ロープとシートの力学:鶴巻有一郎著(2006.4.01から随時記載)
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まえがき
わたしたちは、誕生と同時に産湯につかり布に巻かれ大事に育てられてきた。その布は、横糸と縦糸で構成され、日々慣れ親しんでいる。また、わらを綯い縄をつくる、葦、バナナの葉で屋根を葺き、笹で団子をくるみ、柿の葉ですしを包み、風呂敷で物を包む、暖簾、カーテン、敷物、テント、帆掛け舟等まさに布状態は衣食住の基本構成材である。そして、それらは、日々の生活の中で応用される。建設分野を見ると、ロープ、シートとややゴツイ物のイメージになる。
ロープは仮設材としての役割はもとより、ロープの両端を持った垂れ下がりの形状(懸垂曲線・またはカテナリー)の逆さの形は、古来から石造アーチの基本形状である。今日、ケーブルは橋梁の主材料でもある。一方、シート構造は、自動車のタイヤ、東京オリンピック会場の屋根、後楽園ドームの屋根構造と、拡大の一途である。しかしながら、建設関連の力学の教科書では、「棒と土と流の力学」を扱うものの、「ロープやシートの力学」を取り扱ったものは、ほとんど、見られない(今のところ、全く見られない)。
そのようなものは体得し、ノウハウとして、我が物にせよと言うのだろうか?まさに、不思議である。そこで、本HPで「ロープとシートの力学」を設けることとした。ここで扱う、ロープとシートの力学は「バルーン型煙突付き海上太陽熱風力発電装置とスクリュー発電装置を搭載した「日本発ノアの箱船号」の出帆」に用いるため筆者が、一学生のつもりで、調べ、検討を重ねた内容であり、力学的考え方から具体的な海上太陽熱風力発電装置への適用まで記述するものである。このため、バルーン型煙突付き海上太陽熱風力発電装置とスクリュー発電装置を搭載した「日本発ノアの箱船号」の出帆」の06.3.12から3.26までの記載資料を第1章1.4 節までに転記し、その後、進めているものである。
なお、本文中の式番号は「煙突型太陽熱風力発電所の出力試算:改訂版― Excelを用いた解析あそびのためのダウンロード ―」と「日本発ノアの箱船号」の出帆からの継続番号である。
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第1章 ロープの力学(06.3.14―)
1.1)参考文献調査(06.3.12)
1.2)変分法に対する小生の思い:(06.3.18)
1.3)命題:カテナリーの形状を表す関係式を求める場合の理論的組み立て(06.3.18)
1.3.1)命題:重い鎖がA,Bで吊り下げられている状態(カテナリー)の解法(06.3.18)
1.3.2)オイラーの方程式の誘導解説(06.3.18)
1.3.3)付帯条件付のオイラーの方程式の解説(06.3.18)
1.3.4)1.3.1節の最後尾からの検討の継続(06.3.18)
1.3.5)参考図書15による一般的な形でのオイラーの方程式の誘導(06.3.18)
1.3.6)参考図書15による付帯条件付のオイラーの方程式の誘導(06.3.18)
1.3.7)1.3.1節の最後尾からの再挑戦(06.3.18)
1.3.8)一般的配置形状のカテナリー(懸垂曲線)(06.3.20:3.22)
1.4) カテナリーの特性
(06.3.26)
1.5 ) 弾性ロープの場合(06.4.01)
第2章 シートの力学(06.4.14 )
2.1) バルーンの変形とロープの張力(06.4.14 )
2.1.1) ロープで支えられていない場合(06.4.14 )
a) 風の抗力について(06.4.14)
b) バルーンの浮力について(06.4.14 )
b1) 無風時のバルーンの浮力特性(06.4.14)
b1.1)試算条件・結果と考察(06.4.14)
b1.2)EXCELによる熱気球の浮力演算ソフト(06.4.14)
b2) 風による傾斜角を有する場合の浮力特性(06.4.24 )
b2.1) 円柱の各種分割形状における体積・浮心・重量・重心・釣り合いの計算式(06.4.24)
b2.2) VBAによる風で傾斜した円柱バルーンの解析結果と考察(案)
b2.3) VBAによる風で傾斜した円柱バルーンの解析ソフト(案)
2.1.2)ロープで支えられる場合(案)
2.2) 新素材のロープ・バルーン物性の情報(06.5.12)
2.3) バルーンが浮上するための要素(案)
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第1章 ロープの力学(06.3.14―)
1.1)参考文献収集(06.3.12)
ロープ、ケーブルが使用されている現代の土木構造物の中で、その代表格は、つり橋構造であろうか。そこで、その力学的構成を知りたく、土木学会図書館を先日訪れた。その結果、
9) 苫名孝太郎:架空索道の理論と計算:東海書房
10) Niels J.Gimsing(監訳 伊藤学):CABLE SUPPORTED BRIDGES Concept and Design(吊形式橋梁―計画と設計―):
