Kansai Trechine Research Group

チビゴミニュース電脳版2005
2005年総決算
総決算と言うほどの事でもないのですが,しばらく更新を怠っていた“Checklist of Trechinae from Japan, Web Version”のページをリバイスしました.日本産チビゴミムシの種類数は順調に増えており,正式に記載されたものだけで,390種,28亜種となりました.2007年の終わり頃には400種を突破しそうです.
(2005/12/22)
2005年忘年会開催
12月10日の土曜日,恒例のKTRG忘年会を開催しました.会場は芦田の自宅,居酒屋『ちびごみ亭』.常連メンバーがほぼ全員集合して,参加者は都合9名と盛況でした.

今年の料理のテーマは,“旨い日本酒に合う料理”.メニューはいつもの如く,甲虫学会の封筒の裏に.

宴たけなわ.OYさん差入れのカクテル類の新製品の試飲に興じるメンバー.
〆のご飯物は“鯛めし”で.

沈没者が出る前に記念撮影.この直後に壊れてしまったのは言うまでもなく●●さんです.
参加者:IK,SA,YS,KK,NS,OH,OY,ST,AH.
(2005/12/14)
月刊むし短報特集号
ひさしぶりに『月刊むし』に短報を出してみました.
□ 芦田 久, 2005. 京都府におけるイソチビゴミムシの追加記録とその生息環境. 月刊むし (418): 8-9.
(2005/11/29)
ELYTRA 33巻2号 発行される!
11月19〜20日に岡山県倉敷市で開催された日本鞘翅学会大会に参加し,出来たてホヤホヤのELYTRAをもらって帰りました.
チビゴミムシ関係では,上野俊一博士と北山健司氏の共著1編と,芦田の1編が掲載されています.
□ Shun-Ichi Ueno and Kenji Kitayama, 2005. Anophthalmic trechines (Coleoptera, Trechinae) from Shagatate-yama in the northwestern part of Mino Province, Central Japan. Elytra, Tokyo, 33(2): 649-657.
上野俊一・北山健司:美濃地方揖斐山地のシャガタテ山にすむメクラチビゴミムシ類.−−−両白山地の西端部から南方へ延びる支稜(揖斐山地)の中央部に位置するシャガタテ山(徳山冨士とも呼ばれる)から,3種のメクラチビゴミムシ類を記録した.そのうち2種は,土壌に覆われた板状頁岩の間隙をおもな生息場所とする地中性のもので,いずれも新種と認められたので,モリメクラチビゴミムシ
Suzuka morii S. Ueno et K. Kitayama およびヤダメクラチビゴミムシ Kurasawatrechus
yadai S. Ueno et K. Kitayama の新名を与えて記載した.サメメクラチビゴミムシ属Suzuka第3の種がこの山系で発見されたことは,分類学的にも生物地理学的にも重要で,特筆するに値する.他の1種は地下浅層性で,同じ山地の約9.5Km南東方に位置する,根尾の水鳥谷から記載されたネオメクラチビゴミムシ
Trechiama gracilior S. Ueno に同定されたので,ここに新産地として記録した.
(以上,原文どおり.)
何と,Suzuka morii は,私の採集品のペアがホロタイプ&アロタイプになっているではありませんか! めでたしめでたし.
□ Hisashi Ashida, 2005. The complex of Trechiama kosugei (Coleoptera, Trechinae) from Hyogo Prefecture, West Japan. (I) A remarkable new species from the western periphery of its distributional range. Elytra, Tokyo, 33(2): 659-664.
芦田 久:兵庫県のコスゲメクラチビゴミムシ系.(第III報)分布域西端より見いだされた顕著な1新種.−−−オニメクラチビゴミムシ群のコスゲメクラチビゴミムシ系とフジタメクラチビゴミムシ系は近畿地方の北部に主に分布し,兵庫県を流れる市川と円山川を結ぶラインを隔てて,それぞれ東西に棲み分けている.ところが,例外的に後者に属する特異な2種が円山川上流部の東側に侵入している.この地域からはコスゲメクラチビゴミムシ系の記録はこれまでなかったが,本論文において顕著な1新種イクノメクラチビゴミムシ
Trechiama (s. str.) ikunoensis Ashida, sp. nov. を記載した.基準産地は兵庫県朝来市生野町上生野で,丹波市青垣町大名草と丹波市山南町西谷から見いだされた個体群も同種と判断した.また,T.
