ビデオに録画しておいた1・4新日東京ドーム大会と2000・12・31大阪ドーム「猪木ボン・バ・イエ」を見た。
う〜ん。金払って見に行った人は、どう思ったかなあ。
まず、「ボンバイエ」の方からだけど、猪木のやりたいことはよくわかった。格闘技が多様化する中で、それぞれのスタイルで「魅せる」闘いをしてほしい、というのが猪木のメッセージだったと思う。だから、この大会は多少、選手間のスタイルの違いによる食い違いがあっても、気にならなかった。例えば、永田・飯塚対ケアー・コールマンなどがそうだ。けさ固めでギブアップなんてないだろう!もちっとサービスしてくれよと普通なら思うかも知れないが、これがケアーやコールマンのスタイルであって、そう思うのは新日本プロレスのファンの観点に「過ぎない」のだ。だからそういう点は看過すべし。
そういう見方をすると、なかなか面白い中身だったと思う。桜庭対カ・シン戦も、ラストまではよかった。ただ、途中まであんだけがんばってパロディ満載の面白い試合にしておいて、最後はトップロープ上で腕固めなんてないでしょう。あそこからなら、カ・シンを突き落としてミサイルキック→すかさず関節技ですよ。それも卍固めとかさ・・・。まあいいか。武藤・高田対フライ・シャムロック戦も、それぞれが持ち味を生かした試合だったと思うが、やはりタッグマッチなら連係技が見たかった。フライとシャムロックには無理だとしても、武藤と高田には出来たんじゃないだろうか。それにしてもようやく武藤は頭を剃りましたなあ。あまりに薄くなってみっともなかったので、これでようやく一安心。あのはげ頭をペタペタ触るのが、これから彼のパフォーマンスになるんでしょうな。なんだかキャラクター変わってしもた感じ。
バス・ルッテンやサスケが絡んだ試合はもっと見たかったなあ。ルッテンの試合には宇野薫も出てたし。不満だったのは、小川対安田。試合内容が不満なんじゃなくて、盛り上げ方が不満なのだ。なぜ相撲対柔道なのか?そりゃ確かに、それぞれ元々やってたスポーツはそうなんだけど、小川なんて柔道やってたときとファイティングスタイル全然違うやないか。安田も然り。それを相撲対柔道という形で盛り上げるのはどうかなあと思う。これは以前「柔道王対空手王」という形で、小川対佐竹戦を盛り上げていた時にも感じたことだ。ちゅうか、佐竹如きが空手王というのはおこがましい。フィリオを出しなさい。
とにかく、今の小川の相手に、安田は格が下すぎる。もう、小川がフルにパフォーマンスを発揮できる相手は、ケアーやコールマンしかいない。とりあえず次は藤田とやるべきだ。もう今更、橋本や佐竹とやっても、簡単には負けそうにないので面白くない。
その橋本だけど、1・4東京ドームにかけて、結局彼が何をやりたいのか、よくわからず終いであった。これまでの異種格闘技路線への変更などを見て、総合格闘技指向なんだろうと思っていたのだが、なんだかそれも違うような気がしてきた。ちょっと総合格闘技の枠にも入りきれていない感じだし。おそらく、橋本がやりたいのは「異種格闘技をやっていたころの猪木の再現」なんだろうと思う。ただ、それをやるには橋本には狂気や殺気が圧倒的に足りないし、第一、技術が足りない。グッドリッジのパンチをモロに食らってダウンしているようではダメだし、グッドリッジにマウントをとられているようでは、全くダメなのだ。これでは猪木にはなれないし、そもそも体形からして猪木を再現するのは不可能な気がする。ま、それは冗談としても、とにかく猪木は別格な存在なのだということに橋本は気がついていないのだろうか。真似をしようとしてもダメなんだし、彼が猪木になろうとすればするほど、プロレスという枠組みの中で、彼の居場所はなくなっていくのだ。
