水模様の科学: 07.4.11 

                                       鶴巻有一郎著


       

      

まえがき

湖に映った逆さ富士や、室内プールに差し込んだ太陽光線の反射の美しさ、プール底のモザイクタイル花模様の揺れる美しさ、水中に潜って泳ぐときの海底砂に映る波模様の美しさ、池や川の水草の間を泳ぐ鯉、雨上がりの虹のファンタジー、これらの水模様にはいやされるものである。

水模様に関する科学は、光の屈折・反射、波の伝播、視覚構造等が関係しよう。以前に見た映画「タイタニック」での海の波や船からの造波映像はすばらしいものであり、相当に進んだコンピュータ・グラフックによるものだろうか。また、先日、明日香の宮に配された水路・排水池と水の文化を放映したテレビ映像での池面のさざなみに揺れる光沢の水模様があった。しかしながら、インフラを対象に働く「流れの科学・技術」の世界は、このようないやしの水の科学に目を向け論ずることとは少ないようである。

水模様の世界を扱う写真・絵画の芸術界に科学計算で対抗できるものではないが、花見の宴で杯に浮かぶ月を飲み干したくなったので、光の性質を学び、杯に映る月を演算する初歩的なシミュレーション・プログラムを作成(作業中)してみることとした。

なお、人間の視覚構造については、全く知識が無く、ここでの仮定が成立つ場合としてお許しいただきたい。


参考図書名

1)         奥田毅、真室哲雄:基礎物理学上巻、内田老鶴圃

2)          奥田毅、真室哲雄:基礎物理学中巻、内田老鶴圃

3)          近藤純正、水環境の科学、朝倉書店

4) 長倉ら:岩波理化学辞典第5版、岩波書店

5) 東京天文台編纂:理科年表、1987,丸善

6) 服部昌太郎、海岸工学、コロナ社

7) 岩垣雄一、海岸工学、森北出版


目次

1)視覚                 (07.4.11

2)光と水の競演           (07.4.11

2.1)光の屈折・反射と分散の特性 

2.2)虹 

2.3)光の吸収、分散,明るさ、色の特性 

 2.3.1)光の水面透過の特性

 2.3.2)正常分散と異常分散

 2.3.3)視感度,光束

2.3.4)光度,照度,輝き

 2.3.5)色の感覚

3)水面の動揺              (07.4.11

3.1)水波の理論概念と波の種類

4)映像の計算              (07.4.11)

4.1)水面が静止しているときの逆さ富士

4.2)波動があるときの水面の反射

あとがき                 (07.4.11



1)         視覚


峠にさしかかり、前方を見るとアイガーがあり、池には逆さのアイガーが映り、池の周りには高山植物が群がっていた。その光景は疲れを忘れさせ、ただ、その幸せの中に立ち止まっていた。せて、このような風景を見る私たちの視野はどのような範囲なのであろうか、上図に示すように上方60度、下方70度、横90度の範囲である。すなわち、顔面を視点方向に向け前方中心視点を見ているとき横長の楕円の範囲が見えているが、視点周辺のみが鮮明である。





像は、眼の水晶体のレンズを通り網膜上に倒立実像を映す。しかし、正立に感じさせる神経がある。網膜には光に感じる視細胞がある。瞳孔は絞りの作用をする。実に精巧な機能を持つ眼である。

物体の大きさは、網膜上の像の大きさが、見掛け上の大きさである。図のように、網膜上の像と物体の両端を連結して得られる2直線のなす角αを視角と言う。このため、物体の見掛け上の大きさは、tanαに比例する。



この現象をここでは、上図のNFN′円形上の像の長さ比を網膜範囲内における像の大きさの相対比較であると同じとして扱う。また、鮮明な範囲はどのようなものかとか、ボケている扱いをどのように扱えばよいのか全く不明であるため、ここでは視点と同様に、全体に焦点があった鮮明な平板な絵であるとする扱いとする。

光は電磁波である。我々が感じる色彩や可視光線の限界には個人差があるが、波長は大体3800から8000Å(0.38から0.8μm)であり、資料2から抜粋すると次のようである。