(s. str.) obliquus S. Ueno の追加記録を兵庫県神崎町大畑(基準産地),朝来市生野町白口,丹波市青垣町粟鹿山から報告した.
(以上,原文どおり.)
私が渡米中であった2001年に,KTRGの相馬さんにより銀山湖のほとりで発見されたコスゲ系のTrechiamaを,今回ようやく記載することができました.これまで,ギンザンコメクラと仮称していましたが,平凡に町名を冠した和名・学名にしました.
(2005/11/21)−(2005/11/29 要約を追加)
Journal of the Speleological Society of Japan, Volume 29 発行される!
6月25日付で,日本洞窟学会の英文誌 Journal of the Speleological Society of Japan の29巻が発行されました.私の記憶が正しければ,これは昨年度の分だと思います.
さて,それはともかく,チビゴミムシ関連では上野俊一博士による以下の3編が掲載されています.
□ Shun-Ichi Ueno, 2005. A new genus and species of cave trechine (Coleoptera,
Trechinae) from a deep pothole in northwestern Guangxi, South China. J.
speleol. Soc. Japan, 29: 1-11.
上野俊一:中国広西省族自治区北西部の深い縦穴で発見された洞窟性チビゴミムシの1新属新種.
【要約】2004年9月に立命館大学探検部によりおこなわれた調査により,深さ-305.5mの縦穴の深部で発見された新属新種
Bathytrechus rucei S. Ueno の記載.
□ Shun-Ichi Ueno, 2005. A new aphaenopsoid trechine beetle (Coleoptera,
Trechinae) from Shennongjia in western Hubei, Central China. J. speleol.
Soc. Japan, 29: 12-17.
上野俊一:中国湖北省神農架の洞窟にすむアシナガメクラチビゴミムシの1新種.
【要約】神農架林区の洞窟から見いだされた第2のメクラチビゴミムシ Boreaphaenops
hirundinis S. Ueno の記載.
□ Shun-Ichi Ueno and Takao Naito, 2005. Two new upper hypogean trechines
of the genus Kusumia (Coleoptera, Trechinae) from the Obako Mountains in
the Kii Peninsula, Central Japan. J. speleol. Soc. Japan, 29: 18-28.
上野俊一・内藤隆夫:紀伊半島の伯母子山地で発見されたキイメクラチビゴミムシ属の地下浅層性2新種.
【要約】シラクチメクラチビゴミムシ Kusumia variabilis S. Ueno et Naito
とオバコメクラチビゴミムシ Kusumia obaco S. Ueno et Naito の記載.
また,チビゴミムシではありませんが,KTRGの亀澤洋氏に献名された地中性のハネカクシの新種が記載されています!
□ Yasuaki Watanabe, 2005. A new subterranean Lathorobium (Coleoptera,
Staphylinidae) from northwestern Shikoku, Japan. J. speleol. Soc. Japan,
29:
29-33.
渡辺泰明:四国の皿ヶ嶺から採集されたオオコバネハネカクシ種群(甲虫目ハネカクシ科)の1新種.
【要約】亀澤洋氏により四国の皿ヶ嶺で発見された,カメザワオオコバネハネカクシ
Lathorobium (s. str.) kamezawai Y. Watanabe の記載.
※【要約】は論文中の要約を芦田がさらに要約したものです.中国の地名の表示できない漢字については,似た漢字に置きかえていますのでご注意ください.
(2005/7/26)
2005年のKTRG合宿第一弾は学会採集会に寄生して開催さる!
2005年のKTRG合宿第一弾は,6月25-26日に奈良県和佐又山にて開催された日本甲虫学会と日本鞘翅学会の合同採集会に寄生しておこなわれた.
初日,隊員KKとAHは,一昨年自分たちが発見し記載した新種アザミメクラチビゴミ Stygiotrechus azami の産地へ向かった.掘り始めて約1時間,同所的に生息するクニミメクラチビゴミ Kusumia septentrionalis を各1頭ずつゲット.その後,YS,SA,IKの3隊員が合流し,それぞれチビゴミムシを1,2頭ずつ追加.全員合わせてStygiotrechusが3頭,Kusumiaが4頭の成果であったが,最も良かったのは,AHがYSさんの背中で採集したトゲフタオタマムシかもしれない.
