ポップスエヴリデイ(00年1月)



00/01/31

「愛ふたたび」

市川崑71年作品。浅丘ルリ子とルノー・ベルレーが共演した国際派ラヴ・ロマンス
映画。この素晴らしさを何と表現したらいいのでしょう。最初から最後まで見どころ
満載のこのハードコアなメロドラマ、とにかく一度見てみてくださいとしか言いようが
ない傑作です。本気なのか狙ってるのか判然としない過剰な演技と演出の連続に
初めは苦笑しながらも知らないうちにグイグイ画面に引き込まれ、終わってみたら
あまりのスゴさに圧倒されてタメイキも出ない、という状態にこの映画を見た人は
きっとなるはず。脇を固める桃井かおりと石立鉄男のフレッシュな演技も最高です。
そしてソフトロックと現代音楽が同居したようなサウンドトラック(馬飼野俊一)
の素晴らしさといったら!これは絶対にCD化して欲しい、いやするべきだ!と
強く感じました。これは本気で出会えてよかったと思える映画です。


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00/01/30

「くうきこうだん」

空気公団というグループのアルバムを聴きました。素晴らしい。インディーズでこの
クオリティーの高さは尋常ではないですね。サニー・デイ・サービス以降はっぴいえ
んどのファミリーツリーをなぞるような音楽性のグループがたくさん登場しましたが
この系譜ではキリンジ以来の逸材だと思います。もし僕が10代でこのアルバムに
出会っていたらおそらく熱狂のあまり何も手に付かなくなったかも知れないな。

「太平洋ひとりぼっち」

市川崑63年作品。石原裕次郎主演。ヨットで太平洋を横断した人の有名な手記を
映画化したもの、ということでビリー・ワイルダーの「翼よ、あれが巴里の灯だ」の
ような感動を期待して観たわけですが、石原裕次郎の演技がスゴすぎて(笑)・・・。
正直言ってこの人はこういう映画には向いていないような気がしました。それに
武満徹のおどろおどろしい音楽も明らかにミスマッチで、素晴らしかった「雪之丞
変化」と同じ年の作品とは思えない迷作でしたが、相変わらず洒落っ気のある幕切れ
と、この人にもこんな時代があったのかと驚かされる浅丘ルリ子の凛々しい美少女
ぶりが収穫でした。


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00/01/29

「グッド・ナイト・トーキョー」

という歌謡曲の編集盤が発売されてました。小西康陽監修でコモエスタ八重樫が
選曲ということで大いに期待したのですが、曲目を見たところ既にCD化されている
曲が大半を占めていて、しかも値段は3,000円とP-VINE盤以上の高値で一気に
買う気が失せてしまいました。しかしウッカリ試聴してしまったばかりにモージョの
未発表曲"ソー・ロング・ベイビー"と石川晶のナンバーの素晴らしさに呆気なくノック
アウトされてしまい、泣く泣くレジに持っていくハメに。選曲に関しては海外に日本の
レア・グルーヴを紹介するというライナーに書いてあるこのシリーズの趣旨からする
とまあ納得できるんですが、何でこんな破格な価格設定になったのか実に不思議。
60'sキューティ・ポップ・コレクションやカルトGSコレクションのコロムビア編を持って
いない人にとっては文句なく素晴らしいアルバムだと思います。僕もこの辺のシリーズ
を全て揃えているわけではないので、(シリーズ物を揃えるの苦手なんです)他社の
音源でこういうのが出たら大歓迎するかも知れません。


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00/01/28

「ど根性物語 銭の踊り」

市川崑64年作品。勝新太郎が主演しています。タイトルバック前のアクションシーン
が最高ですが、本編になるとダレ場の連続で死ぬほど退屈しました。やたらと説明的
なセリフが多くて、スピード感に欠ける脚本(市川崑がペンネームで執筆)が強力に
眠気を誘い、娯楽アクション映画でありながらオヤスミ前に鑑賞するのにピッタリの
アイテムになっています。個人的にこの映画で勝新デヴューを目論んでいたのです
が、「悪名」や「座頭市」といった勝新映画をガンガン見まくる日が来るのは当分先の
ことになりそうです。
なお、音楽はハナ肇が担当していますがこれは意外と格好良かったです。


