新運営委員長就任挨拶

                             吉田 美樹

・7月4日の山とスキーの会総会で運営委員長に選任されました。1980年入部、1984年卒部の36歳の若輩です。近年、運営委員会は私と同年代の委員が大半を占めるようになり、「そろそろ君たちの世代が中心になってやってみなさい」という前委員長の意向に沿う形となりました。前委員長のように細緻に至る心配りが出来るかは分かりませんが、チームワークを重視し、円滑な会の運営を目指していきたいと考えます。

・この5年間、私は運営委員を勤めましたが、その間に山とスキーの会にとって重大な出来事が続きました。

・ひとつは、水谷先生の死去とその後2年間に渡って行われた数々の追悼行事です。多くの方が寄せた追悼文を読み、その追悼行事の盛況ぶりを見るほどに、山とスキーの会の誕生と発展に寄与された先生の功績の偉大さに敬服し、先輩たちが先生の思想を拠り所として、山とスキーの会を育ててこられたことを想い起こしました。

・しかし、私達の世代になると、先生のお人柄や思想については主に部報や会報で接し、感銘は受けつつも、水谷先生から直接に学べる機会は少なかったこともあり、少し距離のある存在であったように思います。そして、私達よりさらに若い世代にとっては、先生がかなり遠い存在になってしまっていても不思議はないでしょう。

・ところで先日、現役の秋の小屋祭に顔を出しました。祭りのセレモニーの様子は、私達の時代に比べて随分紳士的な雰囲気になっていました。しかし、そこには各部員の個性がぶつかり合いながらも、仲間をいたわり、共に歩もうとする連帯がありました。OBのたわいのない話にも真剣な眼差しで聞き入り、その中に何かを見つけ出そうとする純粋さと真摯さにふれたとき、ふと、世代はかわっても、水谷先生の精神といったものが生き続けているなと感じました。

・山とスキーの会会員は、年齢も職業も多岐に渡り、年々その数は増しています。その中に宿る共通の精神を喚起すること、そして、コミュニケーションの機会を提供していくことが運営委員会の任務であると肝に命じました。

・ふたつめは、パラダイスヒュッテの再建運動とその完成です。再建を計画している段階では、計画を疑問視する声も挙がりましたが、ひとたび構想がまとまり実施段階に入ると、中心となったメンバー達の集中力はすばらしく、多額の寄付金を集め、ヒュッテを完成させました。

・パラダイスヒュッテが完成してから3年がたち、現在はパラダイスヒュッテ管理委員会のもとで毎週末の小屋番管理を行っています。また、年に数回は山とスキーの会関連の会合に利用され、最近では、現役の雪崩研究会やスキー合宿等も定着した感があり、将来の山とスキーの会会員にも親しみのある場所になっていくことは好ましいことです。現在の悩みはやはり年間を通しての週末の小屋番の調整をすることです。管理委員会の担当者が毎週末の小屋番を確実に手配することは、なかなか骨の折れる仕事となっています。どうしても手配出来ない場合には担当者自らが小屋番となることもしばしばあります。当初の構想どおり会員の協力により、小屋番体制をどうにか維持しているものの、一部の会員に負担がかかりすぎていることを解決していきたいと考えます。

・パラダイスヒュッテの再建という大事業の成功の美酒に酔っていられたのも束の間、その完成により、ヒュッテの管理が山とスキーの会の半永久的な仕事となりました。この仕事を継続的にこなしていくことは、山とスキー会にとって時にはしんどい課題であり、一方で、これを会員の連帯のひとつの拠り所にしていきたいと考えます。

・その他にも、カムチャッカ・ジミナ峰初滑降の偉業も記憶に新しく、ここ数年はいうなれば、「鳴動の時代」だったように思います。山とスキーの会の歴史に銘記される様々な出来事も一段落した今、新運営委員会は以下の活動目標を掲げ、会の機構の整備とパラダイスヒュッテの維持管理について取り組んでいきます。

運営委員会活動目標

親睦行事の充実等により会員同士、とくに古手と若手の交流の活性化を図る。さらに現役の活動を積極的にバックアップするとともに、OB主催の行事への参加を呼びかけ、現役との交流の機会を多く作っていく。

この冬の行事としては、各支部の忘年会(12月)、関東支部五竜集会(1/17〜   1/18)、パラダイススキー交流会<吉岡先生追想スキー集会(2/78)などを予定している。

1年間の試験運用を経た電子メールによる事務連絡を正式採用とした。現在、会員への連絡手段は郵便188名、FAX35名、電子メール80名となっている。今後もパソコン等を活用した連絡網の整備について検討していく。

また、会員数が350名を超え、今後も年々の増加が予想される状況において、全国支部分けについての見直しを行う。また、各支部の連絡網を整備し活用することによる、本部の通信事務作業の省力化を検討していく。

本会報は伊藤剛編集長の下、関東支部による編集で発行の予定である。支部分けについて検討するとともに、会報編集の各支部持ち回り制についても検討していきたい。

一部の会員に負担のかかることなく、毎週末の小屋番を確実にこなしていくための協力体制について検討する。水道、ソーラー等のヒュッテ施設の維持管理を行う。

最後に、元山スキー部部長の吉岡義彦先生が、今年1月に急逝されました。先生は私が現役時代に部長を務めてていただいた方で、とにかく無茶をしがちだったあの頃の山スキー部員を優しく見守っていただきました。スキーやマラソンにおいても常に現役をリードされ、エネルギッシュな先生の姿に心を打たれ、自らも向上心を燃やした若者がどれだけ多かったことでしょうか。

先生は亡くなる直前まで、ひたむきに自己のスキーを探求しておられました。先生のご冥福を祈るとともに、先生の示された、こだわり続け、求め続ける精神の火を山とスキーの会に灯し続けることを誓います。

                                           SCHI HEIL