ポップスエヴリデイ(00年1月)



00/01/15

「バーバンクな2枚」

今日もレンタル屋の投げ売りワゴンを物色して、ハーパース・ビザールの「4」と
ドゥービー・ブラザーズのファーストを買いました。どちらも以前聴いたことは
あったものの印象が薄くてそれきり忘れていたという個人的な事情を除けば
取りたてて共通する部分のないアルバムですが、今あらためて聴くとどちらも
素晴らしいアルバムですね。
ハーパースの「4」を初めて聴いたときは相変わらず人工的な音世界を楽しめ
はするもののグッとアレンジがシンプルになったことで、ドリーミーさが薄れた
ように感じていたのですが、今はこの音数の少なさが心地いいです。
ドゥービーズのファーストはセカンド以降の躍動感あふれるロックサウンドを
期待して肩スカシを食らってしまったのでしたが、こんな格好いいフォークロック
のアルバムってそうそうあるもんじゃないよ!と今では思います。アコースティック
ギターとエレキギターの絡みも素晴らしいし、ファンキーなビートも最高です。
「素晴らしい」と「最高」しか言葉を知らないのかと怒られてしまいそうですが、
毎日毎日違う言葉を考えるなんて作家じゃない僕にはムリです!少しずつ
語彙を増やす努力を致しますので今は勘弁してくださいネ。

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00/01/14

「日本橋」

市川崑56年作品。題名のとおり日本橋を舞台にした花柳映画で,泉鏡花の小説
を映画化したもの。淡島千景と山本富士子が扮する二人の芸者の確執を中心に
溜め息が出るようなたおやかな映像美を見せつけてくれます。その分コメディー
作品で見られるような、才気走った映像の遊びが少ないのが少し不満ですが、
安っぽい怪談映画のようなオープニングで、一瞬、観客にオヤッと思わせるあたり
はこの監督ならではという感じですね。もともとこの監督は物語をはじめる前に必ず
クッション的にその映画の舞台とかけ離れたようなシーンを撮ることが多いんです
けど。この作品にも若尾文子がイイ役で出てますが、最近は画面にこの人が登場
するだけで嬉しくなってしまいます。


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00/01/13

「田村英里子を聴く」

「マイセルフ」('90)と「太陽のバカンス」('91)と「少女でいられたら」('92)という
アルバムをそれぞれ200円で買いました。「マイセルフ」の筒見京平作品につい
てはココに書きましたので興味のある方はご覧ください。イマイチ魅力的な楽曲
に恵まれていないカンジの人ですが、結構アレンジが遊んでいる「少女でいられ
たら」がこの3枚の中ではズバ抜けて楽しめました。特にマンチェな(?)英ギター
ロック風アレンジとド歌謡曲なメロディーが全然噛み合っていない、"最後に教えて"
と、同じく曲想とかけ離れたイメージのダヴロックアレンジが怪しい"囁きに負けちゃ
う"の2曲は異彩を放っています。どちらも井上ヨシマサ作品ですが、中山美穂と
いうよりは小泉今日子の「コイズミ・イン・ザ・ハウス」提供曲に通じる作風ですね。
楽曲そのものの良さで耳を惹かれたのは山口美央子作曲の"別れまぎわのYES"
と安田信二の"今日だけSingle Girl"。どちらもプロフェッショナルな歌詞とメロディー
が幸福に出会ったアイドルポップ傑作です。
あと「太陽のバカンス」に収録の沖山優司の"そよ風のウインク"も松田聖子のパロ
ディみたいで面白かったんですが、「マイセルフ」にしろこのアルバムにしろ全体に
アレンジがお手軽過ぎて、悪い歌謡曲の典型というカンジであまり好きになれませ
ん。


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00/01/12

「おとうと」

市川崑60年作品。幸田文の小説を映画化したものだそうですが、これは
泣けます。というか泣いてしまいました。あまりにも甘く悲しい姉弟愛の物
語。姉弟愛の美しさを上手く引き立てている、継母のイジワルぶりがシャ
ープに決まっていて最高です。そしてあの静かで衝撃的なラストシーン。
全くこの監督は当然のように傑作が並んでいて、驚きを通り越して呆れて
しまいます。


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00/01/11

「私は二歳」

市川崑62年作品。「若いサラリーマン夫婦の子育て奮戦記」なんて聞くと
どう考えても見てみたいとは思えなくて、結局、例の再発シリーズでは
一番最後に見ることになってしまいました。で、実際見てみると本当に
若い夫婦の子育ての過程を淡々と綴っているだけの作品だったりするわけ
ですが、これがもう魔術的に面白いんだから、やはりこの監督はスゴ過ぎ
ますよ。はっきり言って衝撃受けました。結婚前の男子女子はみんなこれ
一度は見た方がいいんではないでしょうか。いろいろなことを考えさせられる
作品なんですが、しかし、それを書くと読んだ人は多分この映画見たくなく
なるだろうなという気がする感想のオンパレードなんで敢えてそれは書かず、
この作品にもピチカートファイヴの「大人になりましょう」ネタが潜んでいたと
いうことだけ報告させて頂きます。
山本富士子「あなたも、やっと大人になったのよ」
船越英二「俺が?そうかねえ・・・」
みなさんとっくにご存知かもしれませんが、あの曲にはかなり思い入れが
あるんでつい書かずにはおれないんですよ!

