地形図の峠

 

眺めていて楽しい地形図がある。

1/50000地形図の「甲府」「丹波」「上野原」「五日市」や
1/25000地形図の「正丸峠」「市川大門」はお気に入りの地形図だ。

トイレに入って座っている時など、
地図を見ていると、あきないし時間が経つのも忘れて、
肝心な用足しが疎かになるときもある。

ことに、先に挙げた地形図には、
多くの峠がちりばめられていて見ていて楽しい。

どんな峠なのか、その麓の人々の生活はどんなものなのか、
集落の様子は、今も生きている峠道なのか などと、
想像し、夢膨らますことは実に愉しい。

実際、地図で見つけた峠を訪ねてみて、
期待はずれでがっかりすることもあるが、
予想外に良き峠に巡り合うこともある。

地形図に載っていない新しい林道や開発に出くわして
時にはがっかりし、やるせなくもなるが、

かすかな踏みあとを辿り、
国土地理院地形図から抹殺された峠が、
まだ生きている峠であったと知り悦びを得る時もある。

地形図販売では「上高地」「穂高」「秦野」「八王子」あたりが
よく売れているそうであるが、
さて、峠マニアに愛用されている人気の地形図といったら
どこだろうか?興味あるところである。

どこそこに行きたくて地図を用意するというのが一般的ではあるが、
地図を見ていて、どうしてもここを訪れてみたいと思うことも
しばしばあるものだ。

なにかおもしろそうな地形であったり、
美しい名前の集落であったり、
期待できそうな峠であったり、
に惹きつけられて足を運ぶに至ることも多い。

そんな地を見つけようと地形図片手にトイレで座り込み
次回峠行の地をひねり出すのもわるくない。