「八重山ハイキングコース」と「上野原遊歩道を」を歩く
能岳峠(向風峠)
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| 上野原市の「八重山ハイキングコース」の整備が進んだと聞き、 久し振りに能岳(能竹山、向風山)を訪れてみることにしました。 あわせて、市街地背後の丘陵部を縦走する「上野原遊歩道」も歩いてきました。 この丘陵部から能岳一帯の小山の連なりを含めて「後山丘陵」と呼ぶことがあるようです。 『上野原町誌(中)』(上野原町誌刊行委員会・昭和50年)の中では、 「上野原地区商店街北側に開けた丘陵で、 この計画が今も生きているかは定かではありませんが、 能岳の南鞍部で山風呂・西原と丸畑・先祖を結んでいた能岳峠(向風峠)は、 |
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『上野原町誌』(上野原町誌編纂委員会・上野原町役場・昭和30年)で |
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| 【能岳峠】 海抜542.7m、字西原又は山風呂より先祖、丸畑部落に通ずる峠で、向風山の東に位して、 其峯通りには並木の老松が茂り風致に富んでいる。 【向風山】 【大平山】 【八重山】 【秋葉山】 【金比羅山】 【久善寺山】 【保福寺山】 【根本山】 【カラス尾根】 【虎丸山】 |
『山小屋創刊号』 「三頭山より三國山まで−甲・武国境山脈−」(岩科小一郎著)の |
| 能岳から脈は二岐して、一は境川に沿ふて後山峠に至り、境・後山両川の合流点に終わるもの、 一は上野原町の背後に丘状をなして終わるものである。 前者は能岳峠、大越路峠をその嶺中に通じて居る。 後者は虎丸山(480m)大小路山(440m)保福寺山(440m)根本山などを並列させて居るが 一般に此の連丘は後山と称して個々の山名はあまり重要ではない。 |
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ゴルフ場が造成される以前の地形図 |
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| 旧版地形図では「向風山」とありますが、現行版地形図では「能岳」と記載されています。 「能竹山にしても、一昔前まで2万5千図に「向風山」と記されたが、今では「能岳」に変わった。 『山と高原地図』(昭文社)では、「能岳」の他に、「能竹山」、「向風山」の名が併記されています。 「能岳峠」の名前は、旧『上野原町誌』に記載されているので正式な峠名と思われます。 |
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「八重山ハイキングコース」を歩く 山風呂〜虎丸山〜能岳〜上野原中学校 |
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| お昼に上野原に到着し、スーパー公正屋で80円の牛乳と88円のオムスビで侘びしい食事です。 人間の腹を満たすたびに財布の腹は減ってくる。 両方の腹が常に満たされることはないのでしょうか? 財布の餓死を防ぐためバスには乗らず、テクテク歩いて、大堀、新井のバス停を過ぎると、 左手には北都留森林組合の事務所や光電製作所という工場を迎えます。 工場の前で右折して、山風呂集落から虎丸山の西面に取り付くのが、 上野原市の発行している「八重山ハイキングマップ」にも掲載されているルートです。 地形図の破線ルートでもある山風呂集落からの取り付き点は、 上野原市が観光に力を入れて、ハイキングマップまで配布しているのだから、 |
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| この山風呂沢左岸の取り付き点が最も分かり易いし、 山風呂バス停の目の前にあるのだから正式な登山口にすればいいのにと思います。 ちなみに「山風呂」という珍妙な地名は、 『上野原町誌』によると「山ふところ」の意味ではないかとしています、ホントでしょうか? 山の温泉らしきものはありませんから、「お風呂」の「風呂」ではないのでしょう。 民家裏手から辿る山風呂沢左岸の道は藪もなく、踏み固められた路面もしっかりしています。 小社裏手から植林地内のジグザグを登ると、今度は幅広で安定した本道と思しき道に合流します。 正規ルートとの合流点には、 |