11) 二宮嘉弘:建設工事用簡易索道の計画と設計:鹿島研究所出版会
の参考図書が見つかった。11)は9)をベースに記述されているようである。索道や橋梁を作るにはそれらの参考書は実用的かもしれないが、その力学的構成を知りたい人間には、頭ごなしに、「計算式はこれを使うのだ」方式の書籍は、全く、意味の成さないものである。どうもなじめない
そこで、Webの中でカテナリー(懸垂線)について、検索すると、沢山表示される。中でも、
12) http://www1.kcn.ne.jp/~iittoo/jp24c_rie.htm
13) http://www001.upp.so-net.ne.jp/a-sasano/catenary.htm
14) http://aozoragakuen.sakura.ne.jp/taiwaN/taiwaNch04/node48.html
が目に留まる。
12)の執筆者:伊藤忠夫氏は世にも不思議な「双曲的非ユーグリッドの世界と8字ノット」(http://www1.kcn.ne.jp/~iittoo/japanese.htm#chapters)の一環の論述の中でカテナリーを記している。そこで、カテナリーの力学について、伊藤忠夫氏に直接伺ってみると、「変分法」の序論の中に記されている有名な課題である旨のお便りをいただいた。
そこで、東京都図書館の中で「変分法」を検索すると東京都中央図書館の蔵書の種類が多い事が分かり、訪ねると、それらのなかでも目に付く書籍は
15) ゼリドヴィチ ムイシュキス:応用数学入門4 変分法/確率・フーリエ変換:東京図書
16) 鬼頭史城:変分法と最適化問題:ダイヤモンド社
17) 林 毅、村 外志夫:変分法:コロナ社
18) C.L.ディム/I.H.シャームス:材料力学と変分法:ブレイン図書出版
19) L.E.エルスゴルス:科学者・技術者のための変分法 学習指導書:ブレイン図書出版
20) 河内康伸:サイクロイドとカテナリ ニュートンも追いかけた幾何学の青い鳥:大学教育出版
であった。文献17)の林 毅先生は、YS11の開発に携わり、小生が学生時代、東大からわざわざ中大まで教えに来ていただいた先生である。文献16)の鬼頭史城先生は、以前、サージタンク振動問題に関する先生の論文を幾度も読み、勉強させていた方である。また、ここに、お世話になります。
1.2)変分法に対する小生の思い:(06.3.18)
参考図書16は、以前、何度も手にしながら読む切欠がなかった書籍の一つである。これほど、工学的に重要な、応用範囲の広い解法、手段であることを認識できなかったことを恥じると同時に、遅かったが今回、勉強できた喜びがある。そして、いま、あの問題もこれを用いれば、もっと、スマートに解決できたはずであったと思うことばかりである。まだ、変分法をお読みでなかった方々は、是非、変分法とは、何かを理解し、応用していただきたい。
1.3)命題:カテナリーの形状を表す関係式を求める場合の理論的組み立て(06.3.18)
まず、線分の「ポテンシャル」の物理的条件式を立てる。次にそのポテンシャルが「最小」となる条件を境界条件の下に解くのである。しかし、それを、解くのが中々面倒であり、大先生方を悩ました課題のようである。
この、ポテンシャルの物理的条件式を立てると、「汎関数」
(195)
の形になる。そこで、直接その形が解けないので、「オイラーの方程式」
(196)
を用いると解くことが可能になり、かつ、式(196)は、「極値」を持つ関数からなるものである。変分法の基本問題は、与えられた汎函数の極値を求める問題である。(最も工学的に重要であったと思うのは、オイラーの方程式が、極値、最適状態を定める式を現すことである。そして、その思考方法である。工学的に応用範囲は広いように思われる。)
この式(196)からy=f(x)を求め、境界条件(x0,y0),(x1,y1)点における条件の下に係数を設定することで、カテナリーの形状を示す関係式f(x)が求まる。
しかしながら、「付帯条件」が付き、「等周問題」の場合は、「オイラーの方程式」が変更され、かつ、「ラグランジュの乗数」を持ち込み極値の設定となる。
鎖を吊り下げた状態は、この付帯条件が付く等周問題の場合に属し、かつ、ポテンシャルが最小を、または、「重心の位置」が最大とした扱いに変換して論じられている。
これが、筆者が知り得たかった結論なのであるが、一般の方には、上記の赤文字の語句が理解できず何を言っていることやらと思われよう。
しかし、上記のごとき、要約が数学書の冒頭には、記されておらず、一連の解析過程が断片的に詳細(必要条件・十分条件)に記述されるあまり、読者には全体の流れを見失ってしまうものである。さらに、数学書は多くの命題を扱う内容のため、断片的に終了しているように思われる。筆者は、まず、参考図書15、20を読み、脳を慣らし、16、17、15、18を基に、必要条件の部分のみを扱い(十分条件の説明を除いて)、上記の要約に従って以下に記述する。
1.3.1)命題:重い鎖がA,Bで吊り下げられている状態(カテナリー)の解法(06.3.18)
ポテンシャルの物理的条件式が、最小となる方程式を求めることにある。

