六本松峠

不動山と高山の鞍部が六本松峠。
かつては名の通り、六本の大きな松が聳えていたというが今はその姿はない。

周辺は一面の梅林とみかん畑で、西方は箱根、小田原の展望が良い。
梅の季節は曽我梅林も見渡せ見事な眺めである。
源頼朝が上洛する折や富士の巻狩りなどの際にはこの峠を越したという。

曽我物語の曽我十郎がこの峠を越えて、足繁く大磯の「虎御前」のもとに通った話は有名で、
六本松峠を語る時にはかかせない話となっている。

峠は江戸時代、箱根を越えてきた大山道がかかり、
また第五番飯泉観音・勝福寺から第六番飯山観音・長谷寺への巡礼道でもあった。
現在、巡礼者の姿はなく、中高年のハイカーとみかん畑での作業にと軽トラが快走するのみだ。
十郎と「女」のロマンスをよそに「軽トラ」が農道を駆け上がる。

【参考になる文献】

『かながわ坂のある風景』 小松茂弘 かもめ文庫
『かながわの峠』 植木知司 かもめ文庫
『峠と人生』 直良信夫 NHKブックス
『峠路を行く』 蜂谷敬啓 高文堂出版