★ 大タギレから巌道峠へ
安寺沢・・・金波美峠・・・p803大船小舟・・・池之上・・・大タギレ・・・巌道峠・・・安寺沢
| 巌道峠旧道を歩いた時に気になった大タギレを訪ねます。 古い地形図には巌道峠から大タギレを経て神野集落とを結ぶ破線道が描かれています。 この巌道峠のサブルートとも言える径路が現在どうなっているのか探ってみます。 |
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| 安寺沢の旧分校前に車を停めて身支度を開始、下流からサクサクと歩いてくる単独行の青年。 春の陽気に誘われて、清流に釣り糸を垂れる人、MTBで峠越えを目指す若いカップル、 咲き誇る春の草花に囲まれた庭の手入れをする老人の姿。 桜咲く山里はささやかな賑わいを見せています。 大タギレへどこから登るか、前々から目をつけていたのが、池之上の西尾根です。 |
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| こんなマイナーな尾根を誰も登るまいと思いながら足を進めると、 前方を歩く先ほどの単独行の青年が、その取り付き点から山へと吸い込まれていくのです。 「オヤ?同好の士がいるのか」と、後に続いて山道に入ると、 背後から「何処に行くのかね?」と、山際に建つ民家のオヤジさんの声が掛かります。 「ハァ、尾根を歩いて大船小舟に行こうと・・・」、ヤバイ、私有地だったかと恐る恐る返答すると、 私有地なら致し方ありません、通行禁止にするにはそれなりの理由があるのでしょう。 青年といっても多分、同年代くらいのX氏は中央線沿線にお住まいということで、 少しだけ残っている金波美峠旧道の土道を二人で歩いて峠に到着。 |
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| 金波美峠からp803へと向かう尾根道は意外にも歩かれているようで踏み跡は明瞭です。 私有地で歩くことのできなかった尾根道(踏み跡アリ)を合わせ、緩やかな起伏を登るとp803に到着。 秋山村が設置した村内案内図(県道にアル)では、p803には「大船小舟」の名が与えられています。 正確に何と読むのか、なぜ「船」と「舟」の字を使い分けているのか、疑問点はありますが、 注意された民家のオヤジさんには「オオフネコブネ」と言って通じたのだから、 大体そんな感じでムニャムニャと発音すれば良いのでしょう。 山の中に船、舟とは妙ですが、付近の地形から察するに、 |
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| 肩掛けカバンからクリームパンを取り出してパクつきながら池之上を目指します。 「船・舟」の次は、「池」です。共に水ものですが何か関係はあるのでしょうか? かつては山麓や山上に池でもあったのでしょうか? 近くの阿夫利山が雨乞いと関係があるので、この辺にも雨乞い池があったのかもしれません。 池之上は銃猟禁止区域の赤い看板が転がっているだけの何も無いピークです。 |
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| 池之上から笹道の切り開きの急斜面をしばし下降すれば、 本日の目的地である大タギレの小さな鞍部へと降り立つことになります。 踏み跡を隠す笹が煩わしいものの、想像していたほどの陰鬱さは無く、 |
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| 大タギレの東側は緩やかな植林斜面で、 西側は山抜けしたかのような崩壊ガレ斜面を呈しています。 タギレの真ん中を貫く道跡は見出せませんが、東側の植林緩斜面はどこでも歩けそうですし、 西側のガレ斜面も下って下れないことはなさそうです。 大タギレには焚き火の跡があるのみで、登山者向けの標識の類は皆無です。 正面の斜面には御牧戸山へと向かう微かな踏み跡が見られます。 |
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| 早速にこの水平歩道の痕跡に足を踏み入れますが、 最初の沢筋を通過する地点で、道跡はあっけなく消滅してしまいます。 この手の道筋の弱点は、やはり沢筋の通過にあるようです。 通行が絶え、道普請のされなくなった道は、度重なる大水で流され破壊されてしまいます。 止むを得ず、一旦沢に下降して道が続いているだろうと思われる地点に向けて、 |
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| 第1の沢筋崩壊箇所を冷静な判断でクリアすると、植林地の中に明瞭な道が見出せます。 なるほどこれは良い道だと実感でき、道志村久保〜巌道峠〜大タギレ〜秋山村神野とを結ぶ 山道に、かつては頻繁に通行があったのではと想像させます。 山中に張りめぐらされた道路網は、想像以上に発達しており、 |
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| 道は大きな岩場の張り出しを巻くような所もあり、 この大岩が「ガンドウ場」の名の起こりではないかとも思えてきます。 造林事業看板には「ー道場」の字名が記入されています。 |
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| 道を塞ぐ倒木や炭焼き釜跡の古い石積みなどを乗り越えてさらに先へと進むと、 第2の沢筋の崩壊個所をむかえます。 この崩壊箇所の通過は少々厄介で、谷筋に滑り落ち消えてしまった道の痕跡を拾って、 |
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| 危険な第2の沢筋崩壊箇所を通過すれば、再び道は歩きやすい明瞭な姿を回復します。 山仕事の人の手が入っているようで、枝払いの跡や間伐処理の様子が窺がえます。 地形図にも描かれた等高線の間隔の広い緩斜面に入ると、 |
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| この辺の造林事業看板には字名として「巌道場」の名がみられます。 先ほどは「ー道場」でしたが、「巌道場」と表記が変っているのはなぜでしょうか? 広い植林帯を抜け、雑木小尾根を乗り越すと、また明瞭な道となります。 |
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| 林道が越える以前の峠はカヤトの原だったといいますが、 この鉄塔台地にはどこかしらその面影が残っているように感じられます。 道志川の谷を挟んで正面には大室山の雄姿が大きく迫ります。 |
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| 鉄塔台地から見下ろす足元の斜面には、347送電鉄塔へと向かう巡視路が確認できます。 太陽の明るい光を浴びる気持ち良さそうな巡視路を歩いてみたくもなりましたが、 車を停めた安寺沢へと戻らなければなりません。 |
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| 鉄塔台地から降りた林道切り通し上の場所が旧峠の位置でしょうか? それらしき雰囲気は充分に漂っていますし、久保へと下る旧道らしき痕跡も見出せます。 しかし、久保側の旧道は林道によって分断されていることでしょうから探索意欲も湧きません。 前回、安寺沢側の旧道を探索したとき、峠の石碑前から下降した斜面を確認してみると、 |
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| 林道を歩いて安寺沢の集落へ降りることにしますが、 峠から少し下った所に、佐久間東幹線349鉄塔へ向かう巡視路入口がありました。 これを下れば谷筋に残る旧峠道に出ることは可能です。 もしかしたらこの巡視路自体も旧峠道の一部分なのかもしれないと思われます。 今回は旧道には出ずに、 |
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(峠行2008.04.12) |
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| 大タギレと巌道峠を結ぶ道は谷筋の崩壊箇所をクリアできれば通行可能です。 第2の沢筋の崩壊斜面トラバースは、ちょっと危険なので慎重さが求められます。 沢筋以外は危険な箇所はなく、概ね道迷いの心配もありません。 峠側から行くと最初の入り口が見つけにくいかもしれません。 また平坦な植林地帯では進路に戸惑いますが、山勘の働きどころです。 ちょっとした不安を抱きながら、冒険心を遊ばせる、 短いながらもワクワクドキドキする楽しいコースなのでした。 |