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| 天気予報では「朝晩は肌寒いほどで、長袖がいいでしょう」などと言っていましたが、 真夏並みの太陽光線に乾燥が加わり、暑さと喉の渇きに苦しめられます。 ひたいの汗を拭くのに立ち止まる度に、ヤブ蚊の猛襲を受けるので長袖は正解でしたが、 気温は上昇を続け、持参のペットボトル1本では心許ない気がします。 山風呂沢源流部の外縁を地形図の破線の通りグルッと巻き込むように進みます。 |
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| ここはひとまず虎丸山に進んでみることにします。 虎丸山も「八重山ハイキングマップ」に載ってはいるものの、 山頂へ向かう道が整備されているという感じは無く、倒木などがほったらかしになっています。 これはこれで自然のままなので、いいと思いますが、 整備の行き届いた自然公園をイメージして訪れると痛い目にあいます。 虎丸山手前の小さな鞍部で、うすい踏み跡が横切りますが、どこと繋がっているのでしょうか? |
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| 「虎丸」とは一体どういう意味なのでしょうか?気になるところではあります。 どちらにしても都会から近く、登りやすいという点で、 「寅年」には干支の山の登頂を目指す干支マニア登山で賑わうかもしれません。 虎丸山の山麓に伝わる昔話で「ハダカドリ」という話があるようです。 「ハダカドリ」は遊んでばかりいて、羽が少ないという自分自身の状態も考えず、 虎丸山から最前の虎丸山分岐に戻ろうと、急斜面を下ったところで見事にコケました。 |
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| 虎丸山分岐から能岳に向けて、今度は東面の大越路沢の源頭部を巻くように進みます。 能岳西尾根に乗ると、不快な夏草が道を隠すことはありませんが、 女郎蜘蛛の巣があちこちに仕掛けられていて気が抜けません。 昔は松の老木の並木があったようですが、ナラやクヌギ、カエデ主体の林の中に、 ひょろっとした細い幹の松が天に伸びているのをポツンポツンと見るばかりです。 能岳西尾根からは北面に分岐する作業道のような踏み跡が確認できますが、 |
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| 山頂へは松の倒木の目立つ自然林の中を登ること数分で辿り着きます。 伐木された松の多くは松喰い虫の被害を受けたものなのでしょうか?痛々しい有様です。 能岳周辺の松林は、昔から有名で旧『上野原町誌』には「能岳の並木松」として紹介されています。 【能岳の並木松】 昔は、老松のほかに「夫婦石」という見所もあったようです。 能岳の山頂は灌木に覆われ相変わらず展望には恵まれませんが、 |
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| 山頂から腐った木製階段を南へと下ると観音様が優しい表情を浮かべて佇む能岳峠です。 この石仏があるからこそ、標高の低い能岳にも風格が生まれるというもの。 「享和二戌五月九日 西原村施主 高橋某」の銘が刻まれています。 「能竹山登り口」分岐で右折した道が合わさり、十字路を形成していますが、 |
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| 峠には「八重山ハイキングコース」の標識と「特定猟具(銃)使用禁止区域」の赤い看板が ありますが、峠名を標した物は無いので手製標識を立木に取り付けます。 旧『上野原町誌』に記されている峠名ですから「能岳峠」との呼称に間違いはないと思います。 昔の峠道を越えたことのある古老でもいらっしゃれば当時のお話を伺ってみたいものです。 |
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| 峠から能岳南尾根を南下し、次のピークに立てば「八重山山頂530.7m」の標柱があります。 時折、東麓のゴルフコースからは「ナイスショット」の声が聞こえてきますが、 努めて西面に意識を集中するようにして、ゴルフ場の存在を忘れることにします。 山頂には東屋があり、日陰で一休みしますが、風はムワッと暑苦しく意識が朦朧とします。 八重山から次なるピークに建つ展望台に向かう途中、下山路が分岐しますが、 |
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| 展望台手前の小ピークには、真新しい石碑が建てられ、 「水越八重さんの心が息づく八重山」と題された碑文が刻まれています。 「この八重山は、1929年(昭和4年)に地元の水越八重さんが 顕彰文に続いて「ふるさ櫻讃歌」という歌詞も刻まれています。 |