なお、10000(オングストローム )=1μm(マイクロ・メーター)である。



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) 光と水の競演

2.1)光の屈折・反射と分散の特性


Aの空中から水中への光は、上図のようにABCと屈折する。かつ、水面の法線に対し、対象角にABDと反射する。この屈折率nは1.333であり、上式の関係がある。一方、水中の点Cが光源の場合は前記の逆をたどり、CBAと屈折し、かつ、CBDと反射する。しかしながら、角度rが48°35′を超えると空中に透過することなく、FBEと水面で全反射する。この角度は、媒体物質でことなり、臨界角αと呼ばれており、屈折率n>1の媒体の逆をたどる場合に生ずる特性がある。

水の屈折には、さらに、もう一つの重要な特性がある。それは、空中の水滴に光が当たると7色の虹を見せてくれることである。これは光を構成している光の色の波長が各々異なり、屈折率が異なっているために見える現象である。この屈折率の異なる現象を分散と言う。水滴の球や、プリズムのように入射光と平行でない境界面への太陽平行光線は帯状に、赤、橙、黄、緑、青、藍(あい)、菫(すみれ)の連続に変化する光線帯に分解される。このように並んだ色の列をスペクトルと言う。

なお、太陽光の大気の上端に入射する放射強度のスペクトルと地上で観察された値は資料3pp.58に記載されている。


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2.2)虹

虹の発生は次のようである。水滴の球に差し込む一光線(S)の屈折は下図のようにABCRであり、入射光線Sと射出光線Rふれ角はδである。


この場合のδの入射角iと屈折角rとの関係は

δ=2(ir)+(π−2r)

である。水滴内で一回反射するごとにπ−2rのふれを受けるためN回の反射に対してのふれ角δは

   δ=2(ir)+N(π−2r)

と表される。では、水滴の球に差し込む平行光線帯とするN=1の場合は、下図のごとく反射する。

上図を見るとふれ角δの最も小さいところは、射出光の密度が高く、この部分の光は遠方まで安定して届く。この、強い光は下図のように円錐形に反射する。





空中には無数の水滴が存在するため、地上の人の眼には、太陽光線を背に、太陽光方向軸からπ−δの角で描いた円錐上の水滴からの反射光が入ることとなる。このため、虹は一つの円弧に見えるのである。

δが最小となる入射角(i)はdδ/i=0から得られ、

      dδ/di=22(N+1)(dr/di)=0

dr/di1/( N+1)

一方、  sin i=n sin r であるから

  cos i=n cos r ・(dr/di={n/( N+1)} cos r




となる。たとえば、N=1の赤色(太陽スペクトルの主な吸収線のB(波長6867.2Å;n=1.3317))においては、δB=137°42′;π−δB=42°18′である。また、N=1の菫色(すみれいろ)(太陽スペクトルの主な吸収線のH(波長3968.49Å;n=1.3448))においては、δH=139°37′;π−δH=40°23′である。このため人間の眼には半頂角42°18′に赤色、内側の40°23′に菫色の虹を見ることが出来る。これが第一虹と言う。N=2の二回反射においては、δH=230°34′;π−δH=50°30′;δH=233°56′;π−δH=53°56′となる。これが、第二虹である。N=3,N=4の場合は太陽の方向に生じ、N=5のときは光が弱く見えない状態である。このため、人間には二重の虹が見えることとなる。


なお、水の屈折率と波長の関係は次表のようであり、波長の単位変換は1000nm(ナノ・メーター)=1μm(マイクロ・メーター)=10000Å(オングストローム      )である。

波長(nm)

(20)の屈折率

1256.0

1.3210

656.3

1.3311

589.3

1.3330

546.1

1.3345

404.7

1.3428

303.4

1.3581

214.4

1.4032


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2.3)光の吸収、分散,明るさ、色の特性

 2.3.1)光の水面透過の特性


太陽光が地上、海面、湖面に入射するとき,反射光のフラックスと入射光のフラックスの比をアルベ-またはアルベトalbedoという。 反射率が特定の波長に対して定義されることが多いのに対し,アルベ-ドは日射の全波長成分に関する平均値を意味することが多い。