その後,KKさんとAHは南西に移動し,Stygiotrechusの新産地の発見に成功.ただし,KKさんの1♀のみなので,今後に課題を残した.入之波温泉につかって汗を流し,会場の和佐又ヒュッテ入り.

夜の宴会では恒例の虫談義.しごき塾の塾長OYさんは遅れて登場.酒宴は日付が変わる頃まで続いたようだが,AHらは午後11時頃,早々にダウン.翌朝は午前6時半,さわやかに目覚め,記念撮影ののち解散.

午前中は和佐又ヒュッテから大普賢岳方面への登山道を探索することにする.一般の虫採りは実にひさしぶりだが,網もたたき網も持っていないAHはやはりピッケル片手.登山口には修行中の高僧が笙ノ窟で詠んだという和歌の碑が建っている.ここから登山道は美しいブナ林の中をすすむ.

登山案内の看板を見ると,無双洞まで約2.5kmとの事.それなら往復でも2時間でOKなので,一人で見に行くことにする.しばらく高低差のないゆるやかな道が続くが,突然,石灰岩の露岩が目立ちはじめる.この辺りの石灰岩層は薄く,急に地質が変わるのである.石灰岩の大岩が転がる枯沢を越えると,急な岩場となる.チェーンを頼りに岩場をくだる.

大峯には似合わないスギの植林地を過ぎると,大きな水音が聞こえてくる.水太谷の源流部にある水簾ノ滝だ.滝の右側を巻いて登ると,その上の石灰岩の壁の右端にぽっかりと無双洞が開口していた.

近づいてみると,洞口はふたつで,下の開口部からは地下水が溢れ出している.上の洞口は人ひとりがかがんで入り込める位か.洞内は総延長にすると100mを越えるという.洞口前でセルフ撮影.ケイビングの装備を全く準備していなかったので,洞口から中をちょっと覗きこんだだけで退散する.残念だ.また来よう.ちなみに,無双洞では洞窟性のチビゴミムシの正式な記録はないが,ヒラタゴミムシの1種が採集されている.
往復の道中で採った虫は4つだけ.しかし,キイロチビオオキノコやアカモンチビオオキノコなどのやや少ないオオキノコムシが得られたのはうれしかった.ピッケルは全く役に立たず.
学会採集会の参加者総数29名.うちKTRGメンバーはKK,YS,SA,IK,OY,AHの6名.
(2005/6/27)
兵庫県のフジタメクラチビゴミムシ系のまとめ
兵庫県にはナガチビゴミムシ属の異なる3系列が側所的に分布している.すなわち,東部のコスゲメクラ系(kosugei complex),北東部のノトメクラ系(notoi complex),中央から西部にかけてのフジタメクラ系(fujitai complex)の3つである.
KTRGが結成された1998年頃から,兵庫県西部の波賀町(現,宍粟市)あたりではフジタメクラ系の未知種がかなり採れていたが,なかなか整理されるには至らなかった,その原因は,雄のゲニタリアに特徴が乏しいためであった.しかしながら,最近の私の研究により,この系列の種においても雄ゲニタリアの内袋には弱いながらキチン化した骨片があり,その形状が分類に使えることがわかってきた.
2003年秋に発表した“The complex of Trechiama fujitai (Coleoptera, Trechinae) from Hyogo Prefecture, West Japan (I)”「兵庫県のフジタメクラチビゴミムシ系(第1報)」においては円山川流域の2新種を記載し,今年に入って印刷された第2報と第3報で合計3新種を記載したことで,この地域の“真性”フジタメクラ系の分布はおおよそ明らかになったと言っても過言ではないだろう.現在手元には,県の西端部から見つかった,既知種とは少し異なる特徴を持つ1未記載種が残されているのみである.