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00/01/27

「サム・プレコップ」

のソロ・アルバムをようやく聴きましたがこれはウワサ通りの大傑作。感激のあまり
「ノース・マリン・ドライヴ」の90年代版はコレですよ!と誰彼なく吹聴して廻りたい
ような気分になってしまいました。凛とした静謐さとユーモアに溢れていて、ギター
ポップではなくネオアコが好きな方やカンタベリーロックのファンの方に是非お勧め
したいステキな音響ロックアルバムです。


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00/01/26

「筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス」

このシリーズが発売されてもう2年にもなるんですね。今日はいしだあゆみの2枚組
を久し振りに引っ張り出してずっと聞いていました。筒美京平の提供曲をすべて収録
した素晴らしく便利な編集盤ですが、これを聴いているとB面曲やアルバム収録曲に
イイ曲が多いのに改めて驚かされます。"誘惑的な午後"や"白いしあわせ"といった
定番ナンバー以外にも野心的な名曲が満載で、耳慣れた大ヒット曲以外は曲だけ
聴いてもどちらがA面なのか分かりませんね。特に"愛よ行かないで"のアレンジの
格好良さは何度聴いても心を奪われてしまいます。このCDを聴くたびに歌謡曲は
シングルB面やアルバムもマメにチェックしなくてはいけないと思い知らされます。



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00/01/25

「破戒」

このところ、まるで「新潮文庫の100冊」のようなタイトルが並んでいますが、これは
市川崑の62年作品。言うまでもなく部落差別をテーマにした島崎藤村の名作を映画
化したものです。中学生の頃に読んだ小説なのでどれくらい原作をいじっているの
か分かりませんが、延々とディープな話が続いた挙げ句最後にいきなり爽快な青春
映画のようになってしまうので戸惑いました。市川雷蔵が「炎上」を思わせる(昨日見
たばかりですが)苦悩の演技を披露しています。しかし、この映画の長門裕之は光っ
ていますね。あと、オープニングの浜村淳が牛に突き飛ばされて死ぬシーン、とても
迫力満点なんですが、なんか笑ってしまいました。


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00/01/24

「炎上」

市川崑58年作品。70年代のATG系映画を先取りしたようなダークな青春ドラマ
です。市川雷蔵が二枚目俳優のイメージを大きく裏切る、屈折した主人公をひた
すら陰気に演じていてメチャクチャ華やかだった「ぼんち」とのギャップがあまりに
強烈。黛敏郎の手による現代音楽風のサウンドトラックも独特なハマり方をしてい
て印象的でした。とにかくラスト近くの金閣炎上シーンは一見の価値があります。


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00/01/23

「スリー・オリジナルズ」

バーデン・パウエルのMPS録音のアルバムをパッケージしたこの2枚組CD、久しぶり
に聴きました。昔、ボサノヴァを齧りはじめた頃にこの人の演奏を聞いたときは余りに
弾き過ぎるそのスタイルに少し辟易してしまったものでしたが、今となってはこのクラシ
カルで華麗で繊細な演奏スタイルがとても胸に染みてきます。こういうこともあるので
安易にCDやレコードを売り飛ばしてしまうのは考え物ですね。何でも買ってみて、
全部とって置くというのが理想的です。よっぽど広い部屋に住んでいるかレコード
庫みたいなものがない限り、生活スペースをレコードに圧迫されて窒息してしまうか
もしれませんがそんな風に音楽に殉じて過ごす人生もまた美しいのかもしれません。
少なくとも僕は尊敬してしまいますね。


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00/01/22

「ビルマの竪琴」

市川崑56年作品。文部省選定ということで(?)これまで見たこの監督
の作品のなかでは正直言って一番退屈しました。異様に暗い画面が印象
に残りますが・・・。唯一ハッとさせられたのが、ラストで隊長が水島の手紙
を読んだ後、隊員たちは号泣するのかと思いきや、サバサバと帰国後の
生活についてペチャクチャ喋り合うというシーン。どこか「おとうと」のラスト
にも通じるこのドライさはこの監督ならではですね。


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00/01/21

「またしてもサマンサ」

サマンサ・フォックス、セカンドもメチャクチャ良いですね。セカンドまでは
ストック/エイトケン/ウォーターマンがプロデュースを仕切っていたんだと
思い込んでいましたが、彼らもこのアルバムから参加したみたいですね。
フルフォースとのコラボレーションも既に1曲ありました。
さっからもう何度もリピートしてますが全く飽きることがありません。
グッド・ミュージックに乾杯。