太陽光が波の無い水面に入射する場合の反射率ref




である。ここにjは屈折角、θは太陽の天頂角、水の屈折率n (1.33)である。太陽の天頂角が大きいとき(θ>70°),近似的にref15%で一定とおける。

きれいな水に光が垂直に入射するときの「反射率と吸収係数の波長との関係」が資料3pp.163に記載されている

波長0.5μmを中心とする可視光線ではref=2.0%,また長波放射の波長12  μm以下の範囲でも2%前後, 13μm以上で4-9%である.水面で反射さなかったエネルギーは水中へ入り,吸収と散乱によってしだいに減衰する。

x0,xxにおける光の強さをI0,Iとし、厚さdxの物質層をI+dIの強さに変化すれば、単位長さについての吸収-dI/dxはその点に達する光の強さに比例するから比例定数をαとし、

   -dI/dx=αI

となり、積分すると

   I= I0Exp(-αx)

となる。このαは物質の種類と光の波長によって、定まる定数であって吸収係数と言われる。

波長0.45-0.52μm付近ではα=(1.5-2.0) ×10-2m-1であるので,可視光の一部は水深100mまで届くことになる。しかし3μm以上の長波長ではα≒105mであり,放射は水の厚さ10-5m=10/μm)でほとんど吸収されてしまう。したがって,長波放射は実質上,無限小の厚さの水面で吸収・射出される。

にごった水では、波長0.5μm前後の可視光で影響が相対的に大きく,透過は悪い。日射量が水面での値の1/10となる深さは,外洋水で20-30m,にごった湖沼でも数mはある。


2.3.2)正常分散と異常分散

ガラスのプリズムによる可視光線のスペクトルは、赤,橙、黄、緑、青、藍、菫(すみれ)と波長の順序に並んでいる。このように、波長が長くなるにつれて屈折率が減少する分散を正常分散という。一方、ある色光を選択的に吸収する物質でつくられたプリズムによるスペクトルは色の順序が前記の場合とことなる。例えば、フクシンのアルコール溶液をプリズム容器に入れて白色光を分散させると青、藍、菫(すみれ)、赤,橙、黄の順に並び、菫(すみれ)、赤の間が欠けて黒帯となる。この屈折率と色の関係は下図のようである。このように吸収帯あるいは吸収線を持つ分散を異常分散と言う。



2.3.3視感度,光束

 

ある面を単位時間に通過する放射エネルギ-放射束といい,単位はergsec-1 またはwattを用いる。波長がλとλ十dλとの間にある放射束をΦλdλで表すとき, Φλを波長λのスペクトル放射束という従って波長がλとλ2との間の放射束をΦ(λ、λ2),その間の積分値である。人間の眼が光として感じるのは,波長が0.4μmから0.8μm(4000Å〜8000Å)の電磁波であるが,単位時間に同じエネルギーを受けたとしても光の波長すなわち色によって明るさを感じる程度が異なる。人間の眼は波長が約0.555μm(5550)の黄線色光を最も明るく感じ,それよりも波長が長くなるに従って,また短くなるに従って明るさを感じる程度が小さくなる。 ある波長の単位の放射束が生じる明るさをその波長の光の視感度といい0.555μm(5550Å)の光における最大視感度に対する他の波長の光における視感度の此を比視感度という。

国際的に採用されている標準比視感度は下図のとおりである。



波長μm

比視感度

波長μm

比視感度

波長μm

比視感度

波長μm

比視感度

0.38

0.00004

0.48

0.139

0.58

0.87

0.68

0.017

0.39

0.00012

0.49

0.208

0.59

0.757

0.69

0.0082

0.4

0.0004

0.5

0.323

0.6

0.631

0.7

0.0041

0.41

0.0012

0.51

0.503

0.61

0.503

0.71

0.0021

0.42

0.004

0.52

0.71

0.62

0.381

0.72

0.00105

0.43

0.0116

0.53

0.862

0.63

0.265

0.73

0.00052

0.44

0.023

0.54

0.954

0.64

0.175

0.74

0.00025

0.45

0.038

0.55

0.995

0.65

0.107

 

 

0.46

0.06

0.56

0.995

0.66

0.061

 

 

0.47

0.091

0.57

0.952

0.67

0.032

 

 


