★厚木西山緊急訪問U

〜キケンな付け替え道を歩く〜

猟犬・電流柵・奥様ゴルファー・直登道など、なんでこんな道を歩かされなければならないのか!稜線道を返してくれ〜。


経ヶ岳から仏果山を望む

春の陽気に誘われて、再び荻野高取山を訪れました。
南主稜線の封鎖は相変わらずなされており、
付け替え道への迂回を強いられる
ちょっとキケンな山歩きでした。

雪はすっかり消えて、木々は芽吹きを待っていますが、
採石場の重機は唸りを上げ、
砂塵を高取山山頂まで巻き上げています。

南主稜線の市道は付け替えられましたが、
稜線に残る木々はどうなるのでしょうか?
植え替えられることなく、きっと殺されるのでしょうね。

半原越・・・(自転車移動)・・・美登利園脇登山口・・・付替え道・・・松石寺尾根・・・高取山・・・華厳山・・・用野越・・・経ヶ岳・・・半原越


半原越

半原越に車を置いて、
自転車で美登利園脇の三ッ沢切り通しまで移動します。

ポカポカ陽気のこんな日は、
西山はどんな表情を見せてくれるのでしょうか。

心地好い尾根道(市道)を採石業者に手渡し、
その代替に用意された道を今回は歩いてみます。


美登利園脇登山口

登山口に入って、すぐ、なにやら笹ヤブが騒がしい。
猿の群か?イノシシか?と思いきや、
一頭の大きな鹿が飛び出してきました。

体当たりされては大変と木陰に身を隠すと、
その後に続いて笹ヤブがガサガサ、ゴソゴソと。
これは鹿の大群の大移動かとカメラを構えると・・・
猟犬が徒党を組んでこちらに向かってきます。

あっという間に四、五頭の猟犬に取り囲まれてしまいました。
「俺は獲物じゃない!」と追い払うも、
大型の犬ばかりで少々ビビリました。


猟犬に取り囲まれる

ボクの臭いに撹乱されたのか、鹿の臭いを見失ったのか、
猟犬たちは右往左往しています。
大鹿は無事に逃げ失せたようです。

猟犬と前後しつつ小尾根に出ると、
飼い主が待っていました。
銃は持っていないようでしたが、腰鉈がキラリ。

「噛みつきませんよね〜?」と聞くと、笑っていましたが、
ボクには襲い掛からないという確信が持てませんでした。


付け替え道分岐

西山の雪はすっかり消えて、
照葉樹の濃い緑が春の光を受けて輝いています。
落葉樹も芽吹きを今か今かと待っているようです。

付け替え道分岐を右に折れて、
厚木市推奨のコース(市道I-779線)を辿ります。
直進して南主稜線(市道I-705線)を歩くことは、
もう永遠に出来ないのです。

付け替え道に入ると、
いきなり今まで登って稼いだ分以上に
下らされる羽目になります。
植林帯の中で、鼻水がダラダラ、クシャミ連発となります。


厚木市標界石

別に花粉症は厚木市のせいではありませんが、
なんだか真新しい標界石を見ていると、
憎らしくも思えてきます。

だからといって、標界石を引っこ抜いてはいけません。
測量法では「何人も、移転、毀損その他の行為により、
基本測量の為設置した測量標の効用を害してはならない。」
(22条)とあります。

いくら気に入らない付け替え道に憤激しても、
標界石や基準点を破壊してはいけません。
「2年以下の懲役又は5万円以下の罰金」となります。


付け替え道

小沢沿いの植林地を進んでいると、
また、右手前方の斜面が、ただならぬ雰囲気。
ガサガサ・・・%&#!!!
凄い勢いで獣が斜面から駆け下ってきます。

なるべく幹の太い杉の後に身を隠しましたが、
こちらに向かって突っ込んできます。
ヒェ〜!ヤバイぞ!


また現われた猟犬

何が迫ってくるのかと緊張していると、
また猟犬の登場です。
猛スピードで迫ってきましたが、
ボクの直前で急停止しました。

「俺は獲物じゃナイ!シッ!シッ!」と追い払いました。
遊ばれているのか、
それとも猟犬としての資質に欠けるのか、
真面目に仕事を果たしなさい!


眼前にゴルフ場出現

突然視界が明るくなるとゴルフコースに飛び出しました。
なんじゃ!この付け替え道は。
山歩きを楽しみに来て、
なんでゴルフコースを歩かされるのか・・・

舗装路(カート道?)には猟犬を運んできた車が止まっています。
車の下に隠れていた一匹の猟犬が、
またボクに迫ってきます。


愛想ふりまく猟犬

でもなんだか先の猟犬とは様子が違っています。
愛想を振り撒いています。
カバンのニオイを嗅ぎ、エサのおねだりです。

耳も垂れ、尻尾を股に挟んで服従の姿勢でしょうか?
そんなカワイイ顔しても君に上げるエサはないのだよ。

どこにでも調子のイイ奴はいると見えて、
このワン公は、猟を抜け出し、一匹でサボっているようだ。
(それとも車の見張り役か?)


ゴルフ場の電流柵

ゴルフ場との境界には、電流柵が張られています。
うっかりよそ見でもしていると引っ掛かってしまいそうです。
この道がハイキングコースの迂回路というなら、
「電流注意」の看板が、もう少しあってもいいのでは?

猟犬たちも、
ボクではなく、ゴルファーを追いかければいいのに・・・。

しばらくはゴルフ場に沿った道を歩きます。
景観的に嫌気がさすのは当然なのですが、
それにも増して問題なのは、
平日のオバチャマ(奥様)ゴルファーの腕前です。


猟犬も付け替え道を歩く?

