◆ トリノに行って来ました !!

 オリンピック、パラリンピックのトリノ開催を記念して、トリノに行っちゃいました。
といっても貧乏の身ですからイタリアのトリノではなく、パスポート不要の山梨のトリノ山です。

トリノ山は精進湖の北西、釈迦ヶ岳と三方分山とを結ぶ尾根の中間部に位置する山です。
地形図に名前は載っていませんが、p1297の突起がトリノ山です。

山頂には遠路はるばるやって来た登山者を迎えてくれる表彰台も、
授与される金メダルも用意されていませんが、静かな山頂と見事な展望が約束されています。

Road to TORINO  


本栖湖の展望台から

トリノへの道は遠い。
長くて険しい道程である。

本栖湖で瑠璃色の湖面と雪を纏った富士の高嶺に感動しつつ
国道300号線(「本栖みち」)を古関へと向かいます。


中之倉トンネルと中之倉峠

中之倉トンネルの上には以前訪れた
中之倉峠の凹みも確認できます。
強風の吹き荒れた翌日だけに空は快晴で澄み渡っています。

単にトリノ山だけに行くのなら精進湖北岸の女坂峠(阿難坂)から
三方分山を経由して行けばいいのですが、
反木川源流域の八坂、折門地区に野暮用があったので、
ぐるっと回り込んでトリノ山の西側から
アプローチをすることになりました。


中之倉の南アルプス展望台から

中之倉トンネルを抜けると路肩に「南アルプス展望台」があり、
そこからの眺望は見事でありました。
七面山、青薙山、稲又山、布引山、笊ヶ岳、赤石岳、
荒川岳、塩見岳が一望できます。

南ア前衛の御殿山、富士見山、
そして、十谷峠の凹みも確認できます。
手前には木喰上人の出生地である
山上集落丸畑を見下ろすこともできます。


市町村合併花盛り

いつの間にか下部町はこの世から消えて無くなり、
身延町に合併されてしまいました。
道路標識や地名標識は市町村合併のあおりを受けて
手直しが大変だったに違いありません。

道路標識の「下部町」の表示の上には、
「身延町」のシールを貼ったりせず「旧」という一文字を付け加えて
「旧・下部町」と表示しているのが興味を引きました。
経費の節減のためでしょうか?
でも確かにこの方が分かり易いと思います。
「ここは身延町」と言われるより「ここは旧下部町」の方が
しっくりきます。

山梨県内は北杜市やら笛吹市やら甲州市やらと
市町村合併花盛りで他県者が訪れると混乱してしまいます。
上九一色村の一部も甲府市になるとか、
地誌編纂もこれから急ピッチで行われるのでしょうか?


折八古関林道から天狗岩〜蛾ヶ岳の尾根


林道から根子峠・精進峠の向こうに富士を見る

反木川源流域の沢集落から折門、八坂地区を抜けて芦川側の古関とを結ぶ山間の舗装林道が「折八古関林道」です。
よくぞこんな所に造り上げたという代物です。 まさに、天空を走り抜けるスカイロードです。
林道からの眺望は四方八方素晴らしいですが、小規模の落石が随所に見られ走行は少々危険です。
利用者がどれほどいるのかは知りませんが、建設費と道路維持管理費を勘案した場合、マイナス収支になるに違いないと思います。
(12/1〜3/31までは冬期通行止めの表示がありましたが沢集落から新八坂峠まで問題無く走れました)

Attack the Mt.TORINO  


林道からヌケド峠への入口

トリノ山の入山口はヌケド峠からとなります。
ヌケド峠は旧下部町八坂、三ッ沢集落と
旧上九一色村本郷とを結ぶ峠道です。
地形図、釈迦ヶ岳の南鞍部がヌケド峠です。

上九一色側は女坂峠(阿難坂)の峠道から途中分れて、
大ゾウ沢に沿ってヌケド峠まで道が付けられているようです。

折八林道の完成により峠に至る登りの距離は短いのですが、
取り付き部分は荒れていてやや崩壊気味なので
落石(落人)には注意しなければなりません。


ヌケド峠

数分で辿り着く峠には、
以前訪れた時には無かった
「三方分山→」という標識が新設されていました。

峠自体は平凡な乗越で、
ヒノキの植林と自然林の挟間に位置しています。

上九一色側に下る道も確認できますが
果たして生きている道なのかは不明です。
林道が開通した今では歩く人も少ないと思われますから。


トリノ山頂への道

峠からはヒノキ林の急登となります。
踏み跡は明瞭だし、目印テープも付けられています。
もしやトリノブームで訪れた登山者が多かったのかも?

急登はすぐに終わり、緩やかな自然林の道となります。
左手は除伐されていて見晴らしがすこぶる良好です。
ポツンポツンとカラマツが残る程度で
眺望を遮るものがありません。


山頂からは御坂山塊の展望が広がる

目指すトリノの山頂はすぐそこです。

オリンピックへの道程は遠く険しいですが、
峠からトリノ山頂への尾根道は短くやさしいのです。

登山者に声援を送る観客も、イナバウァーの華麗さも
ありませんが、ここは夢の大舞台トリノなのです。


王岳の背中と精進ブルーライン

トリノ山頂からの眺望は素晴らしい。
八ヶ岳や奥秩父の山々、雑木の木々間に南アルプスも望めますが、
それよりも西方の御坂山塊の眺めが秀逸です。
王岳のうなじや芦川渓谷を取り囲む山々が一望できるのです。
この眺めになら金メダルの価値はあるかもしれません。


トリノ山頂

トリノ山頂には山名標識の類は一切ありません。
「トリノ山」とは「鳥の山」の意味でしょうか?
その割には鳥の鳴き声もしない静かな山頂です。

ここだけを目的にやって来るオメデタイ登山者もいないことだろうし、
この尾根の突起に「トリノ山」という名前があることすら
知る人も少ないことでしょう。


三方分山への道

トリノでオリンピックが開催されていなければ
きっと訪れる機会も無かった山です。

まぁ、なんでもいいから山に行く理由を見つけ出し、
こじつけと言われようが楽しんでしまうのであります。

さて、四年後に向けて
日本に「バンクーバー山」というものがあるかどうか、
探さねばならないぞ。