新日本プロレス4・7東京ドーム大会は、1本もタイトルマッチがないという、ある種特殊なマッチメークだったが、久々のゴールデンタイム生中継など、何かと話題豊富な大会だった。最大の注目はもちろん、小川直也対橋本真也の遺恨マッチだったのだが、それは後で述べるとして、先にテレビ中継された分にだけ言及してしまおう。
・飯塚 対 村上
これも小川対橋本から派生した遺恨マッチなのだが、今回はまあ飯塚がうまいことさばいた感が強い。飯塚はサンボを学んだこともあり、ガチンコ格闘技の素養は高い。新日では永田や藤田と並ぶ総合格闘技系のレスラーだろう。村上と比べればウェイトがあるので、普通にやれば村上に勝てるはずだ。前回はプロレスをしようとして不用意に顔面キックをもらい、失神。今回は最初からガチンコをやるつもりで行ってたので、村上のキックを受けなかったし、顔面パンチ対策もできていた。ただ、ロープブレイクがなければ試合はどうなっていたか分からない。村上は相当イッているファイターなので、ノールールマッチだったら、先に飯塚が極められていたかも知れない。見応えはまあまあ。料金分はあった。
・健介 対 ライガー
黒いコスチュームになってから凄みの増したライガーだが、今回の一戦でG1クライマックスでも優勝は無理としても、十分戦えるレスラーなのでは?と思わせた。最初のラリアット連打もこらえたし、掌打でダウンも奪っていた。健介は重すぎるが、蝶野くらいならライガーボムで投げられるかも知れない。実際、健介を不十分な形とは言え、垂直落下式のブレーンバスターで投げた訳だし。ただ、最後のノーザンライト一発で沈んだのは、悲しいかな、ジュニアのさだめか。あれは返して欲しかったなあ。あれを返していれば料金分はあったが、残念ながらそこで負けてしまったので、見応えはシオシオでした。
・蝶野 対 G・ムタ
ムタ全然ダメやん。昔の怪しさが随分と薄れたし、蝶野と極めてフェアなレスリングやってたじゃん。なんのつもりなんかなあ。昔からムタを見ている人には、すごい違和感があったんじゃないかと思う。もっと序盤から噛みついたり急所攻撃したり、凶器だしたりしないと。先に机を持ちだしたのは蝶野だったしさ。蝶野の机パイルドライバーはインパクトがあったなあ。今回のムタは完全に蝶野に食われた感じ。ただ、試合自体はメインイベント級のレスラー二人が実にすばらしい、手に汗握るレスリングをやってくれていたので、そこそこ満足。ただ、あの終わり方はないだろうと思う。飯塚が失神してるのに、意識を取り戻したら再試合をさせた新日本なんだから、あそこは目をつぶって欲しかったなあ。完全決着が見たかったよ。
では、小川対橋本。橋本は負けてしまったが、ここで引退するのは早すぎる。彼が引退を口にしたのは、それくらいの覚悟でやるんだ、と自分を追い込む意味もあったのだろう。まあそれでも負けたわけだけど。大体、橋本は総合格闘技は向いてないんだよ。昔、ボクサーとかともよくやってたけど、橋本は総合格闘技をやるにはまず太り過ぎているのだ。随分とやせたけど、あの体でスバヤク動くのは無理。マウントを取るとか、体を入れ替えるとかそういう器用な動きは出来ないだろう。
それに、橋本はガードが甘い。プロレスラーは相手の技を受けるのが当然だから、ガードが甘いのは元々、といえばそれまでなんだけど、それにしても甘い。というか、甘いんだったら練習すればいいのに、一向にガードの技術の向上が見られないのだ。今回も序盤で小川のパンチを食らってダウンしていた。ありゃあ、カウント取ってたらリングアウト負けだな。
ただ、レスラーとしては打たれ強いし、垂直落下式ブレーンバスターやキックは豪快で、武藤とは別の意味でビジュアル的な存在感の強いレスラーだ。こんなところで辞めずに、まだまだリングに上がって欲しい。ただ、総合格闘技はもうやらないほうがいい。不細工だ。総合格闘技は、永田や飯塚に任せておけばよろしい。
・小川 対 橋本
あんな終わり方はないやろう・・・。何度も言うが、前回のタッグマッチで、飯塚が完全に失神しているのに、目が覚めたら再戦させたじゃないか。橋本は意識モーローとしていたが、まだ目は開いていたし、動いていた。それに、小川はバテバテで、なんとかニュートラルコーナーに寄り掛かって立っているような状態だった。あんな状況でテンカウントK.O.もないでしょう。猪木も試合終わってから「ダーッ!」やってんじゃねえよ!試合終了の時点で飛び込んで、「まだ戦いは終わっていな〜イッ!!立てッ、橋本〜ッ!!」ってやってほしかったよ。で、橋本が立ったら「できるか?どうだ?うん?よしッ!試合再開ッ!!」とか言うんだよ。それを見てリングサイドで涙ぐむ坂口と藤波(笑。ついでに大谷も男泣きだ(爆。いいなあ。そういう展開だと思ったのに。
まあでも、小川は強いよ。キックは下手だけどパンチがあるし、体がデカイのでマウントを取ると優勢になる。デカイが絞り込んでいるので動きは速いし、柔道をやっていたから投げ技に切れがある。STOってのはあんまり効いてないように見えるけど、片腕を固定されて、体を浴びせかけるようにして投げられるから、うまく受け身が取れないんですよ。あれを何発も食らっては、意識モーローとするのも無理はない。
ただ、小川は相変わらず打たれ弱い。あんまり打撃でバチバチにされた経験がないからだろうけど、橋本のローやミドル、ジャンピングエルボーであんだけバテてた。橋本がもっとミドルをぶち込んで、フェイスロックとかの絞め技で絞め上げていれば、勝てたかもしれない。橋本の弱点は強力な打撃技はあるが、総合格闘技で極め技になるような技がないことだ。垂直落下式ブレーンバスターなんて、簡単には食らってくれないよ。むしろ、STFとかフェイスロックとか、肩固めとかそういう技がほしい。あんだけ体重があるんだから、体を伸し掛からせてスタミナを奪わないと損だ。それができるかできないかが、小川と橋本の決定的な差だと思う。
今後の展開を予想。橋本は引退届を会社に提出。藤波は「そんなこと許さん!」と保留。姿を消す橋本。しばらくして、UFOでトレーニングをしている橋本の姿が見受けられる。「今度こそ、本当の意味での闘魂伝承です」と橋本。そして今年の暮れの新日本東京ドーム大会。見事にビルドアップした橋本が、UFOの選手として新日本に逆上陸。小川と組んで、健介・飯塚組を血祭りに上げる。オオすごい。このシナリオいいなあ。新日本に売り込もうか(笑。