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00/01/10

「岡林信康の世界」

古本屋めぐりをしていて「岡林信康の世界・第2集」というレコードを見つけました。
初期岡林はほとんど未体験だったんですが、オフコースやアリスのレコードと
全然変わらない価格設定と、半数以上の曲ではっぴいえんどがバッキングを
やっているというのに惹かれてゲット。今聞いているんですが、驚くくらいはっぴい
えんどなサウンドですねコレ。勿論あの四人が演奏しているのだから、ある程度
期待はしてましたが、それを大いに上回るはっぴい色の濃さに、思わぬ贈り物を
もらったような気分です。ラッキー。というか好きなアーティストの周辺レコードを
僕があまりに知らなすぎるだけなんですけどね。ツメが甘いんですよ。それは
ともかく、細野晴臣のコーラスがかなりハッキリ聞える"だからここに来た"とか
もう、たまりませんね。


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00/01/09

「殺人症候群」

「オイディプスの報酬」で一旦止まってしまったリチャード・ニーリー体験でした
が思い切ってもう一冊トライ。これは面白かったです。特にヘンリー・スレッサ
ーの「怪盗ルビー・マーチンスン」(キョンキョン主演で映画化されたアレです)
を凶悪にデフォルメしたような、第1章の雰囲気がたまらなく好きです。このノリ
で最後まで書いて欲しかったなあ。
まあ、この作品のキモと言うべき、精神分裂ネタの叙述トリックや幼児虐待ネタ
等は、さすがに今となっては全く新鮮味がありませんが(だから思い切りネタバ
ラシしているんですが)そうは言っても、これが30年前の作品というのはやはり
スゴイですね。


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00/01/08

「鍵」

市川崑59年作品。老年時代のセックスを描いた谷崎潤一郎の名作を映画化したもの
ですが、唐突に画面が停止したりする野心的な演出や、スタイリッシュな映像の連続
にゾクゾクしてしまいました。原作読んだのは高校生の頃ですから当然筋書きはまっ
たく覚えていませんでしたが、こんな話でしたっけ。少なくとも英国のブラックコメディ
のようなこんな結末はなかったような気が・・・。相変わらず出てくる女優はみんな無
表情ですが、それだけに主人公が死んだと分かったときの奥さんの満面の笑顔は
メチャクチャ怖かったです。さすが京マチ子。

ところで仲代達矢のセリフで「大胆なポーズじゃないですか、敵わないなあ大人には」
というのがありましたが、確かこれ、ピチカート・ファイヴが「大人になりましょう」で
サンプリングしまくっていた映画セリフの一つですよね。


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00/01/07

「カルトGSコレクション」

コロムビア編が出ていたとは知りませんでした。会社の近くの中古レコード屋で発見
して、迷わず3枚すべて購入。モージョだのフローラルだのといった名前は知っている
けど中古レコード屋の壁に飾られているのを見たことすらなかった激レア盤の数々か
ら惜しげもなく収録されていますが、とにかくモージョが強烈!Vol.2の"欲ばりな恋"に
Vol.3の"クレイジーミッドナイト"、どちらも死ぬほどカッコイイです。このシリーズ個人
的には正直言って聴くのがツライ曲が大半を占めてるような印象を持っていて、この
コロムビア編もやはり例外ではありませんでしたが、この2曲を聴けただけでもう満足
です。それに、ここに収録されているシングル1枚買うより遥かに安い値段でこんなに
イロイロ聴けるんですから、とても文句は言えませんね。ところでこのCD、発売は96
年になっていますが、お馴染みの黒沢進氏のコメントは94年3月付けになってますか
ら、おそらく再発されたもののようです。


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00/01/06

「ショーケンを発見」

ムーン時代の萩原健一のアルバムを聴いて驚きました。聴いたのは87年の「Straight
Light」と88年の「Shining With You」なんですが、この歌っているというより奇声をあげ
ているといったほうが良さそうなヴォーカルは一体なんなんでしょうか。浅川マキの
「Strnger's Touch」を初めて聴いたときのような衝撃を受けました。中古屋の投げ売り
コーナーでよく見掛けるバーボン時代の「ナジャ」とか、あんまりしっくり来なかったんで
正直な所それほど期待せずに聴いただけにガツーンときましたね。


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00/01/05

「処刑の部屋」

市川崑56年作品。ヒリヒリするような青春爆発映画です。川口浩がシニカルなインテリ
不良大学生を熱演。いわゆる「大人はわかってくれない」系ですがよくあるような絵に描
いたように悪い大人ばかりでてくる薄っぺらなストーリーではなく、大人側の論理もキメ
細やかに描かれているので、逆に主人公の若さゆえの潔癖さが胸に響いてきます。
これはむしろ大人になってから見たほうが、より感情移入できる作品かもしれません
ね。若い日の自分に再会したような甘酸っぱい気分になる映画です。それにしても
若尾文子はイイなあ。


