| 卓球メールジャーナル第252号(2012年4月28日配信) |
● 両面アンチラバーへの挑戦(116) 田中大也
「Z君戦、大苦戦」 |
団体戦の出場メンバーを決める選考会の第1戦。Z君との試合の続く第2ゲーム、私は、できる限り丁寧に、ミスを少なくしようと心がけ、台につきまし
た。もう数え切れないほど対戦してきた相手ですので、試合の途中で弱点をつかみ、一気に流れを引き寄せるといったことも難しいですし、奇策でペースを握る
というのも期待できません。そのため、ミスを少なくすることと、できる限り実戦に近い緊張感をもって臨むぐらいしか、勝つためのきっかけをつかむことには
ならないと判断したのです。
逆に言うと、他に勝つ手立てが見いだせないほどに、追いこまれていたということになるのかもしれません。実際、Z君は、どこか余裕を感じさせるほど淡々
と、しかし丁寧に、ポイントを積み重ねていきます。一度、心理的にひいてしまうと、何でもないボールでもやけに難しく感じられ、その意識が、ミスを誘発し
てしまいます。
さらには、カットマンであるはずのZ君の強打を警戒して、普段より2歩分も後ろに退いたところで構えなくてはならないような状況では、いい結果につな
がっていくはずはありません。結局のところ、私は、第2、第3ゲームとも、まったくいいところなく敗れてしまいました。第3ゲームに至っては、たったの3
ポイントしか奪えないという、完全な惨敗を喫してしまったのです。
「おいおい、どうしたんだ、田中。ちょっと調子悪過ぎないか」。勝者のZ君までもが、心配な表情を見せるほどの負けっぷりで、さすがに冗談めいた軽口を
叩く余裕もなくなっていました。何しろ、今やっている試合は、弱点を見つけ出し、課題を克服するための試合ではなく、団体戦への出場を決めるための選考な
のです。
(くそっ、次で挽回しないと…)。
熱戦を繰り広げている他のメンバーを横目で見ながら、私は、次の試合への闘志を燃やす以外ありませんでした。
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