ポップスエヴリデイ(00年10月)




00/10/29

「アイダホ・ポテト・ライブ」

というのを観ました。「元気が出るパロディ・ビデオ」というシリーズで出てた
パロディ物映画の一つで「ケンタッキー・フライド・ムービー」や「アメリカン・
パロディ・シアター」とかあの辺の感じ。これ時々中古ビデオ屋で見掛けて
はいたんですが、ダサい邦題とパッケージにイマイチそそられず、買うに
至らなかったんですが、今日、投げ売られているのをよく見るとこれ、原題
は「The Groove Tube」なんですね!もとフリッパーズ・ギター・ファンと
してはこれはチェックしないわけにはいかない!というわけで早速見てみる
とオープニングからいきなりカーティス・メイフィールドの"Move On Up"。
懐かしのシブヤ系なのかこれは。と一瞬トキメキましたが本編は特に音楽
ネタもなく下品なシモネタのオンパレード。これはこれで大好きです。
特に何度か出てくるCMネタが最高で、ウラヌスという会社が開発した新素材
のCMとか強烈です。

あと、スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンやウォルター・ベッカーとともに
音楽活動をしていたことで知られるチェビー・チェイスが渋い喉を披露している
のもポップスファンにとっては重要かもしれませんよ。

♪「In By Of」 Bob Wiseman


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00/10/27

「ウエストレイクの犯罪学講座」

ハヤカワ文庫創刊30周年記念フェアということで長らく絶版になっていた
作品が何点か復刊されていますが、これもその一冊。ウエストレイクの
翻訳本って個人的にはイマイチ文章に乗り切れないのが多くて途中で
読むのを止めることが多いんですが、この短編集はそんなこともなくスイ
スイと楽しく読了しました。ショートショート風の軽い作品を中心に、シリア
スタッチの短編ミステリもちらほら、という編集はホントに読みやすい。

ユーモア系では殺人のアリバイ作りが訪問セールスマン達に徹底的に
邪魔されてしまう「殺人の条件」や風邪を引いたばかりに恐喝のための
お膳立てが裏目に出てしまう「不運な恐喝者」といったあたりが笑えまし
た。この人の短編はあまりヒネらない明快なオチがあるので読み終わった
あとに、この結末はどういう意味なの?と悩まないですむのがイイですね。

シリアス系では「ろくでなしの死」という警察小説がグッときました。老警官
がある殺人事件を地道に捜査する過程が描かれているんですが、なんと
この作品、結局犯人が分からないまま終ってしまう!ミステリというより純
文学という感じのディープな味わいの傑作で、この一編のためだけにこの
本買っても惜しくないと思いました。


♪「Primitive Cool」 Mick Jagger

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00/10/20

「マチルダ」

最近、創元推理文庫でポール・ギャリコ作品の復刊が始まったようです。
今のところ「幽霊が多すぎる」と「マチルダ」の2冊が出てますが、どんどん
他のも出して欲しいもの。


今回読んだ「マチルダ」は天賦のボクシングの才能に恵まれたカンガルー
がひょんなことからミドル級チャンピオンをノックアウトしてしまったことで
引き起こされる騒動の顛末を描いた、結構ボリュームのある長編ですが、
あまりの面白さに我を忘れて一気に読んでしまいました。

マチルダが強豪ボクサーを相手に連戦連勝を続ける中盤までの痛快な
展開は誰も途中で本を置くことなど出来る筈がないと思えるくらい勢いが
あるし、ドンデン返しが連続的に繰り広げられるラスト100ページにさしか
かる頃にはたとえ翌日仕事があったとしても絶対最後まで読んでしまわ
なければ結末が気になって気が狂いそうになっている筈。間違いなく傑作。
面白い話を読みたい人には自信を持ってオススメします。

さてポール・ギャリコといえばポップスファンなら反射的にキャメルが音楽化
した「スノーグース」を連想してしまいますが、個人的には夢のように優しい
猫の物語「ジェニイ」も忘れられません。あれは読みながら永遠に終って欲
しくないと思ってしまったほどの傑作でした。


♪「Atomizer」 Big Black

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00/10/14

「ふたたび佐々木丸美」

「わすれな草」というのを今日読了したのですが、これはメチャクチャ時間が
かかった〜。2週間はかかったような気がする。普通の厚さの文庫本にこん
なに時間を取られたのは久し振り。それというのもこの作品「雪の断章」の
スピード感溢れる文章とはまるで程遠い、というかヤケに素人臭い文章の
連続で、正直言ってかなりガマンして読んでました。

音楽も本も一秒だってガマンするのが耐えられない僕がここまで頑張って
これたのはひとえに「雪の断章」で見せてくれたあの素晴らしい輝きを信じ
ていたからなんですが、それにしてもこれはキツかった。なにしろどのペー
ジを開いても妄想とも詠嘆とも演説ともつかない主人公の独白が半分以上を
占めていて、しかもそれがとても10代の女の子のコトバとは思えない時代が
かった表現が多く、凄く違和感を感じさせるものだからなかなかスムーズに
文章に乗れず、途中で何度も投げ出しかけました。