懸垂線の長さ(L)は、上図から
(197)
である。ここで、座標の原点を左端に便宜上移動すると
(198)
である。次に、ポテンシャルは、この場合、線分dsの位置エネルギーであるから、
(199-1)
である。ここに、ρは、単位長さの鎖の重さ(一定)を表す。一方、重心の位置を最も低い(y値が最も大きい)とする、見方をとれば、まず、
「重心の位置」=(図形をある軸の一次モーメント)/(図形の面積)
であったことを思い出す。
次に、「図形をある軸の一次モーメント」は線分のx軸回りのモーメント(J2)のことであるから、
(199-2)
である。よって、y方向の「重心の位置」YGは
(200)
である。Lすなわち、式(198)を一定に保ち、かつ、J値が最も大となる方程式y=f(x)を求めることである。また、上図の懸垂曲線上の(x0,y0),(x1,y1)に鎖を吊り下げても図上の線形は一致する。このため、(x0,y0) から(x1,y1) の鎖に対しては、積分範囲がx0からx1の範囲に変更しても数学上の説明は、同じことである。
ここで、式(195)の汎関数に当たるものが式(199-1)である。すなわち、
(201)
であるから、

を最小とするy=f(x)を求めることにほかならない。これを解くにはオイラーの方程式を理解し、さらに、付帯条件付き(式(198)を満足する条件)、所謂、等周問題の場合のオイラーの方程式へ拡張し、それを導入する必要がある。なお、汎関数とは、平易に言うと「函数の函数のこと」である。この汎関数の説明は、わかり易いが、次のような説明もある。「あるきまった函数類に属するどの函数にもある数値パラメータの値を対応させられるような規則のことを汎関数と言う」(参考図書15から)。
なお、先を急がれる方は、1.3.7節まで飛んで頂いても良い。
1.3.2)オイラーの方程式の誘導解説(06.3.18)
この節は、主に、参考図書17を基にまとめている。まず、オイラー(Euler)は下図のようなA,B点を通る2曲線を扱い説明される

すなわち、
(202)
である。いま、
(203)
とし、p(x),q(x),f(x)は区間x0≦x≦x1で与えられた連続関数、p(x)は連続微分可能、yは2回連続微分可能と仮定する。
ここで、式(202)へ式(203)を代入すると

