手稲パラダイスヒュッテ近況報告

               パラダイスヒュッテ管理委員   久能 弘道

1995年4月に北大に移管された後、パラダイスヒュッテの管理は山スキー部OBが行ってきている。管理委員会4名(在田一則、田上省一、山本恵司、久能弘道)が事務的業務を担当し、札幌近郊在住者を中心とする多くのOBの方々に小屋番、その他に多大な協力を得て小屋の管理にあたっている。以下に小屋の使用状況、近況、問題点を述べる。

・はじめに、小屋の使用状況をパラダイスヒュッテに備えられている訪問者ノートに基づいて調べてみた。このノートには、199599日から記載が始まっているが、便宜的に4期間(@199510月〜19963月、A19964月〜19969月、B199610月〜19973月、C19974月〜19979月)に分割して利用状況を調べてみた。その結果、@期間利用者数約300名、A期間利用者数約390名、B期間利用者数約350名、C期間利用者数約200名であった。夏期、冬期にかかわらず、1ヶ月に50名を超える利用者がおり、しかもその利用のほとんどが週末に集中していることを考えるとかなりの盛況ぶりといえるのではないだろうか。C期間に利用者の落ち込みがみられるが、これは、1997719日〜1997910日頃まで、林道入り口の門に「熊出没、立ち入り禁止、札幌市、719日〜」の看板が掲示されたことがほとんどすべての原因であると思われる。以下に概要を述べる。

・パラダイスの管理委員会だけでなく、北大の担当部署にもなんの連絡もなく、看板が設置されたため、最初に看板を見た時(7月26日(土曜日))は少し驚いた。そして週明けに事情を調査した。まず看板に「札幌市」とあったので市役所に問い合わせたところ、ここの環境局自然保護課から「西警察署に問い合わせてほしい。」との回答を得た。そこへ問い合わせると510日と717日の2回熊の出没情報が寄せられたとのことであった。前者は手稲ハイランド女子大回転コース上(警察の人は確かに「女子大回転」といったが、わたしは「男子大回転」の誤りではないかと思っている)の雪上に大きな熊の足跡があるという通報を受けて、警察官が出向き2メートル以上はある熊のものと確認したとのことであった。後者は親子2人(親子といっても老人とその息子)が乙女の滝の遊歩道を1.2km程入った地点で熊らしき後ろ姿を目撃したというものであった。(ただし、2人には知的レベルの問題があるらしく、警察の方でも事実認定が難しいらしい印象であった)小屋への立ち入りの可否について尋ねると「看板は札幌市の設置したものだからわからない。」との回答であったため、再び札幌市役所環境局自然保護課に問い合わせたところ、「看板は警察署からの要望に従って設置したまでなので…。」と責任の所在がはっきりしなかった。しばらくやり取りを繰り返した後、市役所と警察署で話し合ってその結果を後で知らせてもらうことになった。結局、小屋までの往復区間は指定外であり、その奥が立ち入り禁止区域であるという回答が返ってきた。また、しばらく様子をみて看板は取り外す方向で検討中であるとも言ってきた。その後、910日頃に看板は取り外されたようだ。設置時も撤去時も北大担当部署及び山とスキーの会にもなんの連絡もなかった。パラダイスヒュッテの認知度がいまひとつということなのだろうか。

結局、2件の熊情報を受けた西警察署が札幌市に要請して立ち入り禁止の看板を手稲山周辺の数箇所に設置し、その中のひとつが上述の看板であったわけだが、パラダイスへの立ち入りにはエリア的に関係がないものであり、熊の出没情報も今ひとつ真相がはっきりしない、おかしな出来事であった。

・熊以外の近況報告としては、倉持寿夫氏、小林暁正氏らによる水周りの改良が図られ快適さが向上してきている。それでも時には溜まったドロを人力で排除するなどの措置が必要なことがあるのが現状である。この作業にも他のOBの方々の協力をお願いしている。また、佐藤鐡郎氏作成の菜園には数種の野菜が育っている。氏の切った薪も夏期の燃料用に大変役立っている。小林正人氏、高橋邦臣氏にも、未定分の小屋番を多数回引き受けていただいている。111日には、OB5名(上述の方の他、小池宏二氏、吉田美樹氏)と現役5名の協力を得て冬期の燃料用ウッドブリケッドを小屋に搬入する作業が行われた。

・最後にパラダイスの小屋番について報告する。移管後、原則的に毎週土・日曜日(土曜1泊)さらに、利用希望申請がなされたときは、水・木曜日(水曜1泊)にも山スキー部OB会から小屋番を派遣する必要がある(実際、後者の利用はほとんどないが)。したがって、年間50余回の小屋番が必要となる。平成8年10月〜平成9年9月までの1年間の小屋番担当者リストを調査したところ、この期間の小屋番を22名で管理してきたことがわかった。1人平均で約2回半/年の小屋番担当の計算になるが、先の22名中9名はこの期間中1回のみの担当であり、残りのメンバーの中には担当回数が4、5回を超える者もいるのが現状である。年に1、2回程度であれば、格好のレクリエーションを兼ねた小屋番ともなろうが、やはり貴重な休日が他の余暇に当てることができないため、年に数回の小屋番は負担になる側面をもつことも事実であろう。山とスキーの会には、在札のOBの方々(社会人)が約60名、さらに、いわゆる学内OB(卒部後も、北大に大学院生もしくは学生として在籍している者)が約20名登録されている。この総勢約80名の中で、週休2日制でないため、土曜日に休みを採ることが難しい者や昼夜、学業・実験等に従事していて週末も研究室を離れられない者を小屋番対象者から除くと、1人あたり年間1、2回の小屋番を担当することでこなしていけるものと思われる。夏休み、冬休み等に道外から来札されるOBの方々のご協力もありがたい。(この1年間には、中村晃忠氏のご協力を得ました)小屋番のお知らせ、依頼等は現在のところ、E-mail、郵送、電話を用いている。E-mailは作業が楽なこと、経済的であることなどメリットは大きいが、年配のOBを始めとして普及率がいまひとつであることが不便なところである。手間暇と金がかかる郵送、電話に頼らざるを得ない部分があるのが現状である。今後改善が望まれるところである。

・今後さらに、OBの方々、山スキー現役の諸君にも手稲パラダイスヒュッテを有効に利用していただき、ますます愛着を深めていただくことを目的として、また大正15年日本初の本格的スキー・ヒュッテとして建立されたことを記念して、さらに故・吉岡義彦先生を偲んで、毎年OB・現役合同の「手稲パラダイスヒュッテ、スキーの集い」を毎年冬に開催することが札幌の山とスキーの会運営委員会で計画されている。今回は、平成10278日(土、日曜日)に開催されることが決定された。道内、道外から多くのOBの方々が参加されますことをお待ちしております。