森戸川流域の丘陵へ・大山林道の惨状

 南中峠(六把坂)と辻の神峠の眠る森戸川流域の丘陵を訪れました。
この時季の定番ですが、今回は気になることがあっての訪問です。

気になることとは「三国峠」なる峠の存在を確認することです。
『逗子市内の地名調査報告書』という本を見ていたら森戸川の上流域にその名が記されていました。
地図は大雑把だし、詳しい説明がないので詳細は判りません。
「三国峠」とは、山字名でしょうか?通称でしょうか?


『逗子市内の地名調査報告書』 逗子市教育委員会 より


葉山温泉
背後に見える山は、二子山

長柄から川久保交差点へ向かう途中、
前から通過する度に気になっていた葉山温泉を覗いてみました。

温泉といっても「温泉スタンド」でした。
泉質はナトリウム塩化物・炭酸水素塩(アルカリ性底張性冷鉱泉21.3℃)
で水素イオン濃度pH8.9と高く、皮膚の表面を柔らかくし、
慢性皮膚病に効果が高いそうです。
特にアトピーに効能があると謳っていました。
20リットル100円也!!


いつもより厳重な大山林道入口ゲート

大山林道入口に自転車を止めて、いよいよ都会のオアシスへ。
アレレ、いつもよりゲートの封鎖が厳重だ。
何かあったのだろうか?

「大山林道通行禁止」とあるが、
そんなことは以前からのことではないかと、先へ進みます。

(今思えば、どうやら歩行者も通行禁止という意味だったようで)


ゲ!倒木に埋め尽くされている

ゲート向こうのガケが崩れたようで、
ガケが大幅に削られ土石を撤去した跡が見られます。
ははぁ、この地点が危険だから「通行禁止」の看板なのか・・・
と思い、さらに先へ進むと、

「ゲ!なんじゃこりゃ!」という有様で倒木が道を埋めています。
凄まじい数の風倒木です。

いったいこの惨状は・・・どうしたことか?
前回訪れたのが、ちょうど一年ぐらい前、
その時は何でもなかったのに・・・
そうすると昨年秋の台風の仕業か。


数十メートル進むごとに倒木だ

引き返そうかとも思ったが、
踏み跡は倒木をすり抜けて続いていますし、
倒れてから時が経っているようなので先へ進みます。
この先の実状も知りたくなりました。

特に前半の倒木はひどく、数十メートルごとに現れます。
既に倒壊してしまったものは割と安定していますが、
中途半端に倒れかかったものが大変危険です。
見上げると、そんな寄り掛かった木々が無数にあります。


三浦縦貫道手前の沢を渡り南尾根に
登る道は倒木に埋まり危険で侵入できない

これは早めに南尾根に上がってしまおうと、
三浦縦貫道手前の沢を渡り、
沢筋溯上コースに入ろうとしましたが、
小沢は倒木に埋め尽くされ、
とても足を踏み入れることができる状態ではありませんでした。

こりゃ、復旧には数ヶ月以上かかりそうだ・・・

台風が過ぎてから、大分時が経つが、
きっとゲート近くのガケの崩壊撤去だけで、
時間が過ぎてしまったのだろう。


道も削られ森戸川に落ちている場所も

なおも先に進むと、林道の路肩が清流森戸川に
崩れ落ちている場所もあり、かなり悲惨。

ここも路肩を固めないと、この先の倒木現場、崩壊現場まで
重機を運び入れることができない。
そうすると、復旧は1年以上かかるかも・・・・。


倒木だけでなくガケごと崩れている箇所も

倒木だけではなく、
崖もろとも崩れている場所が随所に見られます。

雨の降った翌日や、風の強い日は
絶対に近づかないほうがよいでしょう。


堰堤手前の切通し風の場所は土石流で
道が狭まる

堰堤手前の切通し風の場所は、脇の小沢から土砂が
押し流されてきていて道を塞いでいます。

肩幅ほどの隙間を縫って通過することになります。

こんな都市近郊の丘陵地帯でも土石流は発生するのですね。


堰堤横はガケ上から倒木が滑り落ちている

堰堤横の高いガケの上からも倒木があり道を塞いでいます。
ガケの状態が不安定で、落石注意ポイントです。

堰堤上の河原は無事に生き残っていました。

こんな惨状とは露知らず、ここまで来てしまいましたが、
はっきりと「歩行者の」通行も禁止とした方が
いいかもしれませんね。

林道終点には、これから林道に向かう人への
注意案内が何もありませんでした。
逆コースを歩く人が事前に危険情報を知ることが
できないのは問題かもしれません。
特に高齢者や家族連れが多いコースだけに事故が
起きなければいいのですが。