“真性”フジタメクラ系と書いたのには理由がある.右の地図を見ていただければおわかりになると思うが,フジタメクラ系の分布の北側,つまり兵庫県の北西部には分布の空白地帯が存在する.実はこの地域からはフジタメクラ系に非常に近いが,決定的に異なる形質を持つ1群が見いだされている.これらは近い将来に記載を発表する予定である.最終的には,フジタメクラ系に含まれる,派生した1群ということに落ち着くかもしれない.
さて,“真性”フジタメクラ系の分布を以下に簡単に要約しておこう.
最も祖先的な種と推察されるのは地図中3のワカスギメクラチビゴミムシである.岡山県との県境の岡山県側の若杉峠から記載された種であるが,兵庫県宍粟市波賀町の引原川上流域に分布する個体群を同種と結論づけた.ただし,体の外形にはいくらかの差異が見られる.
ワカスギメクラに非常に近いのが,大屋川の源流に分布するオオヤメクラ(地図中4)である.お互いの分布域は分水嶺を隔てているが,近接する産地ではきわめて良く似ている.揖保川源流部に分布するアジャリ(地図中2)はワカスギメクラとは一見して異なるのであるが,分布の近接した産地のオオヤメクラにはきわめて近い.このあたりの連続的な変化は記載にあたっては最も頭を悩ませたところであった.
これらの南側の山々にはトノミネメクラ(地図中5)が比較的広く分布する.中央片が厚くかつ幅広い.産地ごとの形態差がいくぶん見られるが,同種内の連続的なわずかな差と見なした.
分布の辺縁部には,交尾器に顕著な特徴を有する種が現れる.地図中8のマチオクメクラは中央片下面が明らかに凹む.地図中10のキンショウメクラは中央片下面の縁がヤスリ状になる.地図中7のフジタメクラは交尾器先端の側部に突起を有する.これらは分布の辺縁部で孤立し,種分化したのであろう.
県南西部のゆるやかな丘陵地帯にはコウヅキメクラ(地図中6)が広く分布する.本種は交尾器中央片の下面が盛りあがる特徴を有しているが,この特徴を共有したのが地図中1のヤマサキメクラである.ワカスギメクラ,トノミネメクラ,フジタメクラに囲まれているが,これらよりはむしろコウヅキメクラに近縁の新種である.
円山川・市川ラインの東側に侵入している種が2種だけ存在する.地図中9のタタラギメクラと12のアサゴメクラである.きわめて特徴的な雄交尾器はフジタメクラ系とは信じられない程であるが,系統上フジタメクラ系であることにはおそらく間違いなく,分布の辺縁部で極端な進化をとげた1例であろうと推察される.
地図中11のヒウラメクラは私は実物を未見であるが,原記載を読むかぎりかなり特異な種のようである.現在記載を準備中である県北西部の個体群につながってゆくものかもしれない.これは今後(今シーズン?)の課題としたい.
兵庫県のフジタメクラチビゴミムシ系の分布
(Ashida, 2005.
Elytra,
Tokyo, 33: 353-361.の図を改変)
1-12. fujitai complex フジタメクラチビゴミムシ系
1. Trechiama saitoi Ashida ヤマサキメクラチビゴミムシ
2. Trechiama ajari Ashida アジャリメクラチビゴミムシ
3. Trechiama moritai S. Ueno ワカスギメクラチビゴミムシ
4. Trechiama oja Ashida オオヤメクラチビゴミムシ
5. Trechiama crassilobatus S. Ueno トノミネメクラチビゴミムシ
6. Trechiama carinatus S. Ueno et M. Mori コウヅキメクラチビゴミムシ
7. Trechiama fujitai S. Ueno フジタメクラチビゴミムシ
8. Trechiama cuspidatus S. Ueno マチオクメクラチビゴミムシ
9. Trechiama latilobatus Ashida タタラギメクラチビゴミムシ
10. Trechiama spinulifer S. Ueno キンショウメクラチビゴミムシ
11. Trechiama hiurai S. Ueno ヒウラメクラチビゴミムシ
12. Trechiama asagonis Ashida アサゴメクラチビゴミムシ
▲ notoi complex ノトメクラチビゴミムシ系
● kosugei complex コスゲメクラチビゴミムシ系
(2005/6/11)
ELYTRA 33巻1号 発行される!
