ポップスエヴリデイ(00年11月)



00/11/25

「奇人たちの晩餐会」

監督はフランシス・ヴェベールという人ですが、聞いたことないです。でも
話はメチャクチャ面白い。それそれが一人ずつ自分が発見した”バカ”な
人物を連れてきてそのバカさ加減を競い合うという下らない晩餐会に出席
するためにある男をスカウトした主人公がその男のあまりに馬鹿な言動に
翻弄されて馬鹿をみるという話。「非常に人が良く善意にあふれた人間=
無神経で迷惑なヤツ=馬鹿」という図式が痛快です。こういうのは徹底的に
シニカルに展開してくれたほうが面白いような気がするので、最後ちょっと
ホロリとさせるところが余計なような気もしますが、全編これだけ笑わせて
くれたら大満足。結局最後まで晩餐会の場面がないというのも憎い趣向
ですね。


♪「A Dub Experience」 Sly&Robbie

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00/11/24

「I Love ペッカー」

ジョン・ウォーターズの映画。爽快なファミリードラマ風な演出にところどころ
毒や皮肉がおりまぜられるいつもの作風ですね。まあ、これまでジョン・ウォー
ターズの映画というと伝説の「ピンクフラミンゴ」とか「フィメール・トラブル」
なんかは何となく避けていて「シリアル・ママ」と「ヘア・スプレー」しか見た
ことないんでそう思うだけかも知れませんが、少なくともこの2作品と「I Love
ペッカー」は地続きになっていますよね。

スノッブなNYの芸術関係者たちがペッカーの撮った素人臭い写真にコロッ
とイカれてしまうというまさに「ヘアスプレー」そのもののような展開ですが
こういうのは夢があって楽しいですよ。本当に。個人的には主役のエドワー
ド・ファーロングのイヤみのない笑顔とクリスティーナ・リッチの毒気の強い
キャラクターという組み合わせにグッときました。

あと、オープニングとエンディングに流れる死ぬほど能天気なポール・エバンス
の「Happy-Go-Lucky-Me」がメチャクチャはまっていて、「シリアル・ママ」で
バリー・マニロウや「アニー」の音楽を再発見したような感覚をまたしても味わい
ました。ひそかにジョン・ウォーターズは僕のポップスライフを確実に広げてくれ
ています。


♪「Greatest Hits」 Roy Orbison

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00/11/23

「すべてをあなたに」

トム・ハンクス監督作品。初監督とは思えないほど危なげのない演出で安心
して楽しめる娯楽作。しかもこの人脚本は書くわ、劇中で使われている音楽
の一部も作曲してるわで、想像以上に多才な人なんですね。

ローカルなガレージバンドが「すべてをあなたに」というマージービート風
パワーポップナンバーで全国区の人気者になったかと思うと一瞬で解散
してしまうという本当によくありそうな話ですがバンドのメンバーのキャラ
クター分けが絶妙で、バンドをやったことのある人なら、「こんな奴いた
いた!」とか「俺はこんなだったなー」とか思うこと間違いなし。最後に
出てくる解散後の各メンバーの後日談もいかにもっていう感じで笑えます。

やりようによっては挫折感にみちた苦い話になりそうなところをうまくハッ
ピーエンドにしたさじ加減がイイ感じ。トム・ハンクス監督のこれからの
作品にも期待が高まります。

♪「Por Favor!」 Los Shakers


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00/11/20

「橋の上の娘」

パトリス・ルコントの映画はいつも奇妙な人生ドラマを絶妙なストーリー・テリング
で楽しませてくれますが、これも質の良い短編小説のような一品。人生に絶望し
て橋から身を投げようとする女(ヴァネッサ・パラディ)を男が「どうせ死ぬなら」と
ナイフ投げの的にスカウトする導入部だけでワクワクしてしまいますが、緊迫した
ナイフ投げのシーンを何度か差し挟んで、最後までテンションを落とさずに上手く
話を転がす様はまさに職人芸。それにしてもナイフ投げがこんなにエロティックな
ものだったなんて!

