★ 白石峠旧道敗退
道志温泉--白石峠旧道探索--白石峠新道--白石峠--水晶沢ノ頭--シャガクチ丸--バン木ノ頭--撫の森キャンプ場--道志温泉
久しぶりに丹沢へ行きます。
ダニやヤマビルに恐れをなし足が遠のいていたのです。
恐れというより、気を遣い過ぎて精神的に疲れてしまうのがイヤなのです。
最近、ウチの庭に野良猫がやって来て糞をして困ります。
糞も困るが、ノミを運んでくるのはもっと困ります。
ノミの痒さは強烈なのです!
ウチに居てノミに刺されるくらいなら、
山に行ってダニの取り付きを甘んじて受けようと、
覚悟して白石峠の旧道探索に出掛けました。
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| 少し昔の『山と高原地図』(昭文社)には白石峠道志側の旧道が破線道で描かれています。 昔の峠は十字路を成し、西丹沢白石沢と道志村室久保川筋とを結んでいたのです。 しかし、現在は峠から道志側に下る道は見受けられず、ケモノの通う頼りない踏み跡が 細々と笹ヤブを分けてつけられているのみで登山標識も道志方向には何も表示されていません。 峠から道志側へと下るには、加入道山方向へ少し行った先にある分岐から下ることを強いられます。 |
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| 国土地理院発行の地形図にも峠と道志側とを結ぶ道が破線で描かれています。 しかし、その径路は『山と高原地図』とは微妙に異なっているのです。 そして峠自体の位置も異なり、現峠南方のp1307の小頭に破線道が達しています。 これは一体どういうことなのでしょうか? (最新版の地形図ではp1307へと続く破線道は抹消されています) ネット検索をすると、旧道探索を試みた物好きな人は結構いるようで、 【関連ページ…白石峠資料室】 |
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| 地理調査所時代の古い地形図も見てみましたが、これはまるっきり役に立ちません。 あまりにも小尾根や沢筋がアバウトに表現され過ぎていて、理解に苦しむ代物です。 ただ、どちらかといえばその描かれた道筋は『山と高原地図』記載の旧道径路に近いものと言え、 尾根の鞍部に破線道が到達しています。 先ずはともあれ現地へと赴き、久し振りの丹沢、久し振りの山歩きを楽しむという気軽なノリで、 |
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| 朝10時、道志温泉第二駐車場に車を乗り捨てます。 温泉利用者以外の駐車は禁止ですが、下山後にひと風呂浴びれば立派な利用者なのですから 長時間駐車をなにも憚ることはないでしょう。 身支度を整え、バス停脇の甲州(公衆)トイレで用を済ませて秋とは思えぬ暖かさの中、 久し振りの登山靴の重さに歩行感覚を取り戻せぬままに歩き始めます。 温泉から歩いてすぐの場所に「白石峠・加入道山登山口」を示す看板分岐があり、 |
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| 舗装路から山道へと入り、次第に体が馴化していくのが分かります。 肺の中へ清爽な空気を取り込む度に、体が馴化するとともに精神が浄化されてゆく気がします。 横浜市の水源整備事業林帯を抜け、開けたら自動的に閉まる鹿柵の扉を二箇所通過します。 バネの力で自動的に閉まる鹿柵扉は画期的な発明に思えますが、 鹿クンが軽く鼻先で扉を開けて、容易に鹿柵を通過している姿が想像されもします。 先日もファーストフード店の扉を開け閉めして店内に出入りする野性の熊の映像がテレビで 放送されていましたので、鹿クンだってこの程度の防御柵は簡単にクリアしてしまうことでしょう。 オオアリクイだって扉を開けて脱走するのですから動物達の知能をナメてはいけません。 紅葉にはまだ早い林の中を沢音を耳にしながら進むと旧道との分岐でもある東屋に到着です。 |
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| 「やがて登りついた尾根先で、道は左上に尾根筋を登るものと、 右に山腹の斜面を横切って辿るものに分岐する。 ここが俚称、下峠といわれ、白石峠は上峠と呼ばれている。 左に登る道は山道で、右に斜面を横切る登るともない道が白石峠に通じるものだ。 「やがて登りついた小尾根の先で道は左上に尾根筋を登るものと、 ここは右に斜面を横切るゆるい登り道をとっていく。 古いガイド本の記述を見ても、どれも似たり寄ったりで、前代の記述を踏襲しているに過ぎません。 |
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| 道は笹に埋まることも無く、先ほどまでの登山道と変らぬ良好な状態を維持しています。 山仕事に入る人には今でも利用されている道のようです。 しかし、そんな状態も長くは続かず、右手を流下する沢床が次第に近付き、 平坦な地形になると道は曖昧になってきます。 「横浜市水源涵養林」の標柱が立っているので、 |
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| ゴロ石涸れ沢から離脱し、右手に派生する沢とも、単なるガレともとれる斜面に、 ケモノの足跡を追って、なぜか取り付き始めてしまうのです。 このガレ気味な斜面に人間の辿った痕跡はまったくないにもかかわらず、 気付くとかなりの急斜面、不安定な岩の堆積も見られかなり危険な取り付きです。 |
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| ズボンには無数のダニの取り付き・・・・。 それもただのダニではなく、ミクロ級の小さな小さなダニが数えきれぬほど取り付いているのです。 ギョッとして、慌ててこれを軍手で払うとさらに悲惨です。 ミクロ級のダニたちは皮膚に喰い付こうと軍手の粗い縫い目から内部へ侵攻を試みてきます。 大物のダニは爪で弾き飛ばして、ミクロ部隊は無関心を決め込んで自然落下を待つのが得策です。 息を殺し、熊の潜んでいそうな岩穴前を通過して、急斜面の登行を続けます。 結局、密ヤブ地帯でのダニとの戦いを回避する口実をいろいろと見つけては、 |
