に静かにたたずむ大城の集落がある。
   さらに南進すると標高325mの犬巻峠に続き、陵草地区の杉山・梅ヶ島。
   中沢、日向などの集落を経て静岡県に通じている。
   ・・・・万沢宿は、国境の口留番所が置かれた宿場町であり、交易の町であったので、
   福士川流域の人びとは、万沢宿や富士川対岸の十島に出るのに、
   西行峠越えの道よりも、大峠越えの道がはるかに近道であるとして利用していて、
   郵便配達や行商人の人々も足繁く往来したという。」


<推定> 大峠

こんな山の奥所にも人の生活があるのかという思いを抱かせる大城の集落を過ぎると、
地形図上の大峠となります。 ここにも峠名を記した看板や標識はありません。
『山梨の峠』によると、付近には石仏があるようですが、残念ながら見落してしまいました。
犬巻峠や大峠は、万沢宿からの道を実際に足で歩いてみなければ、峠の持つ本来の滋味を
味わうことはできないのかもしれません。

福士川流域の人々はこんなさびしい峠道を越えて、万沢宿や富士川対岸の十島に
出掛けていたのです。富士川街道(国道52号線)を行くより、たとえ困難な山越えであろうとも
山峡に暮らす人々は距離が短い合理的な道筋を選択していたといえます。

大峠を下って現われる集落が小峠の集落なのでしょうか?
村人の姿がありませんから訊ねることもできません。

根熊と万沢をつなぐ県道はバイクや自転車で走る分にはいいかもしれませんが、
普通車では道幅が狭すぎますし、ガードレールが無い所が多くヒヤヒヤさせられます。
冬期は除雪作業などしてくれるのでしょうか?


白根の温泉に浸かる

富士川流域の目ぼしい日帰り温泉は入湯し尽くしているので、
南アルプス市まで国道52号線を北上です。
自称「日本有数の高いアルカリ性温泉」である白根桃源天笑閣に入ってみましたが、
「本当に高アルカリ性なの?」という疑念を抱きつつも、心地好い汗を流して帰路に着くのでした。