放射束を,それが国際標準視感度を持った眼に生じる視感に基づいて測ったものを光束という。光束の単位としてはlumenが用いられるが,これは1(candle) の均等点光源から単位立体角に発散される光束に等しい。換言すれば, 1燭の点光波から周囲に発する全光束は4πlumenである。波長0.555μm(5550Å)の光は1wattあたり650 lumenに相当する。すなわち波長0.555μm(5550Å)の光の視感度は650lumen/watt)である。従って、光束Fスペクトル放射束Φλ、比視感度Vλを用いると


λv0.38μm,λ0.76μm

と表わされる。


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2.3.4光度,照度,輝き  

光源がある方向に光束を放射する度合を表わすために,光源のその方向における光度という言葉を用いる。光源のある方向の光度とは,その方向の単位立体角あたりに放射される光束をいう。すなわち立体角dω内にdFなる光束が放射されるときの光源の光度I

I=dF/dω

となる。もし光源から全光束Fが四方八方に一様に放射されるならば,各方向の光度は

I=F/(4π)

で表わされる。光度の単位としては,単位立体角あたり1lumenの光束を放射するもの,すなわち燭(candle)を用いる。これは白金の凝固点(1,774°C)の温度に等しい黒体の明るさを毎平方センチメ-トルについて60燭の光度として定められている。

 ある受光面の単位面積に投射する光束をその面の照度といい、光線に垂直な照度を特に垂直照度という。12あたり1lumenの照度、換言すれば1燭の光源から距離1mの点での垂直照度を単位としてluxルクスと言う。面積A2の受光面にF lumenの光束が投射するときの照度をE lux

とすると

    E=F/A

となる。光度がIの点光源から周囲に一様に光束が放射されるときには、光束は光源を中心とする球面に広がるから、光源からrの距離の垂直照度は

    E=F/A=(4πI/(4πr2=I/ r2

である。受光面の法線にθ角度で投光されたときの照度Eを、垂直照度E0I/ r2の関係で表すと

    E= E0cosθ=( I cosθ)/ r2

である。

輝きの単位は1(candle/cm2)が用いられる。また1m2について1 lumenの光束が発散されるときの輝きを1 lambertの輝きと言うこともある。



2.3.5)色の感覚


 視細胞には円錐体と桿状体の2種榎があるが,色に対して働くのは前者だけであるから,視野の周辺では殆んと色の感覚がなく,また暗くしていくとついには色の感覚がなくなってただ明るさだけを感じるようになる。色の感覚が生じるにはある程度よりも明るい光が眼に入らなければならない。

可視光線の波長範囲は大体38008000Åで,この間の単色光はほぼ上表のような色感を与える。これとさらにスぺク卜ル中には存在しないが,感覚上には存在する色として赤と藍を混ぜて紫をつくり,これを円周上に並べると下図のようになる。



これが感覚に存在する純粋な色のすべてである。このような表わし方は色相環と名づけられており,色相の区切り方は通常簡単に図のような10色相が採用されている。

上図は完全に雲でおおわれた空からやってくる色温度*6500°Kの昼光のエネルギーの波長分布である。これをわれわれは真っ白いと感じるが,このように種々の色の光を同時に見たときに白いという感覚が生じるのである。

しかし白色の感じを与える光は昼光に限らない。白色光を得る色光の混合の仕方は,昼光での割合の他にいろいろある。一般に二つの色光を混合して白色光となるとき,それら二つの色は互いに余色であるという。

昼光のスペク卜ル中からある色の光を除いた残りの光を混合した光の色と,その除いた光の色とは互いに余色であることは勿論である。色相環図で中心に対して互いに反対側にある2色光は互いに余色の関係にある。すべての色感は赤,,青の3色の光を適当な割合で混合すると作られる。ただし、単色光による純粋な色に比べて白味が増すのは避けられない。これらの3色光を三原色光という。

以上の事実に対して,歴史的に見るといろいろな学説が提出されているが,そのうちでYoung (1807)および Helmholtz (1867)によって考えられたYoung-Helmholtz の色感説は有名である。これは人間の眼にはそれぞれ赤,,青の色感を与える3種の受光器があって,これら3種の色感が混合して種々の色感を与えるという考えである(しかしこのような3種の視細胞の実在が証明されたことはない)。このような考えが発展して,色を表示するには三つの互いに独立な量が必要であり,かつそれだけで十分であるという Grassmannの基本法則が提出された。

