今年も夏の甲子園が終わった。
ベスト16までは、まだまだ穴の多いチームが残っていたが、ベスト8以上は、高いレベルで鍛えられたチームが残っていたと思う。最終的な勝敗を決めたのは、打撃力の差だったが、これは智辨和歌山が、頭二つくらい抜けていた印象が強い。
そこで、「こんなチームで高校日本代表を組んで欲しい!」というのを考えてみた。
【投手】
間違いなく筆頭に挙げられるのは、今大会の「ドクターK」と呼ばれた、香月(柳川)と坂元(浦和学院)だろう。二人の明暗を分けたのは、援護してくれる打線の差だけだった。二人とも速球派ではないが、非常に切れる球を投げるので、打たれても打ち取ることができる。香月が智辨和歌山に打ち込まれたのは、連投の疲れ、血豆が破れたことが原因で、コンディション十分であれば、あそこまで打たれはしなかった。
ほかにも橋本(育英)や朝井(PL)、青野(樟南)もいい投手だったが、「本格派であるか」や「印象度」から言えば、上の二人にはかなわない。どちらを選ぶか困るところだが、ベスト8に勝ち残ったという点で、香月を選ぼう。
【捕手】
ベスト8以上に残ったチームの捕手は、いずれもすばらしい。智辨和歌山の後藤は、打つほうでも大活躍。決勝戦でもダメ押しの本塁打を放っている。育英の藤村は、技巧派の橋本をよくもり立てた。しかし、個人的に推したいのは近沢(鳥羽)だ。判断力に課題は残るが、場面に応じたリードは、今大会で注目に値した。試合全般を通じた組み立てができるようになれば、まだまだ捕手として伸びる。本人の野球に対する向上心が旺盛で、ぜひとも今後に期待したい選手だ。183センチ、83キロというめぐまれた体格もプロ向き。
そういうわけで、捕手は近沢。書きそびれたが、光星学院の河村は掘り出し物。あんまりプロも注目しなさそうなので、ぜひとも今のうちに我がタイガースに入れておくべきだ。
【内野手】
まずは一塁手。徳重(PL)、山下(育英)の安定感が印象に強い。しかしやはり、武内(智辨和歌山)だ。173センチ、86キロと、明らかに重そうな身体だが、意外に身のこなしが軽やかで、安定している。また、ホームランが打てるパワーの持ち主であり「打って守れる」という点を高く評価したい。いや、今年の智辨和歌山は、そんな選手ばっかりなんだけどね。まだ二年生だし、成長も見込める。
続いて二塁手。これはもう、間違いなく浜名(東海大浦安)である。今大会、最高の二塁手と断言できる。控えの投手だが、投手としても実に見どころのある選手である。決勝で、智辨和歌山打線をほんろうした変化球のキレは、今大会で五本の指に入るだろう。だが、彼の持ち味は二塁手でこそ生きそうだ。足が速そうだし、身のこなしが軽い。肩の良さは折り紙付きだ。問題は、173センチ、65キロと小さな身体。もう二回りほど大きくなって欲しい。
三塁手。育英に川原というすばらしい選手がいるのだが、敢えて河(岡山理大付)を挙げたい。何と言っても、県予選で6割近い打率を残した、その打撃力が魅力だ。今大会でも屈指のスラッガーとして注目されたが、徹底的にマークされてなかなか結果を残せなかった。しかし、堅守とまではいかないが、守備はしっかりしているし、182センチ、73キロという体格も比較的めぐまれたものだ。今後の成長を先取りして、河を推したい。
最後に遊撃手。これが困る。名選手ぞろいだ。今江(PL)、浜口(横浜)、上野(育英)、堤野(智辨和歌山)。特に小さな身体で本塁打を放った上野のど根性には脱帽する。168センチ、60キロですぞ!堤野も決勝戦で二本の本塁打を放つなど、打撃でも大活躍しているが、「気の強さ」という点から、上野を一番手に挙げよう。
【外野手】
優勝した智辨和歌山からいくと、山野(右)、池辺(中)。特に山野は投手も務めて、好守に渡って大活躍した。主将の堤野が「山野は恐いくらいだ」と話したほどである。池辺は今大会、間違いなく屈指のスラッガー。ただ、智辨和歌山には、ほかにもガンガン本塁打を打つ選手がいたため、あまり目立たなかっただけだ。
育英も四番を打った片山をはじめ、いい選手がそろったが、印象度は低い。
光星学院では、文句なしに根市。投手をやっていたが、本来のポジションはライトだ。肩がよく、守備もうまい。横浜の外野陣もなかなか強力だが、勝負強い打撃で、鳥羽から逆転勝利をもぎ取った黒瀬(右)を挙げておく。
鳥羽では、二打席連続本塁打を放った中井(左)。ただ、本来はホームランバッターではない。鋭い振りが本塁打をもたらしただけで、あまりガンガンスタンドにぶち込むタイプではなさそうである。PLでは荘野(中)がよかった。先頭打者として、非常に印象に残った。
結論から言えば、山野と池辺のコンビは外せない。で、必然的にレフトは中井になる。
【結論】
打順を考えてみた。
1、上野(育英):気の強さで出塁
2、浜名(東海大浦安):打撃センスも捨てたものではない。きちんと送る
3、武内(智辨和歌山):ここでまず1点
4、池辺(智辨和歌山):さらにもう1点
5、河(岡山理大付):プレッシャーをかけ続ける。できればここでも1点
6、山野(智辨和歌山):6番ながら一発の恐さ
7、近沢(鳥羽):下位とは言え、長打の恐さ
8、中井(鳥羽):鋭い振りで、手堅く出塁
9、香月(柳川):きちんと送る。安打も打てる
おお〜、すばらしい。最強だね。