続く長州戦だけど、なんで今更、長州何だろうか?確かに長州は今でも新日の現場監督として大きな責任を担っているし、猪木が一線を退いた後、坂口社長をサポートして現場サイドで新日を守り立ててきた立役者である。新日=長州だったわけだ。だから大仁田は新日の体現者である長州と闘った。ただ、大仁田と橋本の長州に対する食いつき方は、全く別だ。大仁田は、インディーズ戦士としてメジャー団体の代表に次々に食ってかかっているだけ。いわば、プロレス界のトリックスターのようなものだ。しかし、橋本は(何があったのかは良く知らないけど)現場レベルでの見解の相違から長州と食い違いを起こしているのであって、プロレスを面白くしてやろうとか、俺のスタイルを認めさせてやろうとか、そういう気持ちはさらさらない。それが、K.O.決着必至のあんな試合になってしまったのだろうと思う。藤波もあそこで止めずに、とことんやらせてみればよかったのではないか。レフリーは10カウントダウンをとればよかったのだ。藤波は「再戦させる」と言っているようだけど、試合後のインタビューで長州が言っているように「何度やっても同じだ」。
今回の長州戦は、橋本にとってはチャンスだった、と思っていた。橋本が猪木の亡霊から脱却し、橋本イズムを打ち立てていくチャンスだと思っていた。その相手として、長州は絶好の相手だった。長州は猪木という大物の影響下にあって、独自色を強く打ちだしてきたプロレスラーだからだ(だからこそ今、長州イズムという言葉がある)。ここで橋本が新しいスタイルを見せていれば、橋本イズム確立への第一歩になったのかもしれない。しかし、橋本が見せたのは、まるで小川の亡霊を振り払い、その背後にある猪木の亡霊に追い立てられ、さらに長州という壁にやみくもにぶつかっていく、なんともみっともない姿だった。全くドツボにはまってしまったようにしか見えない。一体どこへ行くのだ、橋本。
ちゅうか、もう長州なんて引退した人なんだから、みんな放っておけよ。結局あれだな、みんな長州のように一人で革命を起こしてプロレス界を引っかき回すだけのことができないから、長州を倒すことで「長州革命の再現」をしたいわけなんじゃないのかね、と勘ぐってしまう。もっとも、長州復帰はそんなくどい理由なんてなくて、頭打ちを感じている新日幹部連中(長州も含む)が話題作りとして、長州復帰を実現させ、なおかつ話題性豊富な橋本戦を企画したのかも知れない。現在、ほぼフリーに近い橋本としては、これに乗らない手はない。それだけの話だったのかもしれない。うわっ、その通りだったらつまんね。
かつて武藤がインタビューで長州について聞かれ、「引退した人に興味はない」というようなことを言っていた。武藤はそのあと、WCWに行ったりして自分なりに新しい道を模索している。今回、頭も丸めた。同じ模索している人でも、武藤と橋本は全然違う。模索している最中の動きが、いちいち様になるのが武藤であれば、橋本の場合、やってること全てが道化に見える。なんで今更、小川のリングに乱入するのかなあ。まだ勝ち目があると思っているのだろうか。
IWGPヘビー級王座争奪戦、全て見切ったわけじゃないけど、なかなか内容の濃い試合が多かったようだ。川田対天山なんかはもっとみたかったなあ。開始早々の天山のヘッドバット、「ズゴッ」というすごい音をマイクが拾ってました。すげえ。勢いで天山自身の額も切れていた。川田という活性剤が入ったおかげで、天山や小島といった活きのいい若手がすごくやる気になっているのを感じた。このテンションを維持していけば、しばらく新日は面白いと思う。そうするためにも、川田の奮起を臨みたい。って、川田頼りな新日もちょっと寂しいなあ。まあ、ここしばらく有力新人や強力外国人の出現もないし、しょうがないか。
川田の血肉を削るような試合は、相変わらず面白い。ただ今回は、前回健介を倒したときのような決死の気迫に欠けていたように思う。逆に、二度と負けるわけには行けないという覚悟でリングに上がっていた健介の方が強かったということ。序盤の川田のラッシュもすごかったが、やはりフィニッシュに至る健介のラッシュの方が、鬼気迫るものがあった。
試合後、健介は「川田とタッグを組んで全日のリングに上がってもいい」というようなことを言っていたようだ。是非とも実現させて欲しいものである。このタッグによる、新日と全日の統一タッグリーグ戦をみてみたい。
あ、「ボンバイエ」で一言。橋本戦で、レフリーがヘッドバットを制止していたが、プロレスルールならヘッドバットはオーケーである。止める必要はないはずだ。ルールが違ったのか?とにかく、プロレスならパンチはナシである。ヘッドバットはアリである。ルールは徹底すべきだ。その点がかなりいい加減になっていたので、気になった。