(204)
となる。
次に、I(y+αη)とI(y)の差を取ると
(205)
となる。式(205)の右辺、αの一次の係数は式(204)である。この一次の項をδIと書き、第一変分(first variation)と呼ぶ。すなわち、
(206)
関数yが積分Iを最小にする必要条件は式(204)が0になることであるから
δI=0
式(206)の中間式を解くことになる。部分積分の式を適用ため、部分積分を思い出そう。部分積分は、
(207)
であった。式(206)の中間式は
(208)
と変形され、式(208)の右辺第1項に式(207)の部分積分を適用する。すなわち、
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と置くと、式(208)は
(209)
となる。ここで境界値η(x0)=η(x1)=0であるため式(209)右辺第一項は0となり、結局、右辺第二項の積分内部の式
(196)
が式(203)の極値を与える式であって、オイラーの方程式と言われるものである。また、Iを極値にするような関数yを停留関数(stationary function)と呼ぶ。
以上は、必要条件であって、十分条件にはなっていない。
ここでは、十分条件の説明を省略する。詳細は、参考図書17を見られたし。
1.3.3)付帯条件付のオイラーの方程式の解説(06.3.18)
この節は、主に、参考図書17を基にまとめている。
これまでは、境界条件のみの場合であったが、新たな、束縛条件(式(198)のような)の場合のオイラーの方程式を勉強しよう。このような変分法を付帯条件のある変分法と言う。
境界条件に
y(x0)=y0 ; y(x1)=y1 ;さらにx,y,y´の式を積分しもの
(210)
を一定値Cとする付帯条件を課し、かつ、
(211)
を極値にする問題であり、この問題を等周問題と言う。
式(210)は式(197)に相当し、式(211)は式(199)に相当するものである。いま停留関数をy(x)とし、α1,α2をパラメータとして
y+δy=y(x)+α1η(x)+α2ζ(x) (212)
のようなyの近傍における比較関数(比較検討されるいろいろな変関数(変数に当たる関数のこと)のこと)とする。ただし、η,ζは境界において0、すなわち
η(x0)=η(x1)=ζ(x0)=ζ(x1) (213)
を満足し、連続微分可能である以外任意と考える。式(210)、(211)のyにy+δyを代入すると、α1,α2の関数になり
(214)
(215)
Ψ=Cの条件を満足させながらα1=α2=0でΦが極値をとらなければならない。このようなときはラグランジュの乗数λにより、Φ+λΨを極値にすればよい。すなわち、
(216)
が極値をとる必要条件になる。式(216)に式(214)、(215)を代入すると、
(217)
ここに、

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η,ζが境界で0になることを考慮して部分積分すれば
(218)
ただし、
(219)
式(218)が、成り立つためには、前と同様に、積分の中が
(220)
が成り立つ必要がある。この式(220)がオイラーの方程式である。すなわち、式(220)が停留関数yによって満足するのが、求めようとする関数である。
1.3.4)1.3.1節の最後尾からの検討の継続(06.3.18)
1.3.1 節の最後尾にもどり、等周問題で得られたオイラーの方程式(220)を式(199)、(200)に適用することとする。

ここで、
とおき

よって、式(219)は

であるから式(220)は、次のように成る。
(221)
である。式(221)にy′を掛けると
(222)
の全微分が求められるが、この式(222)の値が、参考図書17、pp36、(4)と比較すると異なる重大なことが、判明した。式(221)までの結果は一致しているのだが。参考図書17,pp36,(4)は

と記している。すなわち、さらに展開を進めると

となって、式(222)とは一致しない。そこで、参考図書15の一般的な形でのオイラーの方程式の誘導とその結果にy′を掛け全微分まで持ち込む記述を1.3.5、1.3.6節にまとめ、それを使用した検討を1.3.7節に記述する。
1.3.5)参考図書15による一般的な形でのオイラーの方程式の誘導(06.3.18)
まず、2変数関数のテイラー級数を数学公式集から転記すると

