冬。すべてが白く雪に覆われ、雑音の殆どが雪に吸収される冬。冬には冬の音がある。雪が傘に積もる音。氷柱の雫の音。屋根から雪の落ちる音・・・ 津南の私の部屋は、道路に面した2階にあった。降り続いた雪も止み、凍えるような真冬の深夜、一台の除雪車がやってくる。重機の振動に目を覚ます。障子戸に黄色い光が行き交い、ディーゼルの唸りとジャラジャラと重たいチェーンが、次第に遠ざかる。またうとうとと眠りにつく。 からんころ、からんころ。からんころ、からんころ。からんころ、からんころ。 不思議な水中音。枕もとに流れてゆく。またうとうとと、眠る。
そんな中、なぜか記憶のなかで離れない音がある。