日本鞘翅学会の英文誌“ELYTRA”の33巻1号が発行されました.前半の141ページには,2004年6月9日に95才で亡くなった故中條道夫博士への追悼論文20編が,後半の約250ページには一般の論文21編が掲載されています.チビゴミムシ関連では,前半に上野俊一博士と伊東善之氏の共著の1論文が,後半には上野博士の2論文(うち1論文は内藤隆夫氏との共著)と芦田の1論文が掲載されています.
□ Shun-Ichi Ueno and Yoshiyuki Ito, 2005. A new upper hypogean Trechiama
(Coleoptera, Trechinae) from the Sanuki Hills in northeastern Shikoku,
Japan. Elytra, Tokyo, 33(1): 25-29.
上野俊一・伊東善之:讃岐山脈の地下浅層にすむメクラチビゴミムシの1新種.
【要約】徳島県池田町から発見された Trechiama chujoi S. Ueno et Y. Ito
チュウジョウメクラチビゴミムシの記載.
□ Shun-Ichi Ueno, 2005. A remarkably speciallyzed new cave trechine
(Coleoptera, Trechinae) from northern Guangxi, South China. Elytra,
Tokyo, 33(1): 333-339.
【要約】中国天峨県の石灰洞から発見された,特殊化が極限まで進んだ新型のキリンメクラチビゴミムシ
Dongodytes giraffa S. Ueno の記載.
□ Shun-Ichi Ueno and Takao Naito, 2005. Two new sympatric species of
the genus Kusumia (Coleoptera, Trechinae) from the southeastern part of
the Kii Peninsula, Central Japan. Elytra, Tokyo, 33(1): 341-352.
上野俊一・内藤隆夫:紀伊半島南東部で同所的に生息するキイメクラチビゴミムシ属の2新種.
【要約】紀伊半島の南東部に位置し,大峰山脈の最南部に当たる茶臼山の東斜面から,同所的に生息するキイメクラチビゴミムシ属の地下浅層性の2新種を記載し,これらにそれぞれワニメクラチビゴミムシ
Kusumia crocodilus S. Ueno et Naito およびチャウスメクラチビゴミムシ K.
insperata S. Ueno et Naito という新名を与えた.
□ Hisashi ASHIDA, 2005. The complex of Trechiama fujitai
(Coleoptera, Trechinae) from Hyogo Prefecture, West Japan (II) -Two new
species and several new records from the Ibo-gawa drainage area-. Elytra,
Tokyo,
33(1):
353-361.
芦田 久:兵庫県のフジタメクラチビゴミムシ系(第II報)−揖保川流域の2新種および数種の追加記録−.
【要約】兵庫県中西部から南へ流れ瀬戸内海へ注ぐ揖保川流域はナガチビゴミムシ属オニメクラチビゴミムシ群の分布域に含まれるが,これまでに正式に記録されたものはほとんどなかった.今回,フジタメクラチビゴミムシ系に属する2新種を含む6種が見いだされたので,新種については命名・記載し,既知種については追加記録を示した.ヤマサキメクラチビゴミムシ
Trechiama (s. str.) saitoi Ashida, sp. nov. は揖保川支流の伊沢川源流部に分布し,基準産地は山崎町上ノ上である.アジャリメクラチビゴミムシ
T. (s. str.) ajari Ashida, sp. nov.は,揖保川源流部に分布し,基準産地の一宮町阿舎利,および同町の藤無山南麓に産する.岡山県西粟倉村若杉峠が基準産地であるワカスギメクラチビゴミムシ
T. (s. str.) moritai S. Ueno を鳥取県智頭町沖ノ山林道と若桜町大通中江林道,および揖保川支流の引原川流域の波賀町赤西渓谷,音水渓谷,氷ノ山南西麓から新たに記録した.また,大屋町明延が基準産地であるオオヤメクラチビゴミムシ
T. (s. str.) oja Ashida を揖保川源流のひとつ倉谷川上流部の一宮町富土野から,大河内町川上の銅廃坑が基準産地であるトノミネメクラチビゴミムシ
T. (s. str.) crassilobatus S. Ueno を引原川・揖保川左岸の波賀町谷,一宮町坂の辻峠,山崎町三谷から,上月町上秋里が基準産地であるコウヅキメクラチビゴミムシ
T. (s. str.) carinatus S. Ueno et M. Mori を新宮町と三日月町から,それぞれ記録した.
(2005/6/10)
昆虫学評論 60巻1号 発行される!
