What's Tiger Beetle ?


ハンミョウとは?・・・   コウチュウ(甲虫)目ハンミョウ科に分類される甲虫で、日本には24種、世界では約2000種類が知られている。漢字では「斑猫」と書くが、英語では「Tiger beetle」と呼ばれる。素早く走り回り、獲物を捕まえる姿がネコ科の動物に似ていることからそう呼ばれるようになったらしい。日本で最も大型で美しいナミハンミョウは、近づくと足元から飛び立ち前方へとまることから、ミチオシエ・ミチシルベとも呼ばれ、なじみの深い虫でもある。

みちおしえ[道教・路導]ハンミョウの俗称。道路に沿って、人の歩く前を飛ぶのでいう。(広辞苑)  

 なお、漢方などに用いられるハンミョウは、マメハンミョウのことで、コウチュウ(甲虫)目ツチハンミョウ科に属する全く別の甲虫である。カンタリジンを多く含み、さわると水ぶくれを起こす。  


 ナミハンミョウ Cicindela japonica は日本産を代表する種類で、世界的に見ても大型で美しい種類である。それでは、ナミハンミョウの生活史を紹介しよう。

<ナミハンミョウ成虫>


ナミハンミョウの生息地  ナミハンミョウは平地〜低山地の土の露出した地面に生息している。神社、墓地、公園、河原、林道、田んぼや畑の縁などにいることが多い。私の観察地は、京都市内にある京都大学理学部植物園である。 成虫が見られる場所で、幼虫を探してみよう。ハンミョウ類の幼虫は地面に縦穴を掘って暮らしている。土の地面で、適当な湿り気があるような場所に、幼虫の巣穴があるはずだ。理学部植物園では、温室の建物の北側に幼虫の巣穴が密集している場所がある。ハンミョウの幼虫は1齢から3齢まであり、各齢の幼虫の巣穴は直径2mm、3.5mm、5.5mm位である。冬季以外はたいてい幼虫の巣穴が確認できる。

<京大理学部植物園 温室の北側の日陰に幼虫の巣孔が密集している>

<幼虫の巣穴 おそらく2齢幼虫のもの>


幼虫を採集する  ハンミョウ類の幼虫は、巣穴の口で待ち伏せ、口の周辺を通る小動物を捕らえて餌にしている。しかし、人が近づくと巣穴の奥に逃げ込むため、普段はなかなか待ち伏せているところを見ることはできない。しかし、巣穴の前でしゃがんで数分待つと、巣穴の口に上がってきた幼虫の顔を見ることができる。この時に、一気にスコップなどで巣穴を掘りかえして、幼虫を採集するとよい。  なかなか幼虫が出てこない時は、植物の茎などを巣穴に差し込み数分待つと、幼虫は穴の口に上がってきて茎を押しだそうとする。茎が動いたら、スコップで掘るとよいだろう。

<幼虫 の巣穴の断面>


幼虫を飼育する  大きなインスタントコーヒーのビンなど、20cm以上の深さの容器を準備し、土をつめる。石や他の虫などは取り除いておく。土の表面に小さな穴をあけ、そこに幼虫を頭から入れると、幼虫は巣穴を堀はじめる。

<コーヒービンで幼虫を飼育する>


餌を捕らえる  餌は自然状態ではアリやヤスデその他の小昆虫が多いようだが、飼育ではミルワームなどでもよい。空腹になると巣穴の口で待ち伏せることが多くなる。また、餌を容器内に放すとすぐに出てくることが多く、かすかな音や振動を感知しているものと考えられる。アリなど小さな昆虫だとだとかなりたくさん与えないと蛹化しないが、小さなミミズなどをやるとすぐに蛹化する。土の表面が乾いてきたら、水をやるのもわすれないで。

 

<巣穴の口で待ちうける幼虫>     <餌のヤスデを捕らえた瞬間>


蛹化−羽化  幼虫は飢餓に強く、餌が十分でないといつまでも蛹化しない。餌が十分量に達した幼虫は巣穴の口をふさぎ、中で蛹化する。蛹の時期は約1ヶ月ほどである。 巣穴の口をふさいでから、待つこと約1ヶ月、ナミハンミョウの新成虫が現れる。

<羽化脱出した新成虫>