ところが話の最後で突然この作品が前作「雪の断章」の話と繋がっている
エピソードだということが分かってショック!小説の続編でここまで文章
が豹変していいのか。

しかしそうなると「雪の断章」「わすれな草」の続編という「花嫁人形」も読ま
ないと気がすまなくなって(この3冊は古本屋でまとめて買ってあった)、
続けてこれを読みはじめてさらにビックリ。今度は「雪の断章」を思わ
せるスムーズな文章に戻っている!しかもメチャクチャ面白い!主人公
カワイソー!今度は「灰かぶり姫」で来たか!やっぱり泣ける〜っという感じ
で僅か3時間で読了。どういうこと?3部作の2作目だけ文章がダメになる
なんてことが有り得るのかなーと思い、再度「わすれな草」の裏表紙を見る
と「文庫化にあたって大幅加筆」みたいなことが書いてある。ひょっとして
「わすれな草」のあの冗長な独白は新たに書き足されたもので、オリジナル・
バージョンはやっぱりメチャクチャ泣ける傑作なのか。是非一度読んでみて
その辺を確かめたいものです。

ところでこのシリーズ「花嫁人形」の続きってあるのかなー思ってネットで
「佐々木丸美」を検索してみたんですが、意外にたくさんヒットするんで驚き
ました。この人のファンって意外に多いんですね(「マルミスト」と言うんだ
そうです)。よし、今日から僕も「マルミスト」だ!イエー!


♪「The Wonderful World Of Keni Burke」 Keni Burke


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00/10/13

「怒りのヒポポタマス」

ピーター・ジャクソン監督、89年のパペット劇「ミート・ザ・フィーブル〜怒り
のヒポポタマス」を観ました。ピーター・ジャクソンといえばホラー映画ファン
を驚愕させた大虐殺マザコン・ドラマ「ブレインデッド」や二人の少女の親殺
しの顛末を詩情豊かに描いた「乙女の祈り」といった忘れ難い傑作を撮って
いる人ですが、これもスゴイ。

華やかなショウビズ界の光と影のドラマを動物を模した愛らしい人形たちが
演じているんですが、ウサギは性病に冒されたドロドロの顔で血反吐を吐く
わ、ベトナム後遺症のカエルはヤクのやり過ぎで骨と皮だけになるわで、リ
アリズムに徹した演出と人形たちのトボけた造形との落差が強烈。全体に
「ブレインデッド」に通じる悪趣味なブラックユーモアが散りばめられていて
数年前あの作品(の特に前半のドラマ部分)にヤラれてしまった僕には大
満足な一作でした。

しかし劇中でヒロインが歌う"愛の園"というノスタルジックなバラードナンバー
は実にイイ曲だったなあ。


♪「Full House」 Fairport Convention

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00/10/01

「狼たちの絆」

ジョン・ウー監督、チョウ・ユンファ&レスリー・チェン主演の91年作。これは
「黄金の七人」や「狼どもの報酬」なんていう往年の犯罪喜劇映画をこの監
督もダイスキだったんだろうなあというのがひしひし伝わってくる軽妙洒脱な
一編で、60年代頃のあの辺のテイストの映画からダレ場を無くしてジョン・ウ
ーならではの凝りに凝ったアクションを盛り込んだ感じのこれぞエンターテイ
ンメント!といいたい愉快痛快作。

これまでの「挽歌」シリーズでもチラチラ顔をのぞかせていた、この監督の
ユーモアセンスが全開で、チョウ・ユンファ&レスリー・チェン扮する名画泥
棒コンビの鮮やかなんだけどどこか笑える盗みのテクニックの数々がもう
最高。トランプのカード型のナイフを操る殺し屋とか出てくるし。そして度肝
を抜かれる奇抜なアクションの連続。これだけ作品を重ねてもまだアクショ
ンのアイデアが尽きないなんて!

「男たちの挽歌」にシビれて以来「男たちの挽歌2」「狼 男たちの挽歌・最終章」
と見てきてそのどれもがあまりに傑作なんで、この監督ひょっとして天才なの
かと思いはじめていたんですが、これをみて確信しました。ジョン・ウー最高!
ってそんなことはみんなとっくにご存知ですよね。今ごろこんなこと叫んでる
映画ファンなんてまずいないでしょうけど今年は僕にとってはジョン・ウー元年
としていつまでも忘れられない年になりそうです。同時に今年はミーターズ元年
でありジョン・マーティン元年でもあることも忘れないようにしないといけないん
ですがまあそれはそれとして。


♪「BASIE(アトミック・ベイシー)」 Count Basie&His Orchestra


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