腕が良いのなら、さして問題はありませんが、
OBを打ち込んで、ハイカーにケガ人がでることも
想像されます。

ここがハイキングコースの付け替え道というのなら、
ネット等を設置する必要があるのでは・・・?
それともヘルメットを被って歩けというのでしょうか?


松石寺分岐

カート道を離れて、
再び山の中に戻る地点は非常に判りづらいです。
注意していないと、
いつまでもゴルフ場沿いの道を歩くことにもなりかねない。

山道の入り口寸前に標識はあるのですが、
カート道にも標識が欲しいところです。

カート道(舗装路)は、どう見てもゴルフ場の
私有地のように見えますが、
市は通行使用料でも支払っているのでしょうか?
(それとも、ここも市道?)


松石寺を示す分岐の標識

再び静穏な山道に戻りひと登りすると標識があります。
そのまま、直上する踏み跡があるのですが、
その道は廃止されたようです。(市道I-519線か?)

しばらく標高差のない山腹の道を行きます。
また分岐があり、右手(ゴルフ場側)に下る道は
「行き止まり」とあります。
しかし、「松石寺下山口」との立派な標識もあります。
どちらが正しいのでしょうか?


「行き止まり」ともなっている

本当に「行き止まり」なんでしょうか?
「行き止まり」と「通行止」とは意味が違いますから、
通行はしてもよいということかな?

「行き止まり」ではなく、
民意を無視した市政運営に「行き詰まり」では?


石仏群

松石寺下山口の標識があった分岐からは、
登り一辺倒のきつい道となります。
(市道I-777線)

低山といってナメテはいけません。
結構歩き応えのある道です。

そろそろ一服という頃、石仏群が迎えてくれます。
十数体の石仏や石塔があります。
修験道の名残でしょうか?
荻野高取山は霊山の一面を持っているのかもしれません。

石仏群からも分かれ道がありますが、
標識はここでも
「行き止まり」の表示になっています。


ステップの切られた道

勾配はキツイですが、誰かが手入れをしているようで、
ステップが切られ歩き易くなっています。

樹林からの眺めも良く、
主稜線がだんだんと近づいてくるのがわかります。

山頂までに、二人の単独行者が、
それぞれお気に入りの日溜りを見つけて、
昼食休憩をしていました。

麗らかな春の一日、のんびりと里山を歩きたい。
そんな気持に応えてくれるのが、ここ西山なのですね。


高取山南主稜線分岐

やっとのことで急登を終えると主稜線に出ます。
もしや、過日の稜線封鎖は解かれているのではと、
淡い期待もありましたが、
前回と変わらずトラロープでしっかりと封鎖されていました。

数週間前、膝まであった雪は完全に消え去り
日に日に強くなる春の陽射しに尾根道は輝いていました。
もうすぐ訪れる新緑の頃も、是非再び訪れたいものです。


雪は完全に消えていた

そして、梅雨の頃も、真夏の頃も、紅葉の頃も、
落ち葉の頃も、雪の頃も、と一年を通して好きな時に
簡単に訪れることのできる里山は、もはや貴重な存在なのです。

山頂の三角点に腰を下ろして、しばし休憩。
今日のお昼は、いなり寿司(3個99円)也!

採石場の重機は唸り声を上げ、砂塵を巻き上げている。
上昇気流に乗って、山頂近くまで土煙が舞い登る。
ボクのささやかなランチタイムを邪魔しないでくれ。

華厳山方向から一組のハイカーが来たので、
三角点と山頂標識を明け渡し、再び歩き始める。


用野越(荻野越)

華厳山にも雪の名残は残っていなかった。

華厳山から植林の尾根を下降すれば、
経ヶ岳との鞍部である用野越(荻野越)だ。

鹿柵を跨ぐようにして脚立が置かれているのは、
以前と変わりがないが、鹿柵には大きな穴が
開いてしまっているので脚立の存在理由はもはやない。
法論堂と用野を繋ぐ道が越えているが、
仕事道といった感じで歩かれている様子はない。


経ヶ岳

鹿柵沿いの急登を一頻り我慢して登ると、
展望優れる経ヶ岳山頂だ。

愛川山岳会の立派な標識と、ベンチ、テーブル、
「丹沢の三角点」と題した案内板が設置されている。

三角点が置かれているだけあって見事な眺望だ。
丹沢核心部の雪も大分溶けてしまったようだ。


経ヶ岳直下の気持ち良い樹林の道

経ヶ岳から半原越への道もなかなか良い。
華厳山の眺め、仏果山の眺め、
丹沢核心部の眺めに加えて、
尾根道の樹林の佇まいが実に良い。

逆方向からだと階段歩きが苦だが、
今回は風景を愉しむ余裕があって楽々だ。

最後に短い植林の中の階段を下れば、
車を置いた半原越に出て今回の山歩きは終了となる。


「清川宝の山」の標柱

清川村の各所には「清川宝の山」の標柱が見られる。

「山を宝と見る」か、
ただの「土砂、砂礫の堆積物と見る」かは、
人によって、地域によって、随分と違うだろう。

採石行為も、見方によっては「宝」の恩恵を受ける行為だが、
それは一度きりでお仕舞いの受益行為である。
そして、その宝を手に入れ、利を得るのは一部の人に
限られている。

かけがえのない「宝」の使い道を誤ってはいないだろうか。

 

(2005.3.16)

また来ればいいワン!
案内するワン!

奥様ゴルファーの打ったボールの行方には十分注意するんだワン!
よそ見をしていると、電流柵にひっかかり感電するんだワン!
そうそうゴルフボールの他に、猟銃の弾丸にも注意するんだワン!

とってもキケンな付け替え道なんだワン!
でも厚木市推奨コースなんだワン!
ここしか歩く道が無いんだワン!