である。次に、

の場合の、δIを求めるためにyにy+δyを代入した場合のテイラー展開を示すこととする。

よって、函数の変分すなわち増分の線型な項は

である。ここに、

である。ここで、上記のF′y と1.3.4)節のFyは同じであることに注意して欲しい。
次に、さらに一般的な形の汎関数を導入してみよう
(223)
a,bは与えられた積分範囲の下端と上端であり、その境界条件は
y(a)=ya , y(b)=yb (224)
のもとに、この汎関数の極値を求めよう、式(223)の変分は

であり、δI=0であるから
(225)
でなければならない。この等式は
δy(a)=0,δy(b)=0 (226)
である。ここで、式(225)左辺第二項を部分積分したものに置き換えると

ここに、オイラーの方程式
(227)
さらに、合成関数の微分の法則に従い
(228)
の形になる。
ここで、ある例題の中で、F(y,y′)のxを含まぬ場合は、式(228)の左辺第二項がなくなり、
(229)
両辺にy′を掛けた後、これを(F−F′y′y′)’=0の形に書き換えることが出来る。これを積分して
(230)
としている。なお、筆者は、式(229)から式(230)への誘導を試みたが今のところ成功していない。
1.3.6)参考図書15による付帯条件付のオイラーの方程式の誘導(06.3.18)
式(224)と付帯条件
(231)
の基の未知関数(223)を求めることにある。この未知積分(223)と(231)を分割点における未知関数の値yiの和におきかえる。すなわち、
(232)
であるからF*=F+λGに対するオイラーの方程式を求める必要がある。ただし、λは未知のラグランジュ乗数である。なお、参考図書15では、等周問題であるディドン(フェニキアの女王の名)の問題が論じられている。面白い内容であり興味のある方は原本を読んで欲しい。
ここで、F,Gにxを持たない場合、F*を式(230)のFに置き換えることで、対処が早まる。
1.3.7)1.3.1節の最後尾からの再挑戦(06.3.18)
前節の説明はなかなかスマートであり、早速、使用してみよう。
(233)
となり、1.3.4節の疑問は1.3.5節を用いることで解決する。しかし、1.3.4節の原因は不明であるが、この件は読者にお願いし、次に進めることとする。
ρy+λ=μ,C1=1/κと置き式(233)を展開し、関数yを求めることとする。
式(233)を二乗すると
(234)
ここで、仮に
(235)
と置く。なお、式(235)の右辺の分子の、指数部分の文字が小さく表示されているので再表示すると、EXP(κt)+EXP(-κt)と書いているつもりである。以下同様であるので、そのように読んでいただきたい。
式(235)を式(234)の左辺に代入し、右辺との関連を満足するtを設定することとする。
(236)
を得る。次に、式(236)を式(235)に代入後、yについてまとめることとする。
(237)
となる。
ここで、境界条件、x=±aでy=0となるためには、yはx軸に対象の偶関数にならなければならないから、
C=0
である。ここで、数学公式集を見て、すこし、計算すると


であるから、式(237)をcoshの形に変形すると
(238)
である。ここでx=±aでy=0を式(238)に代入すると
(239)
であるが、−a≦x≦aの区間でyを正としているので式(239)の中のC1は負の実数である必要がある。しかし、誤りやすいのでC1を正の実数に書き改めると式(239)は
(240)
となる。よって、式(238)は
(241)
が得られる。これが、懸垂曲線・カテナリーである。
次に付帯条件の長さLについて式(241)を用いて考察してみよう。
(242)
となる。よって、カテナリーの基礎式は、式(241)と式(242)である。もし、Lが既知であれば、式(242)からC1が決定され、式(241)から形状が求められることとなる。
1.3.8)一般的配置のカテナリー(懸垂曲線)(06.3.20:3.22)
懸垂曲線の始点(x0,y0)と終点(x1,y1)の座標が与えられ、かつ、鎖の長さLが既知の場合について、求めることとする。
基本式(237)をcoshの形に書き直すと
(243)
であるから、式(243)に始点と終点の座標を入力すると
(244,245)
である。一方、鎖の長さLは、
(246)
よって、未知定数λ、κ、Cは、式(244),(245),(246)から決定される。
