ポップスエヴリデイ
01/12 /15
「血と砂(ビデオ)」
岡本喜八の1965年監督作。戦争アクション的な「独立愚連隊」と反戦思想を明確に打ち出し
ていた「肉弾」の中間的な雰囲気をもつ作品。三船敏郎演じる軍曹が、音楽学校を卒業したての
少年達ばかりで構成された軍楽隊と出来損ないの兵隊3人を引き連れて、敵の砦を奪還し、
最後に玉砕するまでを描いているのですが、悲壮でありながらユーモラスなエピソードが
散りばめられていて不思議に心温まる映画でした。
死んでいった仲間を弔うために銃火の中で少年達が狂ったように「聖者が街をやってくる」を
演奏しつづけるラストシーンは後年の「ジャズ大名」を思わせます。
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01/12 /06
「CANDY(祥伝社文庫)」
400円文庫シリーズで鯨統一郎の書き下ろし作品が出てました。これがこれまでの歴史・
民俗学の蘊蓄ミステリーのイメージを覆す多元宇宙テーマのSF中編だったんで驚きましたが、
しかしこのスピード感は素晴らしい。オヤジギャグ・スレスレの危険な駄洒落とナンセンスの応酬
はかつてのヨコジュンのハチャハチャSFの再来のようでちょっと懐かしくもありますが、カラカラ
に乾いたセンスはやはりこの人独自のもの。しかしなぜ二人称なんだろう。
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01/11 /18
「武士道無残(ビデオ)」
森川栄太朗監督の60年作品。この監督の名前は全然知りませんでしたが、パッケージに
書いてあった「松竹ヌーベルバーグ時代劇」というフレーズに惹かれて借りました。
主君の息子が死んだために、ほとんど縁もゆかりもない同年輩の若者が殉死させられる
という、ヒドイ話。しかも、自害する直前になって徳川幕府から「殉死禁止令」が出たために
殉死の儀は取りやめられ、今度は死なせないようにと監禁されてしまうというあんまりな展開。
何よりも体面としきたりを重んじる武家社会の暗部を抉る、というより、良く出来たブラックユーモア
作品として味わいたい映画です。不条理な運命に対する怒りと狂気を予感させるラストはどこか、
昨日読んだ西村寿行の短編を思わせます。
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01/11 /17
「魔界(講談社文庫)」
西村寿行の70年代後半の作品集。暴力と怨念が渦巻く長編のイメージが強い作家ですが
この短編集は捻ったオチで読者を裏切るなかなかのアイデア・ストーリー揃い。ラスト数
ページで怒涛のドンデン返しを見せる「残像」は、昔の大映テレビの血縁ドラマのオープ
ニングみたいだし、シュールな雰囲気が漂う「忍びよる闇」なんかは、SF作家が書いたホラー
短編みたいな奇妙な味わいがあります。
全体に「汚れた血の悲劇」みたいなテーマがやはり多いんですが、それが「世界七不思議
ものがたり」とか「ウソのような本当の話」みたいな実話物を読んでいるような、不思議な
リアリティを読者に感じさせて、妙に物語にグイグイ引付けられてしまうんですよねえ。
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01/11 /11
「山椒太夫(ビデオ)」
森鴎外の小説を映画化した溝口健二の54年作品。助監督に田中徳三の名前が。
「安寿と厨子王」という可哀相なお話のことはなんとなく覚えてましたが、実写で見ると、
幼い兄妹と美しい母を襲う運命のあまりに悲惨さに胸がつぶれるような思いがして、
オヤスミ前の睡眠薬代わりに昔の格調他高そうな映画でも見ようと思って見始めたにも
かかわらず、逆に目が冴えてしまい、まんじりともせずに朝を迎えてしまいました。
田中絹代演じる母親に襲い掛かる、思わず目を覆いたくなるような悲劇が強烈に
印象に残る映画ですが、幼年時代の安寿の可愛さは唯一の救いでした。
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01/11/03
「ジジメタルジャケット2 ザ・デルタ(ブルース・インターアクションズ)」
泉昌之の「ジジメタル・ジャケット」第2弾!マニアックな音楽ネタとジジむさいギャグ
が交錯する独特なノリは健在で、今回は題材がブルースになっているせいか、より
ディープな印象。とにかくこのマンガのライブ描写は強力で、読んでいると本当に音が
聞えてきそうな気がしてきます。ジジメタル・ジャケッツのギタリスト徳さんの神がかった
プレイを聞いて聴衆が口走る「なんちゅうーアームプレイだ!」「アイク・ターナーのアー
ミングより危険だ!!」というセリフは今回一番ツボにハマりました。
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01/11/02
「ドムドムビジョン(ビデオ)」
原題は「Tunnel Vision」という1976年の作品。「元気が出るパロディ・ビデオ」シリーズ
の一本です。トンネル・ビジョンというケーブル・テレビ局(?)の番組を上院委員会で審議
するという設定で、延々と同テレビ局の番組が流される訳ですが、それぞれがいかにも
という感じの現実のテレビ番組のパロディになっていて、それなりに笑えました。
大体一つのネタが5分ぐらいなんですが、ご丁寧にも各番組にテーマソングが作られてて
当然これがいかにもという感じの曲なんですが、どれこれも妙にクオリティが高くて不気味。
下手したら実際のTV番組テーマ集のレコードやCD聞くよりよっぽど充実した音源集なん
じゃないでしょうか。この音楽やってる人って有名な人なんでしょうかね。今度じっくり
クレジットをチェックしてみよう。
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01/11/01
「若者たち(アクションコミックス)」
貧乏な5人の若者の一年間の同居生活をリリカルかつユーモラスに描いた永島慎二作品。
昭和48年が初版発行で、僕が買ったのは53年発行の27版ですから、70年代を通じて、
本当によく読まれたマンガみたいですね。今読むと70年代っぽい不器用な若者像がとても
懐かしい感じですが(デフォルメされた絵柄も含めて)、当時は等身大の若者像として読者
に受けいれられていたんでしょうか。
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