山の食事

 

なぜか洋服箪笥の一番上の引出しが
レトルト食品の貯蔵庫となっている。

各種フリーズドライ、アルファ米、パックのお餅、
カップラーメン、サンマの缶詰、インスタントのお汁粉まである。

もちろん、お泊まり山行用だが、
最近は長期縦走や泊り掛けで出掛ける機会も減り、
それらを消費するヒマもない。

以前は日帰り山行でも、
ガスコンロとレトルト食品を持っていったが、
今やコンビニや99円ショップの目覚しい普及で、
パンやオニギリ等の入手は容易となった。
お金さえあれば深夜、早朝でも食糧確保に困ることはないので、
専らこれを利用している。

コンロにコッフェル、そして食料となるとそれだけでも荷が重い。
山中での調理や水の確保も面倒だ。

時として、昼食を食べてから山に入ることもあるのだ。
そうすれば余計な荷を担ぐ必要もない。
究極の荷物軽減法だ。

ただし、これは荷は軽いが体が重くなるという欠点がある。

どこにでもあるコンビニの出現は山での食事の様相を大きく変えた。
前夜作ったオニギリをアルミホイルに包んで持っていくことなどもはやしない。
自分で作った“握り飯”より奇麗にパックされた“オニギリ”の方がどうみても衛生的だ。

山での食事は、無論、愉しいものである。
自然の中で調理することも、食べることもである。
しかし、時間に余裕が無いときは割愛するのも止むを得ない。

そういえば、コンロで沸かしたコーヒーを
峠で一杯すするなんてこと、
近頃ご無沙汰だなぁ〜

歩きながらパンをかじるなどして、
最近は“ゆとり”というものがなくなってしまったね。

ところで、箪笥の引出しの豊富な食糧。
これだけあれば地震が起きても二、三日は食料には困らない。

テントや寝袋などのアウトドアグッズは
いざという災害時の非常用に使えるものが多いが、
箪笥の食糧倉庫も立派な非常食備蓄倉庫となっている。

ただし、どれもこれも賞味期限が過ぎているのがいささか気にかかる。

地震で生き残っても、
腹痛で命を落としてしまっては話にならない。

在庫を一掃する為にも
長期縦走に出掛けたいものである。