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00/01/20

「ビージーズ」

ビージーズと言えば"サタデイ・ナイト・フィーバー"が大好きで初期の
"ホリデイ"や"マサチューセッツ"は甘口過ぎてあんまり好きじゃない。
だから初期のアルバムとか全然聴いてないし聴く気もないね。
今までそんな風に思っていた僕は本当に救いようのないバカでした。
今日レンタル屋の投げ売りワゴンで買ったアルバム「オデッサ」を聴いて
とてもショックを受けました。イイ曲ばかりじゃないか!このポスト・サイケ
の理想形のひとつともいえそうな完成度の高い音楽性はどうだ。これほど
のビッグネームの名盤を今まで聞き逃していたなんて全くポップスファン
失格です。明日は早速彼女にロック・ディスコグラフィの本を借りてビージ
ーズを徹底的に学習するつもり。


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00/01/19

「雪之丞変化」

市川崑63年作品。長谷川一夫の300本記念映画なんだそうです。
もうとにかく面白い!面白い映画ってコレのことなんだ、と観ている
間中、ひたすら幸福感を噛みしめていました。とにかくシンプルな
筋書きの強さをまざまざと見せ付けられる感じで、親の仇討ちの話
にこれだけ胸が躍るなんて、今までいかに詰まらない時代劇しか
観ていなかったのか思い知らされました。ジャズを基調にしたサウ
ンドトラックもカッコよすぎます。
若尾文子と山本富士子というお馴染みの女優が出演していますが、
この作品はとにかく山本富士子がメチャクチャ良い!あの女泥棒は
最高のキャラですね。この作品で彼女のフィルモグラフィが終わって
しまったなんて本当に信じられない。
ただ一つ残念なのは長谷川一夫が雪之丞をやるにはあまりに老け過
ぎていること。若尾文子が恋患いの末に死んでしまうようなイイ男には
とても見えません。おそらく当時の観客はアタマの中で必死に若き日
の長谷川一夫を思い描きながら観ていたんではないかと思います。


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00/01/18

「ぼんち」

市川崑60年作品。永遠の二枚目俳優市川雷蔵のおんな遍歴映画で、原作は
山崎豊子のベストセラー小説。アクション映画のようなオープニングを除けば、
全体的に船場の商人の世界を舞台に情緒的な映像が続きますが、先の読め
ない展開で最後までダレることがありませんでした。とにかく若尾文子が素晴ら
しい(笑)。
劇中、落語家のセリフで「あんさんええ思いしはりましたなー」というのがありまし
たが、この映画を見た誰もがそう思うのではないでしょうか。あと「プーサン」にも
出演していた越路吹雪がここでもアクの強い演技を披露していて、ポップスファン
は見逃す訳にはいきませんよね。

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00/01/17

「ちょっと遅れて聴いた新作」

マウス・オン・マーズの「NIUN NIGGUNG」とフレイミング・リップスの「THE SOFT
BULLETIN」を聴きました。どちらも昨年出たアルバムで、買おう買おうと思っている
うちに年が明けてしまい残念に思っていたんですが、こういうのは最初に見掛けた
ときに買わないとなかなか買わないんですよね。何しろ次から次へと魅力的な新譜
が発売されますからポップスファンも大変です。でもこの2枚のアルバム、品切れする
前に買っておいて良かったですよ。だって本当に素晴らしい内容なんだもの!
どちらもいい感じでポップ化したサウンドを聞かせてくれます。今のマウス・オン・マー
ズはとにかく何やっても格好良く聞えるんで良くて当然ではありますが、少し不安
だったフレイミング・リップスも個人的にちょっと苦手なギターポップ系の鼻歌メロディー
が全く気にならない強烈なアレンジにシビれました。
ところで僕にはフレイミングリップスの"Race For The Prize"という曲が加藤いづみの
"切なく青い空のページ"にダブって聞えるんですがこれってただの妄想でしょうか。


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00/01/16

「野火」

久しぶりの戦争シネマ。市川崑59年作品。極限状況に置かれた人間心理を
得意のブラックユーモアを交えて描いています。役作りのために絶食していた
という船越英二の鬼気迫る演技がスゴイです。サムライズのリーダーやロカビリ
ー歌手としてポップスファンにはお馴染みのミッキー・カーティスの怪演も見逃せ
ません。


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