「痴呆のため入院している父の不動産を売却して、父の入院費に充てたい」
このようなお父さんの不動産は、たとえ子供であろうと勝手に処分することはできません。家庭裁判所に申立をして、お父さんに後見人など(子供も後見人などになることができます)を選任してもらい、この後見人などがお父さんに代わって不動産の売却を行うことになります。
「寝たきりの母の看護などをしながら財産管理をしてきたが、他の兄弟から疑われている」
あなたを、正式に法律に則った後見人に選任してもらいましょう。
後見人に選任されれば、少なくとも年に1回は裁判所に財産報告などをしなければならず、勝手に財産を管理処分をすることはできなくなりますが、このことにより管理などが適正に行われていることの信頼につながり、ご兄弟からの疑いも無くなると思われます。
「私は、使うはずもない高額な健康器具などをセールスマンに頼まれると、つい買ってしまう。」
判断能力が不十分なために、高額で不必要なものを買ってしまうことがあります。残念ながら、まるで大人が子供をだますような悪質な手口で、高額なものを売りつけている者もいるのです。
そのような場合は、補助人の選任申立をして、例えば「5万円以上の物品を購入するときは、補助人の同意が必要である」という内容の審判をもらいましょう。
そうすれば、補助人の同意が無いのに6万円の物品を購入した場合は、売買契約を取り消すことができ、お金を返還してもらうことができます。
「両親が亡くなった後、知的障害を持つ子供の将来が心配です。その子のために財産を残す方法やその使い方、施設への入所手続などをどうしたらいいの?」
知的障害をお持ちのお子さんに、両親の財産を残したい場合は遺言書を利用しましょう。
また、一つの方法ですが、両親とどなたか年齢の若い方とが後見人になるように後見人選任の申立をし、複数の後見人により知的障害をお持ちのお子さんの支援をする方法もあります。両親に万一のことがあった場合も、引き続き後見による支援が受けられます。
両親の判断能力が衰えた時に備えて、信頼できる人と任意後見契約を締結し、両親の財産でお子さんを支援し続けるように、委任する方法も考えられます。
「現在は一人暮らしで元気だが、身体の動きが思うようにならなくなったので、これまで経営してきたアパートの管理をお願いしたい。さらに今後のことを考えて、高齢者施設などの入所契約や入所費用の支払なども、今からお願いしておきたい。」
判断能力が衰えた時に備えるため、任意後見制度が創設されました。今のうちに信頼できる人と任意後見契約を結んでおきましょう。
現在のアパートの管理などについては、任意後見契約では対応できないの(あなたの判断能力が衰えた時から効力が生じるものだから)で、別
途に任意代理契約を結ぶ必要があります。
元気なうちから、判断能力が衰えた時のことを考えて、信頼できる人と契約しておくことは、非常に重要なことです。任意後見契約は、基本的に、あなたの希望を反映するように内容を定めることができるからです(住む場所の希望や、毎年お孫さんにお年玉
をあげてね、など)。