ポップスエヴリデイ(00年3月)



00//03/26

「ビフ・ローズ」

今月も「名盤探検隊」のお世話になってしまいました。ついにビフ・ローズも
再発されましたね。以前、当サイトのマンスリー・チャート・コーナーで、
セカンドアルバムの曲を紹介したことがありましたが、今回CD化されたサー
ドアルバムも素晴らしいです。ピアノの弾き語りが中心の一見地味なシンガ
ーソングライターアルバムですが、次々にキャッチーなメロディーが泉のよう
に湧き出してくるこのセンスの良さはやはり只者ではないですよ。ライナーに
も書いてありますが、ジョン・サイモンやニルソンが好きな方は一聴の価値が
あるノスタルジックサウンド傑作盤です。


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00/03/24

「π」

を見ました。衝撃の数学ホラー。これは凄い。デヴィッド・リンチの「イレイザ
ー・ヘッド」を思わせる粒子の粗いモノクロ画面がちょっとカルト映画っぽくて
取っ付きにくい感じがしますが、アクション映画的な趣向で畳み掛けるように
展開するストーリーはやはりエンタテインメントそのものですね。そして映画
のテーマ同様スパイラルなストーリー構成になっていることが最後に分かる
仕掛けがなかなか鮮やかです。あとサウンドトラックがやけに格好いいと思っ
てネットで検索してみたらエイフェックス・ツインやマッシヴアタックといった
錚々たるメンツが参加しているんですね。


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00/03/22

「可否道」

獅子文六の「コーヒーと恋愛」を読んでいて、最近では死語になってしまった
中間小説という言葉を思い出してしまいました。こういうのって本当に久し振り
に読んだ気がします。コーヒーをいれるのがあまりに上手すぎるために恋愛に
失敗してしまう主人公の悲喜劇を描いた小説で、アメリカンコーヒーのように
薄くて軽い文体(しかも相当古臭い言い回しが続出)は好き嫌いが分かれるか
と思いますが、たまにはこういうのもイイですよね。全体に散りばめられている
コーヒーに関する専門的なウンチクも結構勉強になります。
「可否道」というのはこの小説の元々のタイトルで「可否」は勿論「コーヒー」の
当て字。最近では「珈琲」というのが一般的ですね。


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00/03/18

「パラサイト」

を見ました。ロバート・ロドリゲス監督の学園ホラー。学園を侵略するエイリアン
と戦う高校生グループのキャラの書き分けが80年代のジョン・ヒューズの青春
映画みたいで面白かったです。映画の世界でもエイティーズ感覚が復活して
いるんでしょうか。とはいえ個人的にあの辺の青春映画にそれほど思い入れは
ないんで、ロドリゲスならではのスピーディなストーリー展開と一体になっていた
からこそこのパロディ感覚も楽しめたのでしょう。でも最近多いですよね学園物
プラスアルファな映画。「カラー・オブ・ハート」も現代と50年代の学園事情の
ギャップで笑わせているところがあったし。「スクリーム」や「ラストサマー」が
大ヒットした影響なのかな。
あとハインラインやフィニィに関するマニアックな会話には「またか」と思いつつ
もやはりくすぐられてしまいました。


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00/03/17

「花田清輝」

の「鳥獣戯話」を読みました。武田の三代記を信玄ではなくその父親の
信虎に焦点を当てて描いたエッセイとも小説ともつかない不思議な作品
ですが、これがまた滅法面白い。どこまでが史実でどこからがフィクション
なのか得体のしれない文章から、実に奇妙なやり方で歴史を動かした怪
人物のイメージが鮮明に浮かびあがってきます。この親父は強烈すぎま
す。国を追われたあと刀を捨て、息子の信玄や信長といったつわものたち
を口先一つで煙に巻く第2章以降の展開は本当にスリリング。


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00/03/16

「マシュー・スウィート」

の86年作「インサイド」というのを聴いてます。爽快でいいですねコレ。
甘ったるい声に少しハードなギターサウンド、そして時代を感じさせるエレ
ポップ風味が少し。モダンポップというか少し産業ロックっぽい曲作りも今
は心地よく聴けます。「ガールフレンド」が一部で大ヒットしてた頃はこの人
のメロディに垣間見えるこの「産業」っぽさがとにかくイヤで全然イイと思え
なかったんですけど、今は素朴なアマチュアリズムより「産業」の技巧の
方に惹かれてますから。それにエイティーズ・サウンドって気が付いたら
とてもエヴァーグリーン度を増していますよね。当時大嫌いだった産業系
やブラコン系のヒット曲なんかも曲の出来不出来に関わらずとりあえず
イントロだけでグッときてしまうことが多いです。1年位まえにそれまで自分
にとって嫌いなタイプの曲の筆頭だったスターシップの"シスコはロックシテ
ィ"を聴いてこんなにキャッチーな曲ってないよ!とか思っている自分に気付
いて愕然としたことがあるんですが、あの頃から自分の中ではエイティーズ
がシックスティーズやセヴンティーズとほぼ等価になったような気がします。
最近、当時の「ナウ!」とかのヒット曲編集盤を100円くらいでよく買うので
すが、もう生理的にキライな音って完全になくなっていますねエイティーズ
に関しては。それは産業だろうがメタルだろうがブラコンだろうが関係なく。
80年代当時は特に全米チャートのヒット曲は嫌いな曲ばかりだったんです
けどね。
なんだか話しが随分ズレてしまいましたが、この「インサイド」というアルバム
の80年代ならではのキラキラしたサウンドとキャッチーなメロディに身を任せ
ているとついそんなことを考えてしまうのです。


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00/03/15

「OUR MAN FROM R.O.M.E.」

という60年代のイタリア映画音楽のコンピレーションを聴きました。この手の音源
が一時期死ぬほど出回りはじめてその頃から段々この辺の音楽からは遠ざかっ
ていたのですがたまに聴くとやはりイイですね。この手にありがちなオルガンとか
スキャットとかジャズファンクのビートに偏執的にこだわった編集になっていない
ところにも好感が持てます。ヴァラエティに富んだ編集なのでどの曲も楽しく聴け
ますが、個人的なベストトラックは3曲目の"Spy Chase"。急速調のジャズ・スキ
ャット・チューンですが、お洒落というよりはどこかホノボノとした風情があって
和みます。しかしサウンドトラックを聴くという行為も最近はさすがにあまりヒップな
感じはしなくなってきましたね。どちらかというとかつての軽音楽ファンに近いイメー
ジになって来ているのではないでしょうか。この編集盤の音源がたまたまそういう
雰囲気なだけなのかもしれませんけど。


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00/03/14

「カラー・オブ・ハート」

を見ました。いやー面白い。モノクロームの世界が少しずつ色を手に入れて
ついには一面のテクニカラー・ワールドになるという単純で強力な設定にシビ
れます。小説やマンガならまだしも映画でこれをやるなんて!それにしても
ゲイリー・ロスという監督は本当にイヤミのないファンタジーを撮る人ですね。
裁判シーンの演説がまるでフランク・キャプラの「スミス都へ行く」のようだっ
たりして結構クサイお話なんですが、こういうクサイ話をシラケさせずに楽し
ませてくれる映画ってなかなかないですよね。

ラストに流れるフィオナ・アップルのダウナーな"Across The Universe"カバー
も最高です。

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