霧の塔 命名の謎


 ふきのとうはホウキントウ。では霧の塔は? そこで、はっとした。「キリントウ」である。ローマ字表記にすると良く分かるのだが、日本語において「O」が脱落するのはよくある事だ。

銘酒 霧の塔  小松原醸造の清酒「霧の塔」の名は、水源の苗場山系の連峰から取ったとされている。霧の塔。妙な名前だ。キリントウは「麒麟倒」ではないだろうか。それと言うのも小松原醸造が大潟町から津南へ出資製造移転の際、県酒造組合から反対の声が上がった経緯があった。その酒造組合のボスは津川町の麒麟山酒造である。
 小松原醸造社長が主力銘柄に「霧の塔」を強い思いで推したのも、当時地元での販売も危ぶまれたなか、『打倒!麒麟山』を託しての命名ではなかろうか。他に津川には下越酒造の「麒麟」がある。共に津川のシンボル麒麟山から由来している。

 津川は廃藩置県時に会津藩であったので最初は福島県に属していた。津南の場合、老舗の瀧澤酒造の「苗場山」。それと小松原醸造の苗場山系「霧の塔」。

 実はその昔、赤沢台地が会津藩預かりの地であった時代があり、四銘柄を飲み比べたら面白いと考えていたのである。津南と津川。苗場と麒麟。四つどもえの中、一番の銘酒はどれか。そして「キリントウ」が意味するものは何か。すべては霧の中である。

瀧水のラベル   津南の二つの酒蔵は、津川の二つの酒蔵 「麒麟山」 「麒麟」のように、「苗場山」 「苗場」の関係にはならなかった。あくまでも、苗場山系「霧の塔」を採用したのであった。

 もしも瀧澤酒造が銘酒「苗場山」を造っていなかったのなら、藤縄酒造は小松原醸造にはならず、苗場山醸造に、そして「霧の塔」は「苗場山」になっていた可能性は高いのでは?※左は、小松原醸造が藤縄酒造時代に大潟町で作っていた瀧水。

現在では「霧の塔」は容易く入手できる。

「苗場山」と比較されるが、水がどちらも津南のうまい水だけに、好みが分かれるところ。とにかく、どちらもご賞味あれ!

その後、小松原醸造は津南醸造に改名されました

四季折々、地酒で山の幸に舌鼓。津南にこらっしゃい。