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| 今まで一時間近くかけ登りつめた斜面をゴロ石涸れ沢地帯まで駆け下り、あらためて仕切り直しです。 しかし、ゴロ石涸れ沢を遡っても、踏み跡やテープ類といった先人の痕跡は見出せず、 この先進展するようには思えません。 仕方なく、ゴロ石涸れ沢に入る手前の二俣までさらに退却し、 もう一方の水流のある沢筋へと踏み込んでみます。 するとそこには炭焼釜の石積み跡があり、その脇から涸れ沢とも、道ともとれる凹状の道(?)が 二俣を分かつ小尾根上方へと伸びているかに見えるのです。 しかしながら、笹の繁茂は相変わらず激しく、探索意欲は既に萎えた状態です。 |
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| せっかく久し振りに山に来たのだから尾根には出ようと、旧道分岐の東屋まで急いで引き返します。 東屋で侘びしい昼食にありつき、出発は13時、結局は午後からの登山になってしまうのでした。 白石峠へ向かうため現在使用されている一般ルートは快適そのもの。 一般道にダニの心配はありませんが、それにしても蝿が執拗にまとわりつくのには辟易します。 |
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| 峠に到着するや、すぐに道志側の斜面の様子を覗いて見ますが、明確な踏み跡は確認できません。 心許ない一条の鹿道が笹を分けて下降していますが、これを拾ってみる気は到底起きません。 峠には「白石峠」と書かれた標識があり、 「モロクボ沢ノ頭3.5km 加入道山0.6km 用木沢出合3.8km」と三方向に行き先表示がなされています。 もちろん、道志側の斜面に向けては何の表示もされていません。 峠から道志側斜面の様子について、 白石峠は「お茶煮のコシッパ」との別称もあるようです。 「峠道は十字をなし、北へ登れば加入道山、東へ下れば大理石の沢として有名な白石沢、 「苔生した岩」「深い樹林帯」、道志側の旧峠道はそんな姿を呈している(た?)ようです。 |
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| 峠で休憩していると、加入道山から仲睦ましい年配のこれまたアベックが降りてきました。 ベンチでひと休みし用木沢へと降りていきましたが、きっとこれから下山後に中川温泉の湯を浴び、 おいしい物でも食べるのだろうなどと、これまた勝手に想像を膨らまし、羨ましく思ってしまうのです。 若者アベックも年配アベックも皆下山してゆくのに、こちらはこれより甲相国境尾根の南下を開始です。 |
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| 昔、この付近の甲相国境尾根のヤブは深く、笹の密叢帯として登山者から恐れられていたようですが、 今ではその面影はありません。笹は奇麗に刈り払われて手入れがされています。 尾根筋の神奈川県側寄りには、まだ設置されて間もないと思われる鹿柵が並行して設けられています。 尾根道に沿って旧東西ドイツを分けたベルリンの壁のように延々と鹿柵は続きますが、 夕暮れが近付き、ひと気の無い山中の単独歩行は心細くなってきます。 甲相国境尾根には小さな起伏がいくつかあり、どれがシャガクチ丸か判断が難しいのですが、 古いガイド本には「シャガクチの丸」について、 |
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| 小さなキレットを通過するとバン木ノ頭で登山標識とテーブルが設置されています。 「バン木」は「番木」と書くようですが「ハンノキ(榛の木)」の意味でしょうか? それとも山を見守る番人が木に登って盗伐を見張っていたことに因むのでしょうか? バン木ノ頭は小さな寂峰ですが、木々間から加入道山が望め、なかなか良い雰囲気に包まれています。 時間は15時を回っています、秋の日は釣瓶落としですから、深入りは禁物です。 |
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| バン木ノ頭から野外活動センターへと下降する小尾根は栂の巨木林が見事で好ましい尾根です。 西に傾いた陽を受ける巨木の威風堂々たる姿がとても良い雰囲気を醸し出しています。 麓のキャンプ場が整備をしているのか「畦ヶ丸ハイキングコース」などと書かれた標識も転がっています。 ヤブや難場もなく、登り下りが苦にならないようにジグザグも切られているので歩き易い道です。 しかし、よく見ると所々に白ザレの谷が口を開けているので注意を怠ってはなりません。 尾根下部の手入れの行き届いた植林地内をジグザグで降り着いた谷底は「ひのき前頭」との分岐点。 久し振りの山歩きで腹回りの肉が多少落ちたかと思ったのも束の間、 |
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(峠行2008.10.04) 【参考資料・関連ページ】 ● 白石峠資料室 |
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| 道志村の貴重な観光スポットである「的様」には、 以前訪れた時には無かった「的様の水」なるものが引かれていました。 車で乗り付けてポリタンクで水汲みのできる施設もできています。 設置看板によると、2008年4月に「的様を守る会」などの手により完成したとあります。 しかし、煮沸せずに飲料に適するのかどうか肝心なことは書かれていません。 |