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00/01/04

「マグネティック・フィールズ」

このグループも気が付けば随分長いですね。去年の終わりに買った「69 Love Songs」
という69曲入りの3枚組(!)アルバムをこのところ毎日聴いています。チープなギター
ポップ風の曲が並んだVol.1はあまり好きになれないんですが、あとの2枚が相当イイ
です。次から次に飛び出してくるファニーなポップソングの数々にアタマがクラクラ、
まさにアイデアの奔流といった感じで、彼らもまたスラップハッピーズ・チルドレンの一人
であることを実感させてくれる、重要でステキなアルバムです。


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00/01/03

「スラップ・ハッピー」

ついに「Sort Of」がCDで再発されました。友人に「エルレーベル好きなら必聴」と騙され
てダビングテープを手渡されたのが10年以上前で、それ以来、テープが擦り切れるほど
聞いていた超愛着盤ですが、いつしか、そのテープもどこかに紛れて見当たらなくなり、
スラップ・ハッピーの音楽を聴くこと自体が稀になってしまいました。しかし、実際店頭
で再発CDを手にとった瞬間カーッと血が騒いでしまい、気が付いたらレジに直行して
しまいました。危ないですね。

とにかく思い入れがありすぎて、いまさらビートルズやビーチボーイズの音楽を冷静に
語ろうとしても語れないように、彼らの音楽についても今更どうこう書くことなど出来ま
せんが、これからもポップスに対してある種のスタンスをとる人たちにとっては永遠に
スタンダードとして輝き続けるアルバムであることは間違いないでしょう。

「穴」

市川崑'57年作のミステリー・コメディー。初めは先の読めない不条理な展開の連続
に爆笑しながら見ていましたが、後半、主人公を罠に嵌めようとする一味との掛け
引きがスリリングに繰り広げられるあたりから次第に手に汗握ってしまい気が付い
たら夢中で見入ってしまいました。とにかくこの作品はタイトルが上手いです。ラスト
シーンで大きな穴が出てくるのですが、そうか!こういうことか、と膝を打つこと間違い
なしの憎い演出。ジャック・ベッケルのパクリと思って敬遠しているような方にも是非
見て頂きたい傑作です。また京マチ子のマシンガントークがこの作品でも冴え渡って
いて痛快。


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00/01/02

「R&Bブーム」

今日は我が家ではR&Bがブレイクしていました。とくにアリーヤやモニカ、ブランディ
といったガールもの。この辺が個人的に、それまであまり馴染みのなかったブラック
系のコンテンポラリーなヒット曲が大好きになるきっかけになったんですが、ジャネット・
ジャクソンの「JANET」やメアリ・J・ブライジの諸作を初めとして本当にこの頃のR&B
は名盤揃いでどれも最高です。TLCの最新作に馴染めなくて、この所すっかりご無
沙汰気味のR&Bシーンでしたが、これからちょっと復帰してみようかなと思いました。
何かイイ最新R&Bオススメ盤はありませんでしょうか。

「スネーク・アイズ」

見ました。ブライアン・デ・パルマの最新作。これは面白いですね。やはり「ミッション・
インポシブル」は何かの間違いだったのでしょう。長官が殺されるまでの最初の何十分
間の映像のほぼ全てが伏線という強力な仕掛けにシビれます。デ・パルマらしいとしか
いいようのないトリッキーな傑作。あのニコラス・ケイジの相手役をやっていた女優、
多分初めて見ましたが、とてもイイですね。名前覚えとかなくては。


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00/01/01

「サマンサに夢中」

素晴らしいですね!サマンサ・フォックス。88年発表のサード・アルバム「赤い誘惑」が
ただいま我が家でヘヴィー・ローテーション中です。その濃厚なルックスからは想像も
つかないキュートな声質で"二人だけのデート"なんて歌われてしまったら、ただ夢中で
リピートボタンを押しつづけるしかないですよね。お馴染みのストック/エイトケン/ウォー
ターマン組のユーロビートサウンドに加えて、あのフルフォースが充実のハウスサウンド
を聞かせてくれるこの極上のポップスアルバムを聴いて過ごすお正月なんて、本当に
素敵じゃないか!

「さようなら、今日は」

今日も市川崑の映画を見ました。'59年のカラー作品。これは新年を飾るに相応
しい傑作。この人に駄作はないんでしょうか。会話のテンポの早さがここでは極限
まで突き詰められていてハワード・ホークスの「ヒズ・ガール・フライデイ」を超えて
いるのではないかと思う瞬間すらありました。それに若尾文子の演技が素晴らしい
ことといったら!クールな魅力が爆発しています。互いに好意を抱いている男女が
ついに結ばれない筋書きも、他人を不幸にしてでも自分の幸せを掴み取る、昨今
のTVドラマの嫌らしさとは無縁の清々しさに満ちていて、見ていて本当にいとおし
い気持になる映画です。

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