とにかく突然主人公が馬鹿ヅキしまくる物語って夢があっていいですね!と書こう
と思ったんですけど考えてみれば娯楽映画のストーリーのほとんどが該当してし
まいそうですね。まあ、でも映画を見てる間くらいは夢を見ていたいものです。


♪「Suite Sixtine」 Lio

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00/11/18

「ヘザーズ」

この1ヶ月くらい映画はご無沙汰だったんですが、久し振りにビデオ屋行って
コレ借りました。ウィノナ・ライダーとクリスチャン・スレイター主演の学園コメ
ディ。監督のマイケル・レーマンは「アップルゲイツ」という狂ったコメディ映画
を以前見たことがありますが、この「ヘザーズ」も相当狂ってますねえ。

ヘザーズという学園の女王的な三人組に使い走りをさせられて鬱屈した日々
を過ごしていたウィノナ・ライダーがアウトロー的なキャラクターの転校生(クリ
スチャン・スレイター)に出会い、二人で気に入らないヤツらを懲らしめる、とい
う単純な学園コメディ映画と思いきや、実はその転校生は異常性格者で、気が
ついたらウィノナは連続殺人の片棒を担がされていて・・・というブラックな展開
で笑わせてくれます。ウィノナの「私、ボニーとクライドは嫌よ!」というセリフが
印象に残りました。

この映画、オープニングとエンディングに"ケ・セラ・セラ"が流れるのですが、
オープニングでシド・ストローによるいかにもなスタンダード風のカバーを使い、
エンディングではスライ&ファミリーストーンのバージョンが流れるという趣向
はなかなか渋いですね。


♪「VOXXX」 電気グルーヴ

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00/11/13

「レコード・プロデューサーはスーパーマンをめざす」

最近関西にも増えてきた大型古本屋で投げ売られてました。1979年に
出た細野晴臣の本(の文庫版)ですがこれは面白い。スタジオワークの
各プロセスにおけるプロデューサーの役割、プロデューサーになる方法
及びヒット曲をつくるにはどうすればよいか、といったノウハウの解説が
メインになっているのですが、コレ読んでたら自分もプロデューサーに
なってヒット・レコードを作れそうな気がしてくるから怖い。当時この本で
人生狂わされた人って結構いるんじゃないでしょうか(笑)。

でも読み進めるうちにレコーディングってどんな風にやっているのか
というのがよく分かってプロの音楽制作者だけでなくきっとポップスフ
ァンも多いに楽しめる一冊。これまでプロデューサーっていうのをそれ
ほど強く意識してポップスを聴いてきたわけではなかったんですが、
これ読んでたら急に興味が出てました。いや、これまでプロデューサー
の名前でレコード集めてる人は結構周りにいたんですが、いまいち理解
できなかったんですよ。だって結局音楽は曲とパフォーマーがすべて
だと思ってきましたから。でもこの本ではそれがハッキリ否定されてて
結構衝撃を受けました。

しかしあの細野晴臣が「彼らの作るレコードは、どこかユニークで、し
かもセンスがいい」とか書いてるのを読んだら誰だってレニー・ワロンカ
ーやジェリー・ウエクスラーが制作したレコードを片っ端から聴いてみた
くなりますよね。ジョン・サイモンを改めて追求してみたくなったり。

ああ、こうやってポップスファンはどんどん泥沼に足を突っ込んでいくの
か〜。またひとつ勉強になりました。あと筒美京平に関する記述が意外に
多いのにも驚きました。


♪「The Legendary Master Series」 Gary Lewis And The Playboys


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00/11/7

「YES-NO 小田和正ヒストリー」

以前にも書きましたが僕はオフコース・ファンだったんで、小学生、中学生時代
彼らに関する本はよく読んでました。一杯出てましたからね。さすがに写真集
は買いませんでしたけれども。久々に読んだらやっぱり面白いなあオフコース
の話は。特に鈴木康博と二人でやってた頃の話は大好き。でも赤い鳥との交流
は結構有名ですが、初めて作ったオリジナル曲を忌野清志郎が褒めてくれたん
で自信がついたとか、加藤和彦のサディスティック・ミカ・バンドに誘われていた
なんていう話ははじめて読んだ気がするなあでも。オフコースの二人が参加した
ミカ・バンドってメチャクチャ聴いてみたい。

♪「回帰線」 南正人

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00/11/3

「へびつかい座ホットライン」

ジョン・ヴァーリィの長編デビュー作。これもハヤカワ文庫の「読んでみたい
シリーズ」で復刊された一冊。「幼年期の終わり」なんかを思わせる感じの
正統派SF作品で、こういうの久し振りに読んだ気がしますが、たまにはイイ
ですね、こういうモロSFっぽい感じも。

文明の進んだ異星人から送信されつづけるメッセージが実は・・・というショ
ートショートようなアイデアが最高。これで長編一本仕上げてしまうというのが
素晴らしい。主人公の意識が次々にクローンに転移していく過程が全部省略
されてて、なんで殺された人間が何度も生き返って話が続いていくのか最初
はワケが分からなかったんですが、一旦それが分かってしまうと逆にスピー
ディでかつスッキリしててとても読みやすい小説で、カバーのあらすじに書い
てある通りとても洗練されてる感じ。77年の作品にしてはちょっと古典的過ぎ
る意匠の数々はかなり確信犯的にやってるみたいですね。


♪「Os Reis Do Ritmo」 Bossa Tres

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