色の感覚には色相,飽和度(彩度),明るさ3要素があって,これを指定して始めて色を分類できると考えられる。これらを色の三要素という。ある色相に白色を混ぜる割合が少なくなるに従ってその色は飽和しているという。白色は色相を持たず飽和度が零であり,単色光の色は完全な飽和色である。

たとえば桃色は不飽和の赤であって,事実赤ペンキに白ペンキを混ぜると桃色のペンキができる。明るさというのは,非常に暗い黒から非常に明るい白までの度合をいう。昼光を全部反射するものは白色であるが,各波長を一様に吸収し残りを反射するものは灰色であり,全部吸収してしまうものは黒色である。白色は灰色の最も明るいもので,黒色は灰色の最も暗いものである。

色の表わし方としては,各種の色票系および表色系がある。前者としてはOstwaldの色票系 Munsellの色票系が有名であり,後者としては国際的に規定されたC.I.E.表色系がよく用いられる。


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)水面の動揺


  水面に照射される光は水面の動揺によって乱反射する。さざなみの湖面の水模様は、一段と趣のあるものであり、水波の種類をまとめてみよう。

3.1)水波の理論概念と波の種類

水波(water wave)の現象は、周期、振幅、波長などの要素から成立っている。

なお、波の名称と周期の関係は、参考図書6)pp10、7)pp43に分かり易い図が掲載されている。


実際の現象を周期の面から見ると下記のように分類でき、かつ、その特徴、起振源を示す。

   潮汐(tide):長周期波(long period waves)

:月と太陽の引力による波

              高潮(こうちょうhigh water)=満潮:新月や満月のときの海面が高くなったときの潮位

   高潮(たかしおstorm surge):長周期波:台風や低気圧による気象上の原因で潮位が異常に上昇する潮位

津波(tsunami):長周期波:海底の急激な地殻変動による波

静振(セイシュseiche):長周期波:外海の変動影響を受ける港湾規模による固有振動の湾水変動、港湾の副振動(secondary undulation)のこと、または閉鎖水域(湖、池)における気象の撹乱の通過に伴う固有振動

うねり(swell):重力波(gravity waves):風波が風域から離れて進行する波:土用波など

風波(wind waves):重力波:風が原因で波が発生し,重力の作用で伝播する波

さざなみ:表面張力波(capillary waves)

理論の組み立て

  実際の波形は正弦波形としての規則波の集合体であると考え、規則波の理論誘導から記述される。

規則波(monochromatic waves):微小振幅波(small amplitude waves)(正弦波形(sinusoidal waves)

不規則波(irregular wave):実際の海の波:不規則波は微小振幅の規則波である無数の成分波の集合として取り扱うことが出来ると考えている。

微小振幅波理論

   波の理論展開に当たっての出発点となったAireyエアリー(1801-1892)による理論

   理論の仮定:1)水は非圧縮・非粘性の扱い。2)自由表面での表面張力と地球の自転によるコリオリの力を無視する。

3)水面での圧力は一様・一定である。4)一定水深。

5)波高は波長に比べて非常に小さい(H/L1)。6)波は波形を変えず伝播する。7)波は静止状態からなんらかの原因で発生したと考える。完全流体・非回転運動、速度ポテンシャルを持つ。8)波峰線は十分長く、現象は二次元である。

   深海波(deep-water waves)=沖波:水深hが波長L1/2より深い領域の波(h/L1/2kh>π)

   浅海波(shallow-water wave):深海波と極浅海波の間の波

1/2 h/L1/25;π>kh>π/10

極浅海波(very shallow-water wave)=長波(long waves)

1/25h/L;π/10kh

   群波(group waves):波が群れで進んでいる波:(群速度:  )

   等の波へと発展する。

有限振幅波理論:微小振幅波理論の適用限界を超え

る理論の波を有限振幅波(finite amplitude wave)と言う

;非線形的で多くの波を重ねることが出来ない

   ストークス波(Stokes waves)

   クノイド波(cnoidal waves)

   ハイパボリック波(hyperbolic waves)

   孤立波(solitary wave)=ソリトン(soliton):実験室内でのみ発生が可能な波で単独の波:クノイド波、ハイパボリック波の波長を無限大にしたときの波

