駿相県境尾根の世附峠から明神山を以前歩いたので、その続きとして明神峠から籠坂峠を目指します。
三国峠はいろいろな思い出のある峠でもあります・・・ |

明神峠
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◆明神峠◆ 高校時代、友人と自転車で世附林道を走りこの峠に出たことがある。
その時の写真を見ると、明神峠のバス停で記念写真を撮っていた。
今、バス停は無く、バス路線は廃止されてしまった。
どう考えても赤字路線だろうからいたしかたないか。
前夜、丹沢湖畔でした闇バーベーキューが懐かしい。
林道の入口は必要以上にしっかりと閉ざされていて、
熊出没注意の看板まである。
無論、進入禁止である。
(多分、当時も通行禁止だったような気がするが定かではない)
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三国峠
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◆三国峠◆ 三国峠も思い出のある峠道。
初めての自転車ロングツーリングに山中湖へ出掛けた時、
帰路に通過した峠道だ。
輪行なんていう知識も技術も無く、
朝早く起きて、自宅から自走したものだ。
(今ではそんな体力はない。)
当時の三国峠、明神峠はダートでかなりワイルドな道であった。
そして、なによりこの峠が記憶に残っているのには理由がある。
山中湖畔からの坂道をバテバテでペダルを漕いで、
深い霧に包まれた三国峠に辿り着いた時に、
鮮烈な赤い車が目に入ったのだ。
白い霧のベールに包まれていただけに、
その車の赤い色は脳裏に焼きついた。
窓から見えた車内では、大人の男女の営みがなされており・・・
高校一年の少年にとっては刺激が強かったらしく、
逃げるようにして、駿河小山に向けてダウンヒルを駆け下りた。
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三国山 山頂
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◆三国山へ◆ そんな霧の中の赤い車を思い出させるかのように、
今回も霧に包まれた峠行となった。
三国山への登りはブナの森が続く。
車道からわずかに離れるだけで、
深いブナの森が味わえるのはなかなかのものである。
山頂は霧につつまれ眺望は無い。
これから先の尾根道は、ブナとその下草の雰囲気も良く、
霧の世界に吸い込まれるようにして歩みを進めることになる。
どこか別の世界に引き込まれてゆくかのようだ。
深い深い霧の中で、ガサッ!と音がするので、
振り向くと鹿の黒い影が、走り去ってゆく。
ちょっと幻想的ですらあるのだが、
時折、赤い車の思い出が脳裏を駆け巡りもするのである。
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ヅナ(坂)峠
綱山の上部に位置するので昔から
自然とヅナ峠と呼ばれていた
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◆ヅナ峠◆ ヅナ(坂)峠は籠坂峠の間道として利用され、
籠坂よりも越えやすく往来は盛んであったという。
峠にある手作りで滋味のある案内板によると、
「武田信玄も元亀元年(1570)に山中湖からヅナ坂を越えて、
中日向(小山町)に下り、さらに竹之下(御殿場)の城を攻略した」
とある。
また、「南南東に下れば大御神、中日向に至る。
その道を古来どれだけの人々がどんな思いで通ったことか。
この歴史の道も荒れ果てて廃道状態です」
と峠への感慨を記し、
「信玄公進みし道は 人絶えて 岩かげに立つ りんどうの花」
という句を添えている。
実に素敵な案内板で「三国山・湯船山・不老山を愛する会」の
手によるものである。
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花の名前を知らぬのは悲しいですが、
幾種もの可憐な草花が足下に咲いていました。
写真の花は、霧の中で一際目立って、自己主張していましたが、
コバイケソウでしょうか?霧はさらに深くなり、大洞山も白一色でした。
火山噴出物が堆積した道は、ザクッ!ザクッ!と音を出し、
まるで誰かが後ろからついてくるような無気味さで、
だんだんと怖くなってくるのです。
先程まで耳障りでしかなかった富士演習場の砲音も、
富士スピードウェイのエンジンの爆音も、
いざ消えてしまうと心細いものです。
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籠坂峠(加古坂越え)
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◆籠坂峠◆ 今は何の変哲もない籠坂峠。交通量も非常に多い。
古い時代の籠坂道は山中集落から
もっと直線的に加古坂に登り、
そのまま、真直ぐに梨木平に下りていたといいます。
承久の乱の犠牲となった藤原光親の墓の西側を
古い道は通っていたらしいので探索を試みましたが、
自衛隊の敷地内に入ってしまい、
不発弾が爆発すると怖いので早々に退散しました。
籠坂峠には境の神として「天神」が祀られていて、
天神社があったと古い本で読んだことがありました。
しかし、天神社は見当たりませんでした。
どうやら峠の「加古神社」に合祀されてしまったようです。
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加古神社
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◆赤い車の幻影◆ 霧の中の赤い車の思い出と同様な出来事が、
やはり自転車で日光の金精峠を登っている時にありました。
三国峠同様に深い霧に包まれていましたが、
峠の頂上ではなく峠の手前であったことと、
車の色が違っていました。
(峠まで我慢できなかったのかは知りませんが・・・)
金精峠には石マラ様が祀られており、
安産祈願、子宝祈願に来る人もいると聞いたことがありますから、
はなからアレ目的で訪れたカップルだったのかもしれませんね。
峠には気持を高ぶらせる要素でもあるのでしょうか?
峠は気持が変化する地、転生する地ともいいます。
そんなことが関係しているのでしょうか。
峠には人を高揚させる(発情させる)パワーも
秘められているのかもしれません。
三国峠と金精峠以外に、
そんな出来事は目撃していませんので、
謎は山中の霧のように深いベールに包まれたままです。
それとも、これらの峠の情事は
ペダルを漕ぐ疲労感と若かりし頃の情念・妄想が見せた、
霧の中の幻影だったのでしょうか。
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【参考になる文献】
* ヅナ(坂)峠を知るために 『秩父多摩丹沢』 直良信夫 武蔵書房
* 籠坂峠を知るために 『関址と藩界』 岩田孝三 校倉書房 『峠路』 直良信夫 校倉書房
* ヅナ(坂)峠は「ズナ」「綱」とも書かれますが、「ブナ」としているものは明らかに誤りだと思います。
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