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| 展望台からの眺めは頗る良好で、張り出したウッドデッキが開放的です。 ここがビアガーデンだったらとも思いますが、渡る風は心地好くやっとクールダウンができます。 五感の森の「五」、「桜」、「星」、「紅葉」をモチーフにデザインしたという展望台はお洒落です。 虎丸山から歩いて来たグルリの尾根が見渡せ、紅葉の時期であったならば、 さぞかし艶やかであったろうと想像されます。 西には要害山、雨降山、権現山、高指山、不老山、扇山を望み、 「五感の森・モニュメントの鐘」なるものが設置されていて、果たして必要なのか疑問もありますが、 |
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| 展望台から大越路沢への下降路は整備され過ぎた感があり、ちょっとガッカリです。 下降には幾本かのルートがあるようですが、 随所に設置されている案内図に従えば迷うこともありません。 自然林を切り倒し拡幅されたハイキング道沿いには、「五感の森」のコンセプトに合わせ、 誰もが安心して歩けるハイキングコースになるということは、 |
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「上野原遊歩道」を歩く 秋葉山〜根本山 |
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| 八重山ハイキングコースから出ると、上野原中学校の門前です。 東へ折れる道は「八王子道(甲州裏街道)」で、大越路峠を越える道となります。 それとは逆に小沢地区側へアスファルト道を少し進むと、「上野原遊歩道」の入口があります。 「←秋葉山」と「←上野原遊歩道」の標識が設置されているので見落とすことはありません。 秋葉山へは墓地の外縁をグルリと周って取り付くルート取りがされていて、 |
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| 蜘蛛の巣を払いつつ、ガードレールを埋め込んだ階段を登ると秋葉山の東屋ですが、 とても休憩する気にはなれません。ヤブ蚊も多く陰の妖気が漂う暗い感じです。 秋葉神社の鳥居はくぐらず、そのまま巻き道から根本山に向けてすぐに歩きはじめます。 途中地形図の破線である羽佐間の分岐もありますが、 |
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| 「上野原遊歩道」のことを「上野原アルプス」と呼ぶ人もいるとかいないとか、 どう見ても「アルプス」というより単なる「裏山」の域を出ません。 蜘蛛の巣に注意しながら尾根を進むと、巨大な水道施設が現われ、その脇を通り抜けます。 水道施設より先、道は轍の残る林道となり、 |
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| 根本山に向けて再び細い山道となり、小ピークをひとつ乗り越えると、 日大明誠高校分岐の四辻となり、これより先の道は完全な林道歩きとなります。 「工業団地」「日大明誠高校」「根本山」の標識があり、それぞれの方向を指しています。 峠状ではありますが、ここにも現地名を記したものは何もありません。 本日最後の訪問地である根本山は、 「国道20号、上野原駅→」の標示に従いペットボトルのお茶を口に含みながら下山を開始した時、 |
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| 根本山から住宅地に出た所に「上野原遊歩道」の案内標識は無く、 上野原市観光協会がハイキングマップを配布して宣伝している割には不親切です。 上野原幼稚園脇の道を通り抜けると、国道20号に面した「やまろく種苗店」の脇に出て、 山風呂から虎丸山、能岳に登り、八重山、展望台を経て上野原中学校に下る。 |
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(峠行:2009.09.08) |
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| ● 以前、能岳(能竹山)を訪れた時のレポートを見る。 【*1】 『八重山と水越八重さん』 上野原町教育委員会 平成3年 【参考文献】 八重山ハイキングマップ『八重山 五感の森』 上野原市・上野原市観光協会 2009年3月 |
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