    等の波がある。

不規則波の分析

   スペクトル(spectrum,複数をspectra)法:無数の周期と波高をもった成分波(規則波)を合わせ波であるの解釈の下に分析する方法

   代表波(representative waves)法あるいは有義波法(SMB法)

      海の波は種々の波高、周期および波向をもった波が重なり合った複雑なものであるため、工学的にはある統計値を持って表す.観測時間約20分間の中にあらわれるすべての波高を大から小に並べ替え、最高波高から全数の1/3にあたる波高および周期を平均したものを有義波高H1/3、有義周期T1/3と称する。この有義波高H1/3、有義周期T1/3と最高波高や1/10波高との関連をつける。

      有義波(significant waves)

      平均波(average wave)

重複波(standing waveまたはclapotis):防波堤などの鉛直壁から完全に反射された波と沖から入射する波とが重なって生ずる波:正弦波の進行の波と逆の波を重ねkx=±π/2,±3π/2,・・・の波:入射波高と反射波高が同じ高さ、;完全重複波

トロコイド重複波(clapotis of trochoidal wave)

非回転性重複波(clapotis of irrotational wave)

部分重複波(partial clapotis):反射波高が入射波高より小さい、重複波の性質を持つ波

砕波(wave breaking):沖から浅海を進行してきた波が、ある水深に達すると砕けた波

   砕け型を次の3タイプに分類

   崩れ波(spilling breaker)型:沖波の波形勾配H0/0が大きく、海底勾配tanθが小さい場合は、波の峰が徐々に白く泡立ち、波の前面に広がって崩れていく

   巻き波(plunging breaker)型:崩れ波型と砕け寄せ波型の中間の場合は、波の峰の部分が巻き込まれて前方に投げ出されるように砕ける波

   砕け寄せ波(surging breaker)型:沖波の波形勾配H0/0が小さく、海底勾配tanθが大きい場合は、波の前面が非常に乱れた状態で段波状となって砕ける波

三角波:港口付近に反射波が集中して出来る小型船舶に危険な波

段波(boreまたはhydraulic bore):波面の変化の急激な波:ダムの決壊時に生じる水流の先端;河口で跳水現象ある場合、バランスの変動に伴い上流へ遡上する波;開水路流の水門を急閉鎖したときの上流に伝播する波、水門の下流側に発生する低い水面の伝播する波。

等の波がある。


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4)映像の計算

4.1)水面が静止しているときの逆さ富士






4.2)波動があるときの水面の反射





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あとがき


ここでは、光の性質のごく一部分を紹介したに過ぎない。光速度、干渉、回折、偏光、複屈折、電磁界、レンズ、鏡・・の説明を除いている。

光の研究も他の工学関連と同様に西洋で研究・発展されたものであり、ガリレオ、ニュートン、ヤング(T.Young)、マックスウェル(C.Maxwell)、アインシュタイン、・・のおなじみの偉人たちの名が出てくる。

書籍には、光は何から出来ているかの研究経過史や、光速の計測方法など興味ある内容が記されている。

ところで、輻射と放射は、radiationであり同じことを意味しているのだが、どうも日本の先生方は、替え歌が好きなようである。最近、演歌界において替え歌・付け加えプロの著作権問題があるようであるが、書籍のコピーも禁じられている。しかし、著作権者は工学の基礎をなした偉人たちへ返礼をなされているのだろうか?無断コピーによる学びによって、発展してきた科学・工学であるようにも思える。


追伸:書籍引用にあたって、書籍名を記載すれば問題はないことは文化庁のHPから明らかである。「引用に当たっての著作権と常識」のコーナーを参照されたし。(07.11.16)

追伸:光を学ぶうちに量子力学の世界に迷い込み、長岡半太郎先生や、カオス理論の上田v亮(よしすけ)先生の業績を知り楽しい限りである。(下記にURLの一例を示す)

http://www016.upp.so-net.ne.jp/eoslb/htmls/nagaoka.html

http://www.i.kyoto-u.ac.jp/~inagaki/UedasDiscoveryOfChaos.html

http://www.i.kyoto-u.ac.jp/~inagaki/indexj.html