日本鞘翅学会第12回大会講演要旨集 P27 (1999.11.13)
大阪府およびその周辺地域のメクラチビゴミムシ相
芦田 久*・北山健司**(関西チビゴミ研究グループ, *京都大学, **(株)プレック研究所)
大阪府からは現在までに2属7種のメクラチビゴミムシが記載されているが,原記載以来の採集記録の報告はほとんどなく,生息の現状は確認されていなかった.われわれは1997年以来,大阪府下でこのグループを調査し,既知種の全てを現認し,新たに4種1亜種を見いだした.確認されたメクラチビゴミムシ11種1亜種の分布は,府北部の北摂地域(淀川右岸)と南部の金剛山地および和泉山脈に限定され,分断されていた.
北摂地域は,中国地方の要素(Trechiama oni群,Stygiotrechus morimotoi群)と,北陸から近畿地方北部にかけての要素(Trechiama ohshimai群)がぶつかり合う形で隣接している.Trechiama属に関しては両群は棲み分けており分布の重なりは確認されていない.
和泉山脈は,四国の讃岐山脈との共通の要素(Stygiotrechus ohtanii群,Trechiama oni群satoui系の未記載種)が強いが,中国地方の要素(Stygiotrechus morimotoi群の未記載種,Trechiama dissitus)の侵入がみられる.Stygiotrechus sp.は淡路島を経由して侵入した可能性が強いが,T. dissitusに関しては推定の根拠となるような事例は見出されていない.
今後は,これまでこのグループの採集記録のない,枚方丘陵から生駒山地にかけての地域を詳細に調査し,大阪府産メクラチビゴミムシ相の全容を明らかにしたい.
○参考文献
北山健司・芦田 久,1999. 大阪府におけるメクラチビゴミムシの記録. ねじればね(印刷中)