郡内地方 気になる珍石・気になる謎石 (限定/山梨県郡内地方)

 峠歩きをしていると、村落の片隅や路傍の草陰に不思議な石造物を見かけます。
微笑ましい姿だったり、心を和ましてくれたり、語る供なき峠歩きにおいて
口無き石仏、石造物が、やさしく語り掛けてくれることがしばしばあります。
石仏、石造物を通して、往昔の峠道の様子や、人々の生活を窺い知ることができます。

そんな石仏、石造物の中から、気になる珍石・謎石を集めてみることにしました。

ラブラブ道祖神


夏狩の抱き合う双体道祖神

道祖神といえば、仲睦ましい男女の像を思い浮かべますが、
都留市夏狩にある道祖神様は、格別な仲の良さです。
抱き合い接吻し足を絡めているという姿は、
見ているほうがちょっと恥ずかしくなってしまいます。

道祖神といえば、一般に悪神や悪病が
村に入り込まないようにする塞ぎの神様でもありますが、
通行の安全から妊娠、出産、幼児守護、縁結び、和合、性病除け、
などの性格も兼ね備えています。
男女の生殖を通して、生産神、田の神、山の神的性格を
持つなど発展変化をしたものもあります。

「塞ぎの神・サイノカミ・セイノカミ」→「性の神」と
変化したとの説もあります。


とある御堂の横にあります

この夏狩の「ラブラブ道祖神」は、とある御堂横の金網の中に、
他の石仏と供に納められています。
金網は盗難防止の為でしょうか?
なにか二人が自由を奪われ、囚われの身で
愛を囁き合っているようで、ちょっぴりかわいそうです。

あんまり宣伝して、デートスポットになったりしないか心配です。
ラブラブ道祖神の固い絆にあやかって、
恋人同士が金網に南京錠を取り付けるとか・・・の、
ミーハーなデートスポットになって、
二人の恋の邪魔をしてはいけないので
詳しい場所の案内は差し控えます。

頭に座布団地蔵


黒埜宿 笠懸地蔵

笹子峠に向かう国道20号線の黒野田付近の路傍に、
不思議な姿の石造物があります。
出前持ちのような格好にも見えますし、
お相撲さんが頭に座布団を載せているようにも見えます。

説明板には、「笠懸地蔵」とあり、
安政2年13代将軍家定の天領政治時代に、
天明の飢饉の救済を念じて建てられたものである とあります。

頭に載せている重たそうな石は、
当時の重税による圧政を暗示しているのでしょうか?
天領時代の七公三民の重税、天保・天明の大飢饉、
農作物不作による飢餓、心中、逃散と
当時の郡内の生活は楽ではなかったようです。

謎の石棒様


田通の姥神

笹子から甲州街道を外れ、大鹿沢沿いの道を進むと、
「田通の姥神」という石造物が路傍にニョキリと立っています。

なんてことはないただの石棒なのですが、
案内板によりますと、
「往古、近在には医者も居らず、此の地の里人や行人は
往来の度に合掌して無病息災を祈願し、流行病除けや安産を
祈念した」とあり「養蚕や雑穀類の豊作に恵まれない時代の
淡い夢と希望を託された姥神」とあります。

なんてことないただの石に、これだけの願いをかける、
願いをかけるしかなかった当時の人々の生活は
いかに苦しいものだったことでしょうか。

大鹿峠の道案内地蔵


道証(みちあかし)地蔵尊

田通の姥神から、さらに奥に進むと、
大鹿峠(天神峠)と曲り沢峠(平ッ沢峠)との道を分ける分岐に
「道証地蔵尊」を見ます。

石仏には、文政3年(1820)の年号と、「此方 たの ゑ」とあります。
甲州表街道を辿ることに不都合があった者が、
吉久保から大鹿峠(天神峠)を越えて田野を経て初鹿野に出る
間道として利用された甲州裏街道であったといいます。

裏街道を歩む者の為にも、道しるべが置かれているのですね。
私のように人生の裏道を歩む者は、何を頼りにすれば
いいのでしょうか。

犬目の陰石・陽石


犬目宿の道祖神

犬目峠を探しに行った際に、犬目宿の外れで
珍妙な石造物と対面しました。

見事な造形に、おもわず手を合わせてしまいました。
これも集落の出入り口を見守る道祖神の一種なのでしょうか?

                            今後も追加していきます・・・