林道終点の南尾根入口

さて、林道終点からどうしようかと思案。

南尾根に登り、ぐるっと回り中尾根の峠に再会して
下りてくることに決定。

南尾根は現地標識によると「連絡尾根」と呼ぶらしい。
味気ない名前だ。
ここはやっぱり「逗子葉山国境稜線」と勝手に呼ぶことにする。


南尾根合流点にある標柱

林道終点から逗子葉山国境稜線に出たところにある標識には
「連絡尾根の頭」という名前が標されていた。

それにしても設置されている標識の文字が、
尽く消されているのはなぜだろう。

間違ったことが書かれているとも思えないが、
なんの恨みがあって消されているのだろうか?

RFすることの楽しみを奪われたことに対する報復だろうか?
汚らしいことこの上ない。


上山口分岐
ここが三国峠だろうか?

問題の「三国峠」はどこだろうと考える。

もしや、標識設置者が三国峠の標識も設置したのでは
ないかと思っていたが甘かった。
そんな物はどこにもない。


畠山分岐
ここが三国峠だろうか?

「三国」というくらいだから、逗子・葉山・横須賀の三地域が
接する所だと思われる。

現地のそれらしい分岐は、
上山口分岐・畠山分岐・田浦分岐であるが、
三地域が接する分岐は、どうやら畠山分岐らしい。

とりあえず畠山分岐を推定・三国峠としておこう。


乳頭山三角点

乳頭山から横須賀・横浜の海を眺めてボーッとしていたら、
大型船の汽笛がボーッと鳴った。
しばし恍惚としてしまう。

田浦の梅林がきっと見頃の時季だろうが、
帰路の自転車走行の体力を
残しておかなければならないので、中尾根へ進む。


田浦分岐
ここが三国峠だろうか?

見晴らしの良い送電鉄塔の下で、
コロッケパンひとつの食事をしたが、
鉄塔の塗装塗り替え工事でペンキ臭いので、
早々と撤収する。


辻の神峠

中尾根の可愛い峠達である辻の神峠と南中峠に再会。

『かながわの峠』(植木知司著・かもめ文庫)に
掲載されている峠である。


南中峠

両峠とも変わりなく、静寂に包まれた雰囲気のいい峠だ。
都会に近いのに、こんな豊かな自然が残されている
のは奇跡的なことだ。

きっと逗子池子の森もこんな自然に囲まれているのだろうな。
返してくれないかなアメリカ様・・・。


六把坂

南中峠から羊歯植物が光り輝く六把坂を下り、
南の沢水平歩道を辿り再び林道終点へ。

南の沢水平歩道(勝手にそう呼んでいる)や
中の沢沿いの道を歩いていると太古の昔を
彷徨っている気持になる。
チョロチョロ流れる水の音や羊歯植物の雰囲気が
どうも恐竜時代を連想させる。

いつまでも残して欲しい都会の中のオアシスだ。

●.帰りに逗子市役所に立寄りました。

 以前市役所で貰ったポスターサイズの1/10000の観光マップがボロボロになったためです。
 この地図は二子山や森戸川流域はもちろん、鷹取山や仙元山や桜山のハイキングコースも
 書かれていて便利でした。
 しかし、残念なことにその地図の配布は終了していました。
 その代わりとして(?)A3サイズのあまり役に立たない陳腐な1/17000の地図を配布していました。
 それより少しグレードの良いものは50円で配布しているとのこと。
 どこの地方自治体も財政難のようです。
 こりゃ、大山林道の復旧には相当時間がかかりそうだ。

● 初めて訪れた時の辻の神峠と南中峠レポを見る
● その後の辻の神峠と南中峠、大山林道の様子を見る

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