日本甲虫学会の英文誌“The Entomological Review of Japan” (昆虫学評論) 60巻1号が発行されました.チビゴミムシ関連では,芦田の論文が1報掲載されています.
□ Hisashi ASHIDA, 2005. The complex of Trechiama fujitai (Coleoptera:
Trechinae) from Hyogo Prefecture, West Japan (III) ---A new relative of
Trechiama
latilobatus Ashida---. Ent. Rev. Japan,60(1): 17-21.
芦田 久:兵庫県のフジタメクラチビゴミムシ系(第III報)−タタラギメクラチビゴミムシに近似の1新種−.
【要約】タタラギメクラチビゴミムシ Trechiama (s. str.) latilobatus Ashidaは兵庫県中央部の円山川源流部右岸(東側)から記載された,フジタメクラチビゴミムシ系に属する顕著な種であるが,その既知産地の北および北東の2ヶ所,朝来町朝来山伊由峠と青垣町粟鹿山から見いだされた近似種が新種と認められたので,アサゴメクラチビゴミムシ T. (str.) asagonis Ashida, sp. nov.と命名し,記載した.本種の雄交尾器はタタラギメクラチビゴミムシのそれに似ているが,後者ほど扁平ではなく,中央片先端部がやや短いことから容易に識別される.
(2005/6/7)
「月刊むし」の“今月のむし”に鎌田氏登場!
「月刊むし」の1ページ目を飾る“今月のむし”は,厳選された虫屋が思い入れの深い虫を語るコラムである.(しつこいって?)
なんと2005年6月号(通巻412号)の“今月のむし”にはKTRGの鎌田邦彦氏が登場し,チビゴミムシではなくギフチョウについて語っている.(最近はチビゴミムシには冷めているという噂)
KTRGメンバーで,このコーナーに登場したのは,4人目.
(2005/6/6)
「月刊むし」の“今月のむし”に北山氏登場!
「月刊むし」の1ページ目を飾る“今月のむし”は,厳選された虫屋が思い入れの深い虫を語るコラムである.2005年4月号(通巻410号)の“今月のむし”にKTRGの北山健司氏が登場し,ミノオメクラチビゴミムシについて語っている.
KTRGメンバーで,このコーナーに登場したのは,わたくし芦田と奥田好秀氏に続く3人目.
(2005/4/30)
「ねじればね」にチビゴミムシの短報
ごぶさたしておりました.今年はじめての更新です.
さて,先週届いた日本甲虫学会の和文誌「ねじればね」にメンバーの北山氏と森氏によるチビゴミムシの短報が掲載されましたので,紹介します.(それにしても,「ねじればね」は「こめつきばった」にでも改称したほうがええんとちゃうやろか?)
○北山健司・森正人, 2005. リュウノメクラチビゴミムシの地下浅層からの記録.ねじればね (113): 3.
本種は採石のため消滅した徳島県の龍の窟から記載された種で,レッドデータブックでは絶滅危惧I類に指定されている.今回のレポートでは,付近の地下浅層からの記録が報告されている.本種が地下浅層から発見されたのは,はじめてのことである.
(2005/3/28)
主要メンバー紹介
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| 名 称 | 関西チビゴミ研究グループ
Kansai Trechine Research Group(略称:KTRG) |
| 発 足 | 1998年8月29日 |
| 代 表 | 芦 田 久 |
| 会の目的 | 関西およびその周辺地域のチビゴミムシ相の解明 |
| 会 合 | 関西甲虫談話会の会合に寄生(第2,4水曜日に大阪梅田の喫茶店“ステーション・ブラジル”にて)
その他、不定期に採集会・宴会・勉強会を開催 |
| 会 誌 | チビゴミニュース 第1号〜第10号(2000年8月現在休刊中) |
| 出版物 | 日本産チビゴミムシ亜科目録 第VIII版 (Checklist of Trechinae from Japan version VIII) |
| 参加資格 | 関西地方のチビゴミムシに興味を持ち、かつ調査に参加できる人
商売目的の方はご遠慮いただいております |
| 会員数 | 32名(2000年6月現在) |
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