やなみ峠 (鳶尾山峠・鳶尾峠)


峠の切り通し


案内板に貼り付けられた「やなみ峠」の標識

厚木市の「まつかげ台住宅」の奥から鳶尾山の肩を通って八菅神社に越える峠が「やなみ峠」であるらしい。
らしいというのは、鳶尾山ハイキングコースの案内板に取って付けたような頼りない
「やなみ峠」という標識が貼り付けられているだけだからだ。


八菅神社参道入口の案内板


鳶尾山は桜の名所となっている

八菅神社参道入口の案内板には「鳶尾山峠」という表示がなされていた。
「やなみ峠」=「鳶尾山峠」であるらしい。

鳶尾山の「鳶尾」とはアイヌ語のエタレネトイビオ(=崖崩山の絶壁の地)からきているという。
また、トッピン、トッピネ(長野)、トッペン(九州)、トンキョー(岡山)など、
山の頂きを意味する「テッペン」の方言からとの説もある。
「とんびょう」で峠(とうげ)、標(ひょう、境)と解する説もある。

八菅神社はかつては山岳修験の地。
この峠を越えた山伏もいたのかもしれない。
残念ながら峠道の沢筋には不法投棄が絶えない。

● 『厚木の伝承と地名』(北村精一・タウンニュース社)という本には、
  厚木の「腰・越」が付く地名として宮ノ腰・森ノ腰・越ヶ谷・越ヶ岡・越路峠・塚ノ越・打越・打越原・風越・越留を挙げている。

  なかでも越路峠は恋路峠の伝説を生んだという。

  また、七沢の塔ノ坂、鳶尾の文ノ塔の「塔」はタオなどの撓んだ所の当て字だという。
  この他に中荻野の通峠(トオリオネ)などの地名もあり、まだ気付いていない峠が眠っている可能性がある。
  ちなみに鳶尾住宅入口近くには「うとう坂」という気になる場所もある。

● 『新ハイキング448号』の「鳶尾山」(斎藤和男氏)の記録によると、やなみ峠は「荻野峠」とも表記されています。
  ちょっと古い149号の「鳶尾山」(多摩雪雄氏)の記録でも「荻野峠」となっている。
  この中では荻野峠とは別に、田尻峠という名も見られる。
  田尻峠とは正式名かは不明だが、現在の中津川カントリークラブから八菅山ハイキングコースに出る付近の乗越と思われる。

● 『分県登山ガイド・神奈川県の山』(山と渓谷